実業之日本社のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
約100年前に刊行された『修養』『自警』から、東日本大震災後に逆境に立ち向かう全ての人に向けて2011年に編集されていますが、現代でもその内容は少しも色褪せる事なく、多くの気づきを与えてくれます。
逆境は全ての人にある。得意の絶頂にある人にも大統領の地位にある人にも、必ず自分の思い通りにならないことがある。この自分の思い通りにならない事には二種類ある。つまり、天の授けるものと自分が作り出すものである。
前者は運命と称され、後者は自業自得と言われる。二種類の禍いのうち人生でどちらが多いかといえば、自ら作り出すものの方がはるかに多い。ただ人は普通、なぜ逆境に陥ったかを良く考えないから、天を怨んだ -
Posted by ブクログ
逆境を越えてゆく者へ
爪先立ちで明日を考える
著:新渡戸 稲造
編:実業之日本社
出版社:実業之日本社
「牛の歩みのように遅くてもいいから、一歩一歩と進み続ければやがて必ず千里の遠きに達することができる」 本書は、東日本大震災によせて復刊されたことを知る。平易で、わかりやすく、100年前に書かれたことに驚きを禁じ得ない。
目次
発刊に寄せて 東京女子大学学長 眞田雅子
第1章 逆境を越えてゆく者へ
第1節 そもそも逆境とは何か
第2節 逆境にある者が陥りやすい危険
第3節 どのように逆境に立ち向かってゆくか
第4節 逆境の善用で精神を鍛える
第2章 人生の危機は順境で起こる -
Posted by ブクログ
■全体として何に関する本か
本書は新渡戸稲造氏が、1908年から1912年までの間、雑誌「実業之日本」の中で、働く青年向けに連載していたものを纏めて本にしたものである。本書が現代語訳され再度出版されることになったのは、東日本大震災という危機を多くの若者達に乗り越えて欲しいという願いによるものである。熱心な教育者として知られ、当時の国際連盟の事務局長まで務めた新渡戸稲造氏が、どういう考えの持ち主だったのかを知るのに適した一冊である。
■何がどのように詳しく述べられているか
本書は「人が逆境に立たされたとき、どのようにして乗り越えてゆくべきか」について書かれており、大きく分けて「①キリスト