エリーザ・ホーフェンのレビュー一覧

  • 暗黒の瞬間

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    引き締まり、鍛え上げられた身体のような感じの作品だった。無駄がなく、全てが必要なものだけでできていて、滋味深い。じっくりと丁寧に取った、ほんの少しの塩味だけの出汁をお椀でいただいたような。海外作品にありがちな、なんとなく引っかかる感じがない翻訳も大変すばらしい。こういうの、他にも読みたいが、なかなか出会えない。

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    2026年08月23日
  • 暗黒の瞬間

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    誰でも罪を犯す側になりうる怖さ。
    その時に真実のみを語れるか。
    自己防衛や保身のために嘘をつかずにいられるか。
    人生において取り返しのつかない状況になった時、
    「ひと」として自分に何が残るか。
    自分に置き換えて考えた時、自分はどんな判断をするのか、何を語るのか、真実のみを語れると自信を持って思うことができずに読んでいて怖かった。
    ものすごく良書。今後の作者の本に期待大。

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    2026年08月23日
  • 暗黒の瞬間

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    30年以上のキャリアに幕を引くことを決意した、ベルリンの刑事弁護士エーファ。凄腕で知られる彼女は、多くの忘れがたい事件を手がけてきた。11人が被告人となった裁判で1人だけ無実の者がおり、全員がそれは自分だと主張している。1人を救うため10人を無罪とすべきか。厄介だがよく議論される類の事件だと思われたが……。ひとつの証言、発見、弁護活動でその姿が一変する平凡な裁判、そして異常な裁判――。

    素晴らしいリーガル・ミステリ。

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    2026年07月11日
  • 暗黒の瞬間

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    ネタバレ

    ドイツの作家さんはほとんど初めてかも。(ミヒャエル・エンデくらいかな)
    この作家さんは法律家でもあるとあって、とにかくリアリティがすごい。
    まるで自分がその事件そのものの目撃者かであるように感じさせてくれて、気づけば没入している。

    内容としてはいくつかの事件にまつわる短編を読み進めるうちに、主人公エーファの暗黒の瞬間が浮き彫りになってくる、という連作短編集の構成。

    ひとつひとつの物語についても考えさせられるし、全体を通してみたときにエーファの弁護士人生の暗黒の瞬間が浮き彫りになっていくところが、読みたいのに読みたくない何とも暗い気持ちにさせてくれる。
    人は誰でも間違えるし、時にはとんでもない間違いをおかしてしまうこともある。裁判はその一瞬の側面を切り取って裁かなければならないのだな…と改めて重く感じたし、人間は多面的であるので悪人や善人と簡単にカテゴライズすることもできない、もどかしいところを絶妙に突いてくる本だなと。
    訳者のあとがきにも似たような表現がありましたが、後半はもう流れがわかってくるので「ああ〜そっちじゃないエーファ!そっちじゃない!」ってもう見てられない状態に。
    見てられないと思いつつ、読む手を止められないのが匠の技ってやつでしょうか。

    一冊読み終えた頃にはすっかり人間不信になってしまったけど、なんとも言えない読後感がクセになる。
    本国では続編がでているとか。絶対に読みたい!!

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    2026年06月01日
  • 暗黒の瞬間

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    正しいとはなにか法律とかはなにかと読者の価値観を揺らしてくる作品。
    連作短編で一貫して上記のテーマをつきつけてくるしタイトル通りどの短編にも人の暗さ黒さをみせてきて「自分ならどうするだろうか」と考えさせられる。
    どの短編も面白かったけれど今作のテーマを短い中で伝えてくる「正当防衛」、罪と罰の関係について考えさせられる「塩」、被害者と加害者が逆転する「強姦」が特に良かった。

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    2026年05月24日
  • 暗黒の瞬間

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    連作短編集は、せっかくどっぷりハマった世界から離れることなく、違った角度から短編ごとに楽しめるのでそもそも好きなのだが、これはまた、ものすごく面白いじゃないですか!
    最初の「正当防衛」で掴まれました。
    そして、主人公の弁護士エーファがここまで事件に真剣に向き合うのはなぜか、それが短編の最後に投げかけられる。なにか、あるんだね、最後に明かされるんだね、と思いつつ次々読み進む。
    どの事件も、判決が出た後に、思いがけないことが起こる。コントロールできないものがいつも残される。

