青山景のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレとにかく、非常に緻密に作り込まれた構造のマンガで、読み返すほどに作品の奥深さを感じます。
全ての経験はテクストとして構造化されている。
そして、「林真理子が清少納言に影響を及ぼす」ように、現在のテクスト(経験)は過去のテクスト(経験)の解釈をいかようにも変えることができる。
作品の底流にあるのは、この経験の「間テクスト性」という考え方です。これを体現するための極めて実験的なマンガともいえます。
『ストロボライト』というのは断続的な速い周期で光を点しますが、人のひとつながりの経験はその一瞬一瞬のまとまったもの。
その一瞬ではつかみきれないその時の意味は、時間が経てば経つほどさまざまな解釈が -
Posted by ブクログ
『よい子の黙示録』(未完)を読んで、この作者の並々ならぬ画力とストーリーのうまさに唸って、この作品を読んでみた。
自意識過剰かつ劣等感に苛まれる主人公の、焦りやら悲しみやら苦悩やら、そういったイタイ感情を丁寧に描いている傑作。
読んでいて、なぜか、とり・みきの短編「カット・バック」を思い出して仕方なかった。
自ら作り出した幻にとらわれた主人公が、7年経ってようやく初めに立ち返れたこと。終わりがはじまりを作ったこと。随所にカット・バックの手法を使いつつ、ほろ苦いラストで主人公が自分自身に巡り合うのは感動的である。
この才能あふれる作者の早逝によって、もはや新作が読めないのが残念で仕方ない。 -
Posted by ブクログ
青山景さんのシュールな作風は健在です。
小学生がクラスで新興宗教を起こすという発想がとても斬新でした。そのためクラスメイトと周りの大人を自分の計画のため駒のように動かす小学生はまるで小悪魔のようでした。
その小悪魔のような緻密な行動派の小学生が、神など信じてもないくせにご利益だけ求めるとか図々しいんだよという台詞を吐き捨てる場面があるけれども、信じてもないくせに自分の好きなように解釈しちゃうって人間のエゴなんだよなという意味で全くこの子が言ってることは正論ではないかと思いました。まあ、それはそれで人間らしくて素敵だと思いますが。
しかし無駄にパンチラが多い気がする。あ、ちなみにパンチラはもち -
Posted by ブクログ
ネタバレまだ1周しかしていないので正直な所完全に理解出来てませんが、大体のテーマというかそういうものはなんとなく感じ取れました。
話は過去と現在が交錯しながら進んでいきます。
現在の夜行列車に乗りながら、過去の恋人との出来事を1本の映画を軸に思い出していきます。
難しい手法とかそういうのはまったく分かりませんが、帯にもある「君が好きになったのはー本当に<私>?」という言葉がそのまま話になっているというかちょっと上手く言えませんが、どこか人間の負の部分であったり、自分の気持ちがわからなくなったりする部分は共感できました。
少し切なくてちょっぴり現実味のあるお話しです。 -
Posted by ブクログ
青山景が割と普通の漫画描いてた。なんか意外だー!イブニングだしそれなりの長さになるのかな。
小学生が宗教を興す話。
この作者は考えて描く人だから一巻にも伏線が張られているのだろう…。気になるのは中島の作文によると森ユリカは元々不思議な力を持っていたと言う事になる?んで、いかにも怪しい作文を読んでみると、「ほたる」と「ホタル」が両方ある!だからどうした。誰かが書き換えたのか?読んだら気付くだろ。わからん。それと、森ユリカが読んでた五月三十五日て本、本当にあるんだね。ググったけど話に関係は無さそう。あと、保健室の先生は伊勢崎とグルなの?グルだとすると 保健室に行った事にしといて→オバさん教師に確か