春原剛のレビュー一覧

  • 日本版NSCとは何か

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    【日本にとって、NSCという組織の創設はトライしてみる価値のある壮大な実験であります。しかし、NSCはある意味、諸刃の剣のような存在になる可能性もあることを忘れてはなりません。】(文中より引用)

    2013年末に安倍政権下で発足した国家安全保障会議(NSC)。厳しさを増す国際環境の中で何故に日本政府は同会議体を創設するに至ったのか、そして大いに参照された米国におけるNSCの運用と変容とはどのようなものかを記した作品です。著者は、日本経済新聞に務め、『核がなくならない7つの理由』などの著者でも知られる春原剛。

    制度としてのNSCだけでなく、運用におけるNSCにも踏み込んでいった良書。米国の例を

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    2019年11月13日
  • 米中百年戦争―新・冷戦構造と日本の命運―

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    [その関係、波の如し]21世紀の国際社会において重要すぎるほど重要な存在となることが予想される米中両国。米国の外交実務者とのインタビューなどを重ねた著者が、冷戦終了後の米中関係を概観するとともに、その行く末について詳細な考察を重ねた作品です。著者は、日経新聞の記者として活躍され、軍事評論家としても名高い春原剛。


    労作。公式コメントや公開情報を丹念に紡ぎながら、米中関係の寄せては返す一筋縄ではいかない関係を見事に描き出しています。本書から浮かび上がってくるのは、国際社会における責任は巧みに交わしながらも、然るべき地位は得たい(もしくは得ているように思わせたい)という中国に対して、両方をぶら下

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    2014年04月25日
  • 暗闘 尖閣国有化

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    ネタバレ

    ふりかえると歴史ってのはしかるべき所にしかるべき人が居るときに動くものなのねと。
    (野田が総理で無ければ、石原が都知事で無ければ)
    日本政府に尖閣諸島を購入させたのが、石原慎太郎最後の勝利だったのだろうとも。
    余計なことをしたように見えて、中国の暴走にギリギリ間に合うタイミングで対処できたのは結果的にギリギリ間に合うタイミングで尖閣を購入していたからかもしれない。(もちろん、購入しなかった場合どうなったかは全て仮定の話になるけどな)
    まあ、よりによって北京の権力闘争で習近平が実権を握る為の最大の戦いをしているタイミングじゃ無ければなぁ・・・とは思いたくなるが、事が適度に荒立っていなければ日本政

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    2018年10月14日
  • 日本版NSCとは何か

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    日本版NSC(国家安全保障会議)について、そのモデルとなった米国のNSCの歴史からひもといて解説しているのでわかりやすい。国家安全保障問題担当補佐官に求められる資質や、日本版NSCと米国のNSCの違い、日本版NSCの今後の課題などがとてもわかりやすかった。が、本来まとめとなるはずの終章で関係ない話が始まり、ミスリードするような話が始まり、蛇足も良いとこだった。どうして今時シビリアンコントロールでシビリアンでは無い文官の武官への優越という誤った解釈に帰結していくのか、著者の知識からすると不自然な記述だらけで、本当に蛇足でした。そこで星一つ減らして四つ星

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    2018年10月14日
  • 暗闘 尖閣国有化

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    大幅ページ増の文庫化だったような気がしたので、既読だったが読んでみた。最後に長島議員との会談があるだけ。もっと新情報が盛り込まれた文庫化だと思ったので残念。

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    2017年09月22日
  • 日本版NSCとは何か

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    自民党の官僚丸投げの制度疲労があった、この中で20年くらい前から日本版NSCの萌芽となる議論が行われていた。本場米国のNSCの歴代SA。模範となるスコウクロフト氏。日本版NSCの問題点等。

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    2016年02月09日
  • 米中百年戦争―新・冷戦構造と日本の命運―

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    クリントン米国大統領の日本素通りの衝撃度合いがとても印象的。
    日本の外交下手はよくいわれるが、米国に関しても、
    共和党と民主党の政権交代を経ながら、そんなに一貫性を保っているようにも思えない。