    どの事件も専門家ならではの、法律の穴があり、そうきたか!と唸らされるのだけど、「強姦」は特に、おー、そんな方法が!と驚かされた。

    この小説、とっても読みやすいのがすごいと思う。読みやすさと安易さは仲良しだけど、この作品は、この質にしてこの読みさすさ。作家もよければ、翻訳家も優秀なのだと思う。

    他の本を脇に置いて一気読みでした。

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    2026年05月20日
  • 暗黒の瞬間

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    ネタバレ

    おもしろかった!
    60代の女性弁護士エーファが主人公の連作短編リーガルミステリ。
    法を守り、被告人に過剰な罪を与えないようにすればその人の心まで救えるかというとそれはまた別の話なんだなと。
    「正義」とはなんなのか?正しい選択をすることの難しさを考えさせられた。

    どの話もよかったが、特に心に残ったのは「少年兵」、「塩」、「人食い」、「強姦」。


    「正当防衛」
    強盗を殺してしまった場合、正当防衛と認められるには。

    「生かしておく」
    人を殺してしまっても、まだ生きてると世の中に思わせることで完全犯罪とする。殺人者の冷酷さと、被害者のやるせなさ。シュテファンの件での後悔がまたひとつエーファの罪を作ってしまう。

    「少年兵」
    真実を語ることだけが正義なのか。嘘をつくことで救われる人もいる。

    「塩」
    子どもが塩をあの量食べると亡くなる可能性があることは私も知らなかった。罪を与えないことが逆に本人にとっては一番重い罪となる。

    「人食い」
    お互いに了承を得ていれば、自殺を助けて死後解体して食べたとしても本当に罪にならないのか。

    「遺稿」
    「少年兵」と似たような展開。

    「強姦」
    11人中1人だけが強姦に加わっていないが、そのひとりを特定しない限り全員が無罪になってしまう状況で、はたしてどうするのが正解だったのか。

    「自白」
    魅力的な夫が妻を庇っているかと思いきや……まさにサイコパスという感じの夫だったが、なんだか詰めが甘かった。

    「シュテファン・ハインリヒ」
    会社のためにやってきたことでも、最終的に邪魔な存在となれば会社から切り捨てられてしまう。
    弁護士の甘い考えがどれだけの影響を与えることになるのか。

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    2026年05月14日
  • 暗黒の瞬間

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    弁護士たる彼女の正義が、貫かれる瞬間に得られるものは…その正義の源は…
    軽やかに読ませるのに、湿度も伴う。

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    2026年05月13日
  • 暗黒の瞬間

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    連作短編小説ですが、海外ミステリーでここまで連作短編小説の出来が高いの始めて!

    連作短編小説としての仕掛けも良かったが、ひとつひとつの話も切れ味鋭く最後まで飽きなかった。

    そして今作がデビュー作とは天晴です!!

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    2026年04月19日
  • 暗黒の瞬間

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    ネタバレ

    評判通り、まさに驚異の新人。今から続編が待ち遠しい。

    ひとつひとつが忘れがたい。瞬発力と持続力を併せ持つ連作短編。

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    2026年04月16日
  • 暗黒の瞬間

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    凄いとしか初めの感想はなかった。
    ドイツを拠点に活動する刑事弁護士が主人公の連作短編集。其々主人公が関わった裁判と裁判に導く描写が凄い。また自分の仕事に誇りを持って事件に邁進する姿が好ましい。夫のぺーターとの関係性も素晴らしく、ノンフィクションかと思い違いした程だ。どの章も凄いが、「自白」だけでも読んで頂けたら、、一章を置いて伏線回収の章があるがそれがプロローグに繋がるという、各章も計算され尽くしてあり、お勧め度はマックス。

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    2026年04月15日
  • 暗黒の瞬間

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    鬼★5 いかに悪魔になってしまうのか… 法の隙間から漏れ出た人の醜さを描いた犯罪小説 #暗黒の瞬間

    ■あらすじ
    ドイツの刑事弁護士であるエーファ・ヘアベアゲン。凄腕弁護士の彼女が担当した事件と弁護を認めた物語。まもなく引退が近い彼女は、これまでの加害者の害悪性と法律で解決できることの差異に罪の意識が芽生えていく。

