新潮社のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ものを考えるということ、ほんとうに知を愛し、表現する存在を愛しているのだと思わずにはいられない。
驚き、考え、疑い、そして信じるということに出会う。そしてまた疑う。上手に質問するということは、答えを出すことではなく、その問い自体を問い続けること。生きること死ぬこと、そこから出発しなくて何を問うというのか。信じることと疑うことはいつも表と裏の関係である。
歴史とは、よく思い出すこと、これは大森先生がことばの論理で考えた通り、記憶とはことばによるより他ない。歴史的な事実、考古学的な事実といった唯物的な論理を持ち出さなくてもよく思い出せることこそ歴史家の力だと
それが本居宣長であり、さまざまなひとの -
Posted by ブクログ
文筆家としての自覚と矜持を貫いた小林秀雄は、講演や対談の場での自らの話し言葉を文字にするときは、必ず速記原稿に目を通し、書き言葉に調えることを必須としていたとのこと。
今回のこの本は、小林氏の著作権継承者である白洲明子氏の検分と容認を得てようやく刊行されたものなのです。
そのような経緯があるのですが、収録された学生たちの質問と小林氏の応答は、他に類の見ない小林氏の「会話教育」と「質問教育」の実態を、現代に、ひいては後世に伝えるべく、国民文化研究会と新潮社に残された音声を新たに文字化されたものなのです。
内容ですが、
講義 文学の雑感
講義 信ずることと知ること
講義 「現代思想につおて」後の学 -
- カート
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試し読み
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Posted by ブクログ
印象に残ったこと
・歴史について
現在の学校教育では、何年に何が起きたかを暗記することで点数が得られる形式をとっていると思う。
私自身も歴史は暗記するものであるという認識があったが、小林秀雄が述べた「歴史とは上手に思い出すこと」という言葉に感銘を受けた。出来事を客観的に追っていくだけでなく、当事者の立場に立ち、彼らが感じたことや思ったことを自らのことのように想像することで、彼らの喜びや悲しみに共鳴することに趣があるのかと納得した。
これは過去の人物に対してだけでなく、実在の他人に対しても、同様に想像することが重要であると感じた。
また、クラシック音楽を嗜む身としては、音から作曲者のまざまざと -
Posted by ブクログ
小林秀雄という名前は聞いたことがあったが、初めて読んでみた。
生の経験や対話を重視する言葉がいくつも出てくる。
科学を否定するように聞こえる言葉もあるが、科学という一つの物差しで測れない人とのつながりや生きる意味など、そういうものにまで科学を取り入れようとする(また測れないから無用だとする)風潮を否定するように感じられた。
で、科学的な手続きによらないひらめきのようなものも人間には確かにある。
何年に何が起こって、その証拠がこれで…という考古学も必要だが、歴史上の人物の思想や信念に身を委ねるうちに、自分の思いや信じることに気づくこともできる、まるで鏡に写したように。
そういう、自分というものを -
Posted by ブクログ
震災時に便器に浸かった古書を取り上げながらふいに祖父を思い出した福岡伸一さん、荒れためちゃくちゃな本棚のお陰で頭と体の体操が出来ると悟りを開き「何が超整理法だ、俺は超不整理法でこれからもがんばるぞー。」と締めくくった小泉武夫さん、本の峰が連なり山脈化した部屋の中でたばこの煙をくゆらせながら「煙は山脈にかかる薄い雲、機窓からスイスアルプスでも眺めているような気分」と表現した井上ひさしさん、の章には噴き出してしまった。
西川美和さんの、自分と蔵書との関係についての愚痴?には「そうそう~!」と
何度もうなずきながら同意。
目を通されることなくどんどん増える書籍、「明日こそはと夢見て枕元に陳列しなが -
Posted by ブクログ
本の整理に燃えていたのは、ほんの一時…少しずつ増えていく後からきた本たちは棚に乱雑に置かれていくのを横目で見ながら、いや見ないようにして過ごしている私に「私の本棚」とは、なんと魅力的!と思い手にした一冊。
まー十人十色、人それぞれの本棚があり、本への思いがあり、本との闘いがあり…
こんなシンプルなタイトルで、こんなにひろがるものなんだ!と感動。
中でも面白かったのは、鹿島茂さん。本棚というよりも、もはや自宅や仕事場の確保というある意味すさまじい蔵書遍歴が披露され、挙句「愛人に少し稼いでもらう」という想定外の終着点にいたるくだりは秀逸!
そして期待を裏切らないのが磯田道史さん。そのあふ