    通時的に米国の中国に対する姿勢を理解するには、うってつけの書であるし、
    なるほど、そういうことだったのか、
    と思わされることは多々あり。

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    2014年09月27日
  • 日本版NSCとは何か

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    特定秘密保護法とともに、日本に設置する日本版NSCについて、必要性やアメリカとの比較で説明している本。

    内容は、なぜNSCが必要となっているのかその理由と経緯、本家(アメリカ)のNSCはどのような組織かを主に子ブッシュとクリントン政権のSA(Security advisor)についてをまとめている。後半は、日本のNSCの導入の第1次安倍政権から第2次安倍政権までの歴史、文民統制等の問題点をまとめている。

    秘密保護法案がインフラであることを理解できたり、NSCについての知識を整理したり、よいまとめになったと思う。

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    2014年04月23日
  • 日本版NSCとは何か

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    日本の安全保障への強い問題意識を根底に、日米の対比を用いてNSCや特定秘密保護法について分かり易く解説した想像以上の良書。平易で読みやすい文章と興味深いエピソードが多く、帯にある通り入門書として最適。
    日本の安全保障が待ったなしの段階に来てることを痛感させられた。

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    2014年02月04日
  • 日本版NSCとは何か

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    ネタバレ

    「日本版NSCとは何か」と思ったら、一度読んでみるといい。
    ただし、読むにあたって注意すべきは2点。
    ①筆者の経歴から考えて、米国NSCをモデルとすることは理解できるが、キッシンジャー、ブレジンスキーなど、我々が文献からうかがうことができる程度の「歴史の人」を理想とされても、具体的にわかるづらい部分がある。
    ②スノーデン事件の影響や、憲法21条の問題に言及していることはよい。ただ、その際に忘れてはいけないのは、いわゆる「親日派」と呼ばれる米国の人々も、日本が「民主主義的価値を共有しうる、米国にとってのパートナーだ」ということが前提であることだろう。

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    2014年02月03日
  • 日本版NSCとは何か

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    【由来】
    ・確か佐藤優の週刊ダイヤモンドの連載だったと思う。

    【期待したもの】
    ・日本版NSCについての基礎知識を身につけたい。

    【ノート】
    ・NSCとはアメリカの国家安全保障会議の略だがスノーデンの一件で有名になったNSAとはまた別ものらしい。このNSC、各国にあるらしいのだが、インテリジェンスの分野ではアメリカの師匠格だと思っているイギリスに設置されたのは2010年5月のキャメロン政権後ということで意外だった。なお、イギリスはNSC創設時に、アメリカと協調路線を取るが隷属的ではない」とその原則を明言したらしい。日本の関係者には、これが日本へのエールに聞こえるか、それともあてつけに聞こえ

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    2018年10月28日
  • ヒラリー・クリントン―その政策・信条・人脈―

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    10/23現在、今のところヒラリー優位と言われている大統領選挙戦。ただ正直この本を読んでもヒラリーの魅力は感じられなかった。

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    2016年10月23日
  • 日本版NSCとは何か

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    ネタバレ

    簡単な覚書として

     NSCとは国家中枢に位置する戦略的意思決定機関。
     本元の米NSCは1947年トルーマン大統領の下に発足。中心人物がSAであり、組織の価値はこの人物の器によるところが大きい。米NSCもまだ組織として多くの課題を抱えている。
     日本版NSCは冷戦終結後より取り沙汰されるようになった。ポスト冷戦における米一極支配の終焉に伴い、自立防衛志向を背景に議論が活発化。迅速な意思決定や情報収集力・分析力の統合能力に欠ける官僚機構の弱点を改善すべく2013年に安倍首相が創設。
     合議内容は主に外交・防衛計画の基本指針。
     NSCに課せられた使命は、権力を補佐しながらその暴走を抑制しつつ、

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    2016年01月04日
  • 核がなくならない7つの理由

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    ネタバレ

    1.平和を保つため
    2.核を交渉に使うため(北朝鮮など
    3.核の傘に守ってもらえるため(日本など
    4.特権を守るため(常任理事
    5.隣国をけん制するため(イスラエル、インド、パレスチナなど
    6.テロから守るため
    7.クリーンエネルギーのため

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    2011年11月09日