馬渕邦美のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
世界的な広告会社オグルヴィで「データ・サイエンティスト」として活躍してきた著者が、数々のクライアントとの仕事を通じて実践してきたデータ分析ノウハウを体系的にまとめた一冊。具体的事例に基づく実用書でありながら、次の時代を見据えたマーケティング/コミュニケーション戦略のあり方も提示していて興味深い。
どの顧客に対して、どんなメッセージを、どのようにして届けるのか、それにどの程度のコストをかけるのか等を検討し実行するために有用なフレームワークや定量的分析手法が数多く紹介されるが、その中で著者はICTの発展によって可能になったビッグデータの有用性を認めつつ、企業が普通に入手可能な「リトルデータ」であっても分析は十分可能であり、重要なのはデータから意味あるメッセージを引き出し、それを誰にでもわかる形で提示することだと主張する。
さらに著者は、近未来の消費者が個人情報をより主体的にデジタル世界の中で開示することで、企業がそれを的確に分析し、真に価値ある広告のみが表示される「価値交換」社会の進展を予測する。サイエンスとアート両面からアプローチに長けた著者ならではの語り口には、単なる分析ノウハウ本にはない奥深さを感じることができる。 -
Posted by ブクログ
昨年(2013年)の2月にハーバード・ビジネス・レビューにて、”データ・サイエンティストほど素敵な商売はない”と魅力的な仕事ということで紹介されてから、「ビックデータ分析」、「データ・サイエンティスト」というのが、IT業界のバズワードとして人気を博してきた(最近は少し落ち着いてきた感がありますが)。インターネットを中心にIT業界が活性化し、PCの高性能化はもとい、手持ちのモバイル端末でも高品位の処理が可能になってきた。LTEで通信も高速になり、ストレージも大容量化の時代、情報の通信&蓄積は技術革新とともに安価にもなりつつあります。
これだけ分析ブームでもありますが、ITの世界でももともとデータアナリストとか、システムアナリストと呼ばれる人は結構いたと思います。前者は広告や商品の効果測定とするリサーチ会社のイメージだし、後者はSIをする中でのコンサルタント的な立場で業務の分析などをしていたイメージです。その中で、”データ・サイエンティスト”が職業として出てきたのはなぜなのか? まず、この「データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」」では、そもそもサイエンティスト=(科学者)とつけるだけに、従来のアナリスト=(分析者)とは違う、「分析力」とは何なのかという言及があります。
分析をするだけではなく、それを実施することで何か変わるのか。そして変えたことでの変化量を常に計測することで、継続的な業務変革につなげていく。まさにプロセスを提案するだけではなく(ここまでだとサイエンティスト止まり)、プロセスを変革していくイノベータにならないと意味がないのかなと思います。
データの取り扱い方もそうですが、単純に数字や文字の並びを分析するだけでなく、その裏にどのような現象が潜んでいるかを知るというのは、僕自身、学生時代の卒業研究でやっていた材料研究やプラズマの物性研究に近いなと感じました。データとしては確かに数値で上がってくるんだけど、それは計測誤差なのか、想定している現象の外からくる雑音なのか、そもそもの想定とは全く違う現象がそこで起こっているのか、、数字1つでも正しさをとことん考え抜く、それが単に数字を整理するだけのアナリストと、複数要因を想定する「分析力」を持ったサイエンティストの違いなのだと思います。 -
Posted by ブクログ
ビッグデータ・・・よく聞く言葉。
とはいえ、その実態は?
ビッグというのも、ザックリで、どこからどこまでを選択するか?
その実態がわからないからこそ、それをいかに定義して、選択し、読み取るか?
キュレーション能力が問われるのだろう。
まずはスモールから、自身の手にある(だろう)データから扱ってみる。
そして、既にある分析方法でいろいろつなげたり、グルーピングしてみる。
そして、実際試してみる。(←ITの技術の上で、日々データと結果を積み重ねることができるから、迷わず少しづつでも確実にやりたいことを進める実験の継続がある。だから、考えのストーリーが実現に繋がる)
だから、スモールが自身の方向性でビッグになる。
そんな思考と施行の実態を教えてくれる一冊。
それをマーケターマインドとサイエンスの融合と調和というのではないだろうか?