    ■きっと読みたくなるレビュー
    鬼★5 正当防衛、過失、少年犯罪、偽証など、刑事弁護士が法の隙間から漏れでた人間の醜さを描いた犯罪小説。

    誰しも人を傷つけることなく幸せに暮らしたいと思っている。でも決して犯罪はなくならない。どうして人は犯罪に手を染めてしまうのか… 心が空っぽになった瞬間に人は悪魔になってしまうのです。そんな人間たちを刑事弁護士からの目線をとおして、物語が綴られています。

    また本作は弁護士エーファ自身も事件に関わってしまうのが特徴的。自身が担当する事件の依頼人を思ってする行動が実は… といったことがありがち。しかしそれは正義感から故の行動、でも少しずつ精神が腐食していくのを感じるんすよ。弁護士だってひとりの人間、身近で素朴な人に違いないんです。

    また本作は人間ドラマだけでなくエンタメとしても楽しめる。作品それぞれにテーマがあり、驚きの真相が待ち受けます。読んでると実際にありそうなのよ、しかも綿密で淡々とした筆致で書かれるから現実味がありすぎる。

    ■おすすめ短編レビュー
    ・生かしておく
    兄を殺害してしまった女性作家の物語、長年兄から虐待を受けていたらしく…
    何が正義で何が犯罪か分からなくなる、なんか胃が痛い。終盤のエーファ目線での語りがやたら事務的で印象的。

    ・人食い
    人肉を食べたという男が捕まる。メディアは大騒ぎとなり裁判が注目されるが…
    世間は面白いことが大好きで、本当に困っている人に手を差し伸べてくれないよね。腹立たしくて涙が出そうになった。

    ・強姦
    集団強姦の事件、目撃者の証言より11人中1人だけが無実がいるらしい。全員が無実を主張すると…
    誰が可哀そうなのかコンフュ状態。犯罪が起こると関わった人全てが不幸になっちゃうよね、虚しい。

    ・自白
    母殺しの容疑者である夫、どうやら妻が犯した罪をかぶっているようで…
    人間の邪悪性に、ただただ途方に暮れてしまうよね。人間不信に陥らずにはいられない。

    ■ぜっさん推しポイント
    読み終わってからタイトルを見ると… シンプルかつ核心をついてますね。きっと根っからの悪い人なんてほとんどいない。普段は家族を愛し、友人のために時間を当てられる優しい人たちに違いないんです。

    人生がしんどくなった時、どのように心の隙間を埋めるのか、自身の倫理観を守るのか。難しいことだと思うけど逃げないようにしたいと思いました。

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    2026年04月13日
  • 暗黒の瞬間

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    1本の短編で、長編小説が書けるような気がする
    電車で読みながら茫然としてしまった
    罪が確定しても、誰も幸せになんかならないことも多いんだろうなあ

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    2026年04月01日
  • 暗黒の瞬間

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    ドイツ、弁護士の回顧録的連作短編集。強盗を銃殺した件や母親殺しなど。

    大変面白かった。事件一つ一つに癖がある上に短編の中に大きなひねりがある。そして彼女のトラウマとなっているシュテファン・ハインリッヒの件とは何か?分かるとすべて腑に落ちる。

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    2026年03月26日
  • 暗黒の瞬間

    購入済み

    60代の女性弁護士が主人公の連作短編集。彼女が携わった事件と裁判を遡りながら、彼女の大きな決断にたどり着きます。仕事への熱心な姿も繊細な心理もリアルでのめり込んで読みました。

    #ダーク #カッコいい #深い

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    2026年03月23日
  • 暗黒の瞬間

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    ネタバレ

    これは今年度のベスト10にランクインするのではなかろうかと思える良作。

    饒舌なシーラッハというような印象。
    シーラッハと「饒舌」は相反するものだが、主人公エーファが弁護士で過去の自分の携わってきた事件を振り返っていくというスタイル、その扱ってきた事件のひとつひとつのあらましに妙にリアリティを感じる描写、そして事件のオチが醸し出すどうにも暗澹とした気持ちになる、一筋縄ではいかない人間の暗部を日の目に晒す様がそう感じさせた。

    シーラッハのように切れ味鋭く、ときに不親切とも思えるほどの感覚的な文章という訳ではなく、いたって読みやすく書き込みがされているという点が「饒舌な」という印象に由来する。

