近藤大介のレビュー一覧
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ネタバレ【ほんとうの中国】 近藤 大介 著
「日本と中国とは、近いようで遠い国である。それは『大晦日』と『元旦』の関係にもたとえられるであろうか」。日中国交正常化時の外相・大平正芳は、こう語ったそうです。本書は、まさに「大晦日」と「元旦」の違いを如実に著した書と言えます。
「日本は海に囲まれ、過去に数回しか外敵の侵入がないが『天災』は多い。一方、中国は現在でも14ヵ国の国々と国境を接し、過去には外敵の侵入や革命などの『人災』に見舞われ、そもそもの思考回路が異なる」「『勝者総取り』で、敗者は顧みられないハイリスク社会」「そのため、勝つためには何をしてもよい(賄賂も当然OK⇒ただ最近の腐敗撲滅運動で「潤滑油」が使えなくなって経済は低迷)」など頷けるところ多です。長らく中国ビジネスには携わりましたが、「大枠を重視して細部は走りながら考える中国人」と「細部まで詰めないとスタートしない日本人」という点は、実際に現場で痛感したところです。そのほか、「外科手術的外交(未然に危険を切除する)」のアメリカと「漢方薬的外交(じっくり構えて時を待つ)」の中国との対比もなかなか面白い分析と思いました。
キャッシュレスやペーパーレスが進み、タクシーも中国版Uber(滴滴出行)が主流の中国にあって、日本への観光案内に、<二十世紀を懐かしむ旅を、日本でどうぞお楽しみにください!>とあるのは何ともやるせなさが残りましたが、彼我の違いがとてもよく理解できる一冊です。 -
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日本と中国、似てると思ったら大間違い。
大陸、敵が地続きでいつ攻めてくるかわからない中国と、
海に囲まれ、そう簡単には攻め込まれない日本では、
集団の意志決定が全く違う。
トップが即断しなければやられてしまう中国。
慌てずいい案を考えればいい日本。
日本の意思決定の遅さはこうした環境の違いによるもの。
中国がむかーしから専制政治になるのは当たり前なのだ。
昨今は海があるからと言って攻め込まれないことはなくなったので、
日本の意思決定も変わらなければいけない、が、
そう簡単に習性が変わるものではない。
しかし変えねば、
ということで出てきたのが安倍であり、高市である、ということなのか。
しかし、、
毛沢東の大失策で飢え死にが続発した文化大革命。
今の習近平も、わいろを認めないことで経済が回らなくなる、という摩訶不思議。
お隣プーチン、海の向こうのトランプも、何を考えていることか。
ただ、中国はアメリカと違って、外科的療法を行わない。戦争はしかけない。
漢方的に、じわじわと他国に浸透する。
今アメリカと対峙するイランも、中国経済なしには成り立たなくなっている。
さすが中国四千年の歴史。したたか。
勝つのは中国なのかもしれない。
日本は、、、
和を以て貴しとなす、が通用しなくなったのは間違いない。
が、
だからといって、アメリカ一辺倒の独善政治をしていては、
だめだよ。
強い政治家を求めることは必要だが、
本物か偽物かの目利きのできん国民では、国が亡ぶ。
男系の血だけを求めて天皇家を排除しようとする自称保守政治家。
日本が誇れるのは血だけなのかねえ。。
目 次
プロローグ
第一章 中国の骨格である基本原理
1・1 島に住む日本人と大陸に住む中国人
1・2 大きいものへの憧れ
1・3 大ざっぱな気質
1・4 中原の民
第二章 孤独で寂しく、不安な中国人
2・1 「孤独な中国人」と龍
2・2 ハイリスク社会
2・3 不信の「DNA」
2・4 「我」の概念
2・5 無関心社会
第三章 負け犬に同情は不要 中国残酷ものがたり
3・1 「一人勝ち」社会
3・2 即断即決のトップダウン
3・3 誰もがトップを目指す
3・4 「逃げる・かわすというDNA」
第四章 中国人は何を信じているのか
4・1 三つの口
4・2 「カネ教徒」
4・3 変形した仏教
4・4 儒教は宗教ではない
4・5 ナチュラルな道教
第五章 中国を動かす「国家の論理」
5・1 「武」の概念
5・2 皇帝制度と中国式民主
5・3 中華思想と冊封体制
5・4 漢方外交
第6章 中国人は一つではない
6・1 中華料理にみる多様性
6・2 出身地が変われば人も変わる(北方編)
6・3 出身地が変われば人も変わる(南方編)
6・4 埋めがたい世代間ギャップ
6・5 Z世代の現実
6・6 日本は中国人の「逃避地」である
プロローグ
参考文献 -
