徳弘正也のレビュー一覧
-
匿名
ネタバレ 購入済みそれでも純粋なもの
残酷な近代史の狂気がこの作品のベースです。M型遺伝子排除はナチスドイツの優生思想、ホロコースト。集団農場は共産主義下のソビエト、中国そのもの。国民を狂気に扇動する独裁者はヒットラー、スターリンを彷彿とさせます。ちなみにバーチャルセックスは映画マトリックスからでしょう。中身も虐殺とレイプに溢れてとても希望なんてありません。こんな殺伐とした物語も作者お得意の下ネタギャグが不思議と中和してくれます、逆にこのギャグが無ければ悲惨で読めたものでは無いです。こんな殺伐な狂気の中で、それでも純粋な何かを作者は描いてくれました。主人公の狂四郎は正義がいかに無意味かを自問自答し、ただユイカに会いたがため狂気に自