斎藤恭一のレビュー一覧
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ネタバレ理系の大学教授と言えば、研究に没頭してて
社交的ではなくて…というイメージを持ちがちですが
こちらの著者、斎藤氏は不人気学科における
学生確保のために日々四苦八苦した25年間他を
まとめたエッセイ。
高校や予備校を約120校回って、平均80名/回の
生徒、保護者に出会ってるとして、1万人の中から
著者の研究室にやってきた学生は3人…。
現実はとてつもなく厳しい。
昔は、教授の話なんてどんなにつまらなくても
聞いていなきゃいけないものだったのに、
今はアンケートを取られる時代なんですね~。
そして無記名アンケートに「死ね」と書かれる…。
(千葉大でも「死ね」って書いちゃう学生が
いるのかと驚 -
Posted by ブクログ
理系離れ。学生集めに奮闘する工学部教授。ダジャレ満載の中、実は熱い教育論。
志願者を増やすべく高校での出前授業や市民講座。その中で教授の元で学びたいと入学した学生は1万人中のわずか3人だったという。それでも貴重な出会い。筆者は呼ばれればどんな高校へも出張する。
高校生で進路を決めるのは難しい。筆者は文系、理系を問わず高校生のうちに話を聞くことを薦めている。
ちょうど子供が受験生。下の子も含め親として進路をどうするか迷う時期。本書を読んでいると、こんな教授のいる大学が羨ましく思える。
ちょっとダジャレが多過ぎて辟易するが、筆者の教育者しての矜恃が心を打つ一冊。 -
Posted by ブクログ
千葉大学工学部を定年退職された斎藤先生が,自身の大学教員生活を振り返った一冊。斎藤先生の工学部での研究・教育体験が述べられているだけであるが,一昔前の大学教授とは違って,最近の大学教員はこんなこともしてるのか,と言うことがよく分かるでしょう。これから大学教員生活を始める若手の先生にも役立つかもしれません。斎藤先生は千葉大でベストティーチャー賞も受賞されただけあり,サービス精神も旺盛な先生のようで,ダジャレも満載で文章もとても読みやすく,単純に読み物としても面白かった。
斎藤先生は「大学での研究の第一優先は,研究を通して学生の能力を伸ばし高めることである。」という信念とのことで,大学の研究は「教 -
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ネタバレ<目次>
序章 「大学崩壊」と嘆いても始まらない
第1章 未来ある高校生に必死でPR
第2章 市民にも「理科」に馴染んでもらう
第3章 「学生指導」はテンヤワンヤ
第4章 大学という「組織」の経営は悲喜こもごも
終章 「研究」は一人では成し遂げられない
<内容>
タイトル通り、理系、工学部の、不人気学科(化学科)の教授が、自分の歩んできた道を振り返って書いた本。自分は文系なので、そのご尊名はあまり聞いたことがないのだけど、読んでみて有名な方なのだろうな?と思いました。
第1章の依頼側に立つ自分からすると、結構真実が描かれている。本校に来る担当者は、営業努力の少ない方も散見される -
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タイトルにある通り「大学の教授は研究ばかりをしているわけではない、他にも様々な仕事があるんだ。」ということを著者のエピソードをもとに紹介しています。
例えば、高校へ出向いての模擬授業、市民講座での広報活動、大学での講義、学生の研究・論文指導、学内の委員会運営、研究費獲得のための書類作成、企業との共同研究などです。
「研究」「教育」「広報」「管理運営」と整理できます。
著者の千葉大学工学部共生応用化学科は希望者が少ないため、本務である研究をしつつも、教授自らが高校や予備校に足を運んで魅力を伝え受験生を増やす努力をされています。(それについて学長からは、本筋である研究をもっとしなさいと