Posted by ブクログ
お隣の国でありながら、ニュースやネットの情報だけではどこか実態が掴みきれない中国。本書は、北京駐在員としての実体験に基づき、「日本と中国は正反対である」という明快な補助線を引いて、その思考回路を解き明かしてくれる一冊だった。
■「日常」の基準が違いすぎる
一番驚かされたのは、第2章にある生活トラブルのエピソードだ。 朝起きたらカーテンが崩れ落ちる、シャンデリアが落下する、隣のビルがダイナマイトで爆破される……。これらが「異常事態」ではなく「日常」として語られるところに、この国の凄まじいタフさを感じる。 日本なら施工ミスや管理不足として大きな問題になるところだが、中国は「ハイリスク社会」が前提だ。何が起こるかわからないからこそ、いちいち細かいことに目くじらを立てず、自分の身をどう守るかという個のサバイバル能力が磨かれるのだろう。
また、近所の90店舗あった店が3年で5店舗しか残っていなかったという話も、その変化のスピード感と新陳代謝の激しさを象徴している。
■「我」の強さと自己プロデュース
就職面接のエピソードも非常にユニークで、日本の「謙虚さ」を美徳とする文化とは対極にある。 「100倍稼いでみせる」「このビルを買い取ってあげる」といった豪語や、親のコネを堂々と武器にする姿勢、さらにはダイエットの成功体験を忍耐力の証明としてアピールする。これらは決して単なるハッタリではなく、14億人という過酷な競争社会で「自分という商品」を売り込むための切実な知恵なのだと感じた。
「自分をどう見せるか」に全力を注ぐ彼らの姿勢は、規律や秩序を優先しがちな我々日本人から見ると、ある種の清々しささえ覚える。
■「大雑把」であることの寛容さ
著者が説く「中国人は大雑把である」という点は、自分にとっても救いになる視点だった。 私自身、あまり周囲が騒ぐほど中国に対して悪い印象を持っていないのだが、それは自分の中に「細かいことは気にしない」という大雑把な気質があるからかもしれない。 「正反対」ではあるものの、どこか共通する価値観を見出せると、隣国との距離感は少しだけ縮まる。
■まとめ
「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という孫子の言葉がある。 感情的に反発したり、ステレオタイプなイメージで語るのではなく、彼らが「なぜそのように動くのか」という原理を知ることは、こちら側の立ち振る舞いを考える上でも非常に有益だ。
14億人のエネルギー、カネと食への執着、そして皇帝のごとき独裁体制。これらが混ざり合った巨大な隣人の実像を、面白いエピソードとともに覗き見ることができた。日本的な「精密さ」や「慎重さ」も大切だが、たまには中国的な「大胆さ」や「突破力」を自分の中に少し取り入れてみてもいいのかもしれない。
■面白かったエピソード(毎日がトラブルの連続 P48):
具体的にどんなトラブルが起こるのか。 私の生活経験で言うと、朝起きてカーテンを開けたら、カーテンが崩れ落ちてきたことがあった。テレビを見ていたら居間のシャンデリアは落下してきたこともある。マンションの施工がいい加減なのだ。
(中略)
外に出たら大型ソファーが上階から落ちてきたり、道路のマンホール部分が穴になっていたり、地下の水道管が破裂して水が噴き出したり、上りのエスカレーターが止まって下りに逆走を始めたり。出勤のためバス停で待っていたら、隣の古い12階建てマンションがダイナマイト爆発、白煙が降り注いで体中真っ白と化したこともあった。
経済の分野でも民営企業が突然潰れたり輸入したり株価が暴落したり、政府の経済制裁が急変したり。。。。 私が北京に越してきた時マンションの周囲にあった約90店舗のうち、3年後に残っていたのはわずか5 店舗だけであった。
政治の分野でも高位の幹部が突然失脚したり拘束されたり。
とにかく中国に暮らしていると、生きるということはかくも大変なことなどを実感する。
■面白かったエピソード(中国人の就職面接は ユニーク P131):
日本の学生は金太郎飴のような回答をしていた。
例えば入社後の抱負を聞くと「先輩社員たちの指導を受けて、早く一人前になれるよう頑張ります。」などと、模範回答する。ところが、中国の若者の場合1人として 同じ回答はなかった。例えばこんな調子だ。
「私が御社に入社したら、頭にアイデア満載なので、今 在籍中の社員たちの100倍稼いでみせます。ここのオフィスは賃貸でしょう?私は5年以内にこのビル全体を買えるようにしてあげますよ。」
「私の父親は天津市の幹部で政府にも人民解放軍にも強いコネがあります。私を入社させることは1000万天津市民を味方につけることを意味するのです。」