    とても読みやすい、でもそれぞれの物語のオチのエグさがとんでもない。
    めちゃくちゃイヤミス。
    変な見方すると主人公、バッドエンディング案件ばっかりだけど、本当に優秀な弁護士?とすら思ってしまう。

    まだ40代だという著者。
    本国では既に続編も出版されているという。
    今後の活躍が楽しみな作家のひとりになった。

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    2026年08月30日
  • 暗黒の瞬間

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    ドイツのミステリーだからか、作者が法律家だからか、リアリティーがあり、ぞくっとする箇所がいくつかあった。
    あまり背景描写はなく、淡々と硬い文章で進むけれど、不思議に読み進める。けれども、ひとつの事件が終わるたびに、ため息がでて、ひと休みしたくなる。あまり覚えのない読後感でした。

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    2026年08月02日
  • 暗黒の瞬間

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    非常に面白い。
    これはあらすじを見るのと、実際に読むのでは全く感じ方が違う。
    あらすじを見た段階ではスルーしたんだけど、書評を読んで気になって読んでみたら呆然とした。
    主人公は仕事に熱心に取り組んでいるし人間の情も持ち合わせている。だからこそ板挟みになっている。法律は万全ではない。その中で利益の為に嘘をついたり、相手に罰を与えたいと嘘をついてしまう。そのせいで自分の思った結果にならないこともある。
    人間の弱さとか悪意とか読んでいて苦しくなるが、主人公が人間的に共感できる感覚を持った人であるところに救われる。

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    2026年08月02日
  • 暗黒の瞬間

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     法は人を救わない。
     社会で共有されたルールであり、ひとつの判断基準でしかなく、そこに正義は無い。
     法だけで人を救うことはできない、その事実を何度も繰り返し思い知らされる。そんな物語だ。

     老境に差し掛かった一人の女性弁護士が、かつて自身が関わることとなった九つの事件を淡々と綴ってゆく。現実にありえたかもしれない物語に、底冷えのするようなリアリティを感じてしまう。
     主人公は、法に携わる者として常に公正であろうと真摯に努めている。
     しかしながら、本書に描かれた事件は、依頼人の嘘やたくらみにより意図したものとは真逆の結果となってしまうものばかりだ。
     法を利用して罪を逃れようとする者、法を使って復讐しようとする者、法の抜け道をあざ笑う者。
     それを目の当たりにするたび打ちのめされ無力感に苛まれる主人公だが、それでもなお自分に出来ることを探し続け、自身の行動が真の意味で正しいものであったのかを問い続ける。かつて自分が犯してしまった過ちを償うために。
     意図せずして犯罪の隠蔽に手を貸してしまった主人公が、最後に選んだ道は……

     本書がデビュー作となる著者は、ドイツの現役の法学部教授であり裁判官でもあるという。解説によれば、物語の多くが実際に関わった事件を基にしているそうだ。
     法律が、世間の常識や倫理とときに乖離してしまう矛盾を身近に感じているからこそ描き出すことができた物語なのだろう。
     タイトル「暗黒の瞬間」が意味するものを、深く考えさせられる。
     次作にも大いに期待したい。

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    2026年07月31日
  • 暗黒の瞬間

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    ネタバレ

    ベルリンの刑事弁護士エーファが関わった9つの事件を綴った連作短編集。1話40ページ前後な上に細かくチャプター分けされてるのでテンポよくサクサク読める。ドイツが舞台なので日本の法律や司法とは違う部分があるのは仕方ないがところどころ首を捻るところがある。

    基本法廷モノだが『逆転裁判』の様に「無罪判決!完全勝利イェーイ!」とはならない。逆に苦々しいビターエンドばかりだし、主人公の心に深い暗黒の影を落とした9番目の事件は紛うことなきバッドエンドである。それでも最後の最後に逆襲の一撃を喰らわせてスカッと終わり、まさに終わりよければ「すべてよし」。訳者あとがきによれば続刊が決まってるそうなので楽しみ。



    【超どうでもいい超余談】
    作中オランダの「スヘフェニンゲン」という地名が出てきたのでもしやと検索したら日本で弄られまくってるスケベニンゲン(Scheveningen)」だった。私の中でスケベニンゲンが出てくる小説として長く記憶に留まり続けることだろう。

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    2026年07月17日