そして、現代のデジタルを使ったソーシャルで、ファンとともに参加するメーカーの在り方なのかもしれないと思うのである。 -
Posted by ブクログ
原題は「SEXY LITTLE NUMBERS」、既に手元にある魅力的なデータを意味するらしい。ビジネスを進める上での判断においては、既に手元にあるデータからでも十分に良い判断材料というものが埋れているということで、既にトップカンパニーはこれをアナリティクスと言って、十分に活用しているらしい。これら、手元のデータをまとめ上げ、進むべき道を示す人をデータサイエンティストと言うようだ。今はIT化により、わりとこの種の分析作業も大変ではないようだ。アメリカでは最もセクシーな仕事も言われているとか。確かに面白い話だと思う。昨今、製薬会社等でも、DM部がデータサイエンス部と部署名が変わっていたりしたのも妙に納得。最近は色々なものをメトリクス評価しているみたいだし、定量化して、分析することで、先に進むべき道が見えるのかしれない。
周りがどうだとか色々言う人もいるが、まずは自分の足元からしっかりと固めないと進むべき道も見えてこない。まだ、今の自分では全てをうまく使いこなすことができないが、この目線は忘れないようにしないと。
また、得られた発見を基に変えていくフレームワークにOODAというものがあるらしい。
O:観察(observe)
O:情勢判断(orient)
D:意思決定(decide)
A:行動(act)
このループを回していくことは、
競争上の優位性を得るためには非常に有効であるとのこと。
さて、本書によるとこれからの時代は、データを解析するシステムを監視する「技術者」と得られた発見をアクションへと変える、つまり、魔法を起こす「魔法使い」の二者に分かれるらしい。自分はどちらになれるだろうか?? -
Posted by ブクログ
いろいろカバーされてはいるが、ちょっと想定読者をどこにおいているのか分かりにくい本。
まず、Web3とはそもそもなにか、みたいなところから体系的に理解したい向きにとっては、専門用語の説明がなくて分かりにくいだろう。
一方、基礎知識のある人にとっては、インタビューの多くはスタートアップストーリーとして馴染みのあるものも多いだろう。
そういうやや不親切な感じがあることとは別に、このWeb3の行末についてはいろいろ考えてみたくなるのも事実だ。
そもそも、中央集権的なGAFAなどプラットフォーマー、すなわちWeb2に対してより自律分散なのがWeb3だ、とよく言われるが、自律分散はそもそもインターネットの定義でもあったはずだ。
つまり、Web3でも今後スタープレイヤーが登場して場を一気に支配する可能性は大いにあるし、実際、編著者の必死の誘導にも関わらず例えば野口悠紀雄氏なんかはその辺を率直に語っている。
また、これまでのネット社会よりDAOがより民主的?なのは百歩譲って事実だとしても(特定のプラットフォーマーにコントロールされないから)、資本主義の新たなオルタナティブだ!みたいな論は本当か?といいたくなる。
NFTなんかも、アーティストにとっては作品マネタイズ上貴重なツールなのはわかるが、これまで財産として価格のなかったものに価格をつける仕組みを作り上げ、その取引を膨張させるのはまさに資本主義の得意技だったはずである。分かりやすいところで言えば、高層ビルのための容積率の規制緩和などはまさにこれで、これまで値段のなかったビルのさらに上の空気、の値付けに他ならない。この辺も、野口氏はまずまず懐疑的な視点で言及してくれている。
とは言え、こういう新しがり方に対しては否定と礼賛が交錯するのが当たり前で、だからこそ面白いとも言える。
あれこれ読んだり体験したりしながら、とにかく状況にキャッチアップし続けることが大切、という意味で、もちろんとても有益な本であった。
-
Posted by ブクログ
先日、デイヴィッド・オグルヴィ「ある広告人の告白」を読んだ。オグルヴィが創始した会社が、オグルヴィ・アンド・メイザー。そしてこの会社がクライアント企業との間で培ってきたマーケティング戦略立案時のデータ活用方法を整理し、マーケター的戦略立案手法とサイエンス的アプローチを融合させ、方法論として体系化している。
「『バランス・スコアカード―戦略経営への変革』では、戦略上の成功に関係する重要な要素を定義し、その間にある因果関係を評価するという方法が解説されている。特に企業のリーダーに対して、次の4つの重要領域に集中することをアドバイスしている。
・財務の視点:私たちは株主からどう見られているか?
・顧客の視点:私たちは顧客からどう見られているか?
・業務プロセスの視点:成功するためにはどの業務プロセスで優位に立たなければならないか?
・学習と成長の視点:変化と改善を行う能力をどうやって保ち続けるか?」
「消費者データの売買は、既に長い間行われてきているが、データの価値(そして値段)を決めるものは何だろうか。そこには『予測貢献度』『鮮度』『排他性』という3つの要素が考えられる。」
「分析チームに求められるスキル
・ビジネスプラニング
予算設定と配分
ビジネスケース作成
シナリオプラニング
・オンラインメディア分析
オンライン行動ターゲティング
ソーシャルメディア分析
オンラインメディア分析
検索分析
・計量経済学モデル
キャンペーンパフォーマンス測定
マーケティングミックス測定
メディアミックスのモデル化
・360度評価とレポーティング
パフォーマンス報告
ダッシュボード
・ウェブ分析
ウェブサイト報告
テストと最適化
・ターゲティング
セグメント化
予測モデル
・定量的リサーチ
追跡調査
オンラインリサーチ」
「アジャイルマーケティングを実現するには・・・・
感度を高める:常に顧客に注意を向ける。何が価値をもたらすのか、決めるのは顧客だからだ。
適応する:古い計画に固執しない。変化と不確実性を予期し、状況に応じた対応を行う。
学ぶ:顧客が定めた価値をつくり出すことに集中し、無駄な行動を取り除く。
素早く動く:行動を速くする。ただし焦らないように。
フィードバックを繰り返す:今日行動し、明日修正する。テストし、観察し、学ぶというサイクルを繰り返すこと。」 -
Posted by ブクログ
イマイチ分かりにくいビットコインとブロックチェーンの解説本。何となく分かった気になってきたけど。
今のところの活用事例としてはビットコインと、金融機関の圧倒的なコスト削減くらい。
第三者信用創造と、分散型の思想、デジタル財産のインターネット上での移動、など、どこで活用されるか。未来は大きい感じだけど実際に使いこなせるテクノロジーなのかどうかは見定めないと。
あと、そもそもビットコインは90%くらいは中国で流通してるっぽい。中心は中国。
なぜ中国かというと、そもそも国の通貨の信用が低いことと、電気代が安いから。
ナスダックでは2015年時点で未公開株の取引に成功したことを発表。
「1975年にパーソナルコンピューター、1993年にインターネット、2014年にビットコインなのだと。」マーク・アンドリーセン(2014年1月)
「スマートコントラクト」という技術。約束事(コントラクト)をデジタル形式で記述し、トリガー浄衣kんが達成されると事前に定められた処理に従い自動できに執行されるプログラムの事を言う。
プライベートチェーンとパブリックチェーン。ビットコイン、イーサリアム。