この2人は男性だが、女性もまたユニークだ。
「私は大学で『占い師』と言われています。あなたの手相を見せてください。ほお、前世はタクラマカン砂漠のサソリ だ。しかし、私を入社させたら、後世は偉大な皇帝様になります。」
「このデブな女の写真を見てください。1年前の私です。100キロ以上ありましたところが、ダイエットして今は 60キロを切った。御社に私くらい我慢強い人間はいないでしょう。」 -
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中国という国、そして中国人という似て非なる、国であり人種について、とても分かりやすく解説した良書。
日本の領土を含めた安全を考えると、確かに昔の中国との付き合い方は参考になる。
中国の領土的野心が無いという前提だけど。
日本の国土の安全と経済的な共存を目的とするならば、昔の日本と中国の距離感は選択肢の一つとして考えられるかもしれない。
アメリカとの関係が揺らいできている今、逆に中国との関係を見直す事は、一考に値するかもしれないと思えてくる。
近年の日本の中国の見え方は、落日の清王朝から現在の中華人民共和国の流れを見ているからで、それ以前までは中国の見え方は違ったはず。
それを考えると中国人の日本に対する感情も、受け入れるかどうかは別として理解はできる。
そう思うと新しい距離感での関係構築が必要だなぁと。 -
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ネタバレ面白かった。
もはや日本は大国ではないので米中どちらにつくか、戦略的に曖昧にする。
もし尖閣諸島の衝突で日中10人ずつ犠牲が出たらという話が痛烈。中国人は鼓舞し、日本は狼狽え政権が崩壊する。戦争は嫌だけど、想定と準備はしないといけないのかな。
もっと台湾・韓国に注目しよう。台湾・韓国は政治・文化・社会などのトレンドが日本の5年先をいく。台湾のコロナ対策はかっこよすぎだった。
日本より小規模な先進国はたくさんある。縮小すれど「幸福な日本」になれる。
幸福な日本の定義となり方について詳しく知りたい、小規模な先進国についてもっと調べたいと思った。 -
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ネタバレ目次と感想
1.米中7つの戦争
経済・軍事の覇権をめぐり、台湾が主戦場となる可能性が高いという指摘は、先の日米首脳会談でも明らかとなった。
2.コロナ対応とアジア比較
過去の感染症に学び防御力を高めた台湾・韓国と比べると、日本のコロナ対応の稚拙さが浮き彫りに。全体主義でビッグデータを集権的に管理できる中国はコロナ下にも強い。
3.韓国と台湾、日本の5年後
従来は日本が台湾、韓国を経済・文化的にリードしてきたが、現状では逆転現象が起きている。
4.日本は中国とどう付き合うか
覇権国として影響力を強める中国に対しては、米国を中心とする西側包囲網の構築が最大の防御になりそう。
●まとめ
取材経験豊富な記者が書くレポートを読み、もっと詳しく世界の政治の流れを勉強したいと思いました。 -
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■中国側から見れば米中新冷戦は7つの段階で進んでいく。
①貿易、⓶技術、③人権、④金融、⑤疫病、⑥外交、⑦軍事
■建国の父毛沢東主席を崇拝してやまない習近平主席が説くのは毛主席が日中戦争のさなかの1938年に唱えた「持久戦論」。アジア最強を誇った日本軍に勝つには戦略防衛・反抗準備・戦略犯行という3段階で長期戦に持ち込んで迎え撃つしかないというのが毛主席の考えであった。
■中国には「時間は中国に味方する」という発想がある。
■20世紀後半を通じて行われた東西冷戦は社会主義陣営を率いたソ連が崩壊して幕を閉じた。同様に21世紀の米中新冷戦も社会主義の中国が敗北して終わるに違いないとの観測が日本では主流に見受けられるが果たして本当にそうだろうか。
①現在の中国式の社会主義は1949年に中華人民共和国という社会主義国が誕生して始まった制度ではあるが実際には2000年以上にわたって中国で連綿と続いてきた皇帝制度の延長である。中国伝統の肯定制度を換骨奪還させただけであり「習近平皇帝」が14億の民を統治するシステムであり一朝一夕に崩壊するものであはない。
⓶全盛期のソ連の社会主義と比べて中国式の社会主義は時代に恵まれている。
(以下、5つの順風)
・東西冷戦終結直後の1992年に鄧小平が「社会主義市場経済」という経済の分野だけを市場化させるユニークなシステムを採用したこと。国民が中国共産党の政治体制に抵抗しない見返りに金持ちになる自由を与えた
・2001年にWTO(世界貿易機関)に加盟しグローバリズムの波に乗って貿易を伸ばしたこと
・2008年の世界的金融危機(リーマンショック)の際5か年計画を実行する長期安定政権の強みを見せつけ世界経済復活のけん引役を果たした
・2010年代半ばの習近平政権下で中国はAI時代に突入したがAIと社会主義との親和性が抜群である
・2020年に世界中を襲った新型コロナウイルス感染症で中国は社会主義の強みである「スピードと強制力」でウイルスを抑え込んだ。OECDが発表した世界の経済見通しによれば「コロナ世界恐慌」ともいえる状況下で「中国の独り勝ち」
③アメリカの資本主義もまた岐路に立たされている。
■中国ではコロナ化の影響で国内に「爆買い」が起こりアリババが実施したダブルイレブンの消費者デーでは4982億元(約7.9兆円)の売り上げがあった。これは楽天の2年分の流通総額よりも多い額。
■習政権の軍事増強は尋常でないレベルであり軍事予算でアメリカの3分の1。日本の4倍規模。
■習指導部の「2027年の建軍100周年奮闘目標」が何を意味しているか分からないが、もしかしたら2027年までに台湾統一を果たすということではないか。
■「土俵を変える」という手法は中国の常套手段。
・自動車産業ではいつまでたってもガソリン車で日米欧に追いつけないため「環境対策として2035年以降、中国っ国内のガソリン車(ハイブリッド車を除く)の生産を禁止する」と発表した。中国が得意とする電気自動車を世界の自動車産業の主流に変えようという狙い
・国際金融の分野でもいつまでたってもWB(世界銀行)やADB(アジア開発銀行)の牙城を崩せないため2016年初めにAIIB(アジアインフラ投資銀行)を創設した
■毛沢東主席の「持久戦論」は中国共産党幹部たちの必読書になっている。
■中国には「庚子の大禍」(かのえねのたいか)
・1840年のアヘン戦争が起こり「屈辱の100年」(半植民地化)が始まる
・1900年の義和団の乱がもとで新王朝が崩壊
・1960年は大飢饉が起こり前後の3年で最大5000万人が餓死
・2020年はコロナと洪水
■中国製ワクチンの多くが「不活性化ワクチン」。欧米の主流は「mRNAワクチン」でウイルスが突然変異した場合ワクチンを対応させていくスピードに差が出る。
・欧米のワクチンは先進国向けで中国のワクチンは発展途上国向け
■2007年には年間売上高3兆円突破を誇らしく発表したのがシャープの頂点で、それから先の9年間は見るも無残な転落の歴史であった。わずか10年もたたずして倒産の危機に陥った理由はシャープが深刻な「日本病」に罹ったから。
・20世紀の日本人には独創的な人たちが数多いて世界を驚愕させる発明を次々とやりのけたが、創業者たちが次々と鬼籍に入り日本の製造業の経営者は有名大学を出たエリート社員たちに代わっていった。エリート社員たちにとっては新製品の発明よりも自分の出世の方が大事である。順調に出世の階段を上がっていくのに発明はむしろ邪魔になる。なぜなら発明には失敗がつきものだから。そのリスクを最小限にするには何もしないこと。要はエリート社員たちがリスクと責任を回避し液晶以外の分野を放棄してしまった
・「日本病」にかかった企業の場合社長にのし上がる人物も最も高い業績を挙げた社員ではなく最もマイナス点が少なかった社員である。なぜなら社内出世のメカニズムが加点方式ではなく減点方式だから。そのための経営方針も自ずとリスク回避が第一となり攻めの経営ではなく守りの経営となる
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冒頭にあるようにトランプ以降の米中関係(2017年当初〜2018年秋:本書は2018年11月刊行)を、中国の視点から分析した著作。日米の視点はあり触れているが、中国目線で、中国国内の動きや中朝関係も絡めて見ていくとこれまで見えなかったものが見えてくる。例えば、2017年の時点で北のミサイル発射が米国も去ることながら中国への威圧も意識したタイミングや方角距離で撃たれて中国を辟易させて制裁に同調したという視点は非常に面白い。それもこれも、対トランプで安心して2017年のAPECやEASでアジアの皇帝面したことでトランプの懸念を生み、強硬派の思考とも同調して、儲からない北敵視策から中国敵視策へシフトしていく。米中朝韓とも良し悪しは別として動きがダイナミック。日本外交は追随出来ているか・・