内田也哉子のレビュー一覧
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最後まで読んで、タイトルの意味がストンと落ちます。
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9/1は、いじめが苦で自殺してしまう子がいちばん多い日。子育てをしているのに、知りませんでした。ごめんなさい。
だから昨年の夏、「9/1までに読み終わらなきゃ」と自分を急かしたことを思い出しました。
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樹木希林さんは、いろんな出演依頼を断っていたけれど、いじめに関することお話の回などは、ノーギャラでも出ていたと。
病床でも「どうか、死なないで」と空を仰ぎながらつぶやいていたそうで、そのことから遺された娘である内田也哉子さんが、「生きることがままならない」いろんな方と対話し、まとめ上げられた一冊です。
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ここ2,3年、わたしも「生き -
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偶然だが,この夏,不登校に関するテレビ番組を二つ見た。一つは,『不登校新聞』の編集長も参加していたトーク番組。こういう新聞があることも知っていたような初耳だったような…。その編集長は,いろんな芸能人のところへ行ってインタビューをし,「不登校の子どもたちに一言」をいただいたというようなことをおっしゃっておられた。そのときに,樹木希林さんが「難が有るってのは有り難いことなのよ」とおっしゃってくれたというような話をしていた。
また,もう一つの番組は,樹木希林さんの娘・内田也哉子さんを取り上げた番組だった。今回,彼女は一冊の本を出した。それが。この『9月1日』だ。
9月1日というのは,子どもの自 -
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「9月1日が来るその前に読まなければ」
そんな思いに駆られて、読みかけの本を一旦閉じ一気に読みました。
自分も中学時代に不登校を経験しましたが、その時はいじめなどの明確な理由があったわけでもなく、在籍していた野球部のハードな練習についていけず、しかも自分の下手さも嫌という程痛感していたため、ふと
「こんなに頑張ることの意味って何だろう?人間なんていずれ絶対死ぬのに。自分の様な能無しは努力したところでたかが知れてるんじゃないのか?」
そんな風な気持ちになり、野球だけでなく何に対しても無気力になり、家にこもってしまいました。
一見何の問題もなさそうに見える子が、ある日突然身動きが取れなくなる可能 -
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「勿論、遠い先のことだろうし、こんなこと今言うのも変かもしれないけど…もし、いつかややちゃんが、結婚したいなと思う時期が来たら、選択肢の中に入れといて。」「結婚とか一緒に暮らすこととかを具体的に思うようになったのも、そんなスバラシイような、クダラナイようなところをもっとのぞいてみたかったからだ。二人といない彼と私のそんなところを。そうか。結婚ってそういうことなんだ。」タイトル通り、映画のワンシーンをみているかのような、内田也哉子の日常のカケラ、今まで歩んできた時間の奇跡を綴ったエッセイ。とりわけ文章がうまいわけでもないけれどひきつけられるのは、彼女独特の感性に、なのだろう。
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『うわのそら。 この言葉が今、最も自分の心の有り様を表している。 9月に母が他界してからというもの、不思議なくらい、哀しみも、歓びも、焦りも、怒りも、あらゆる 感情が靄に包まれ、どこか 意識から離れたところで 浮遊している感覚なのだ 』
こんな文章で始まる内田也哉子さんの対談集です。「母」は女優、樹木希林。父はロックンローラー内田裕也。変わった両親の娘という目で見られてきた也哉子さん。ご苦労されたのですね…。その傷つきを内包しながらも、温かく誠実な人柄を端々に感じられる対談です。
対談相手や読者を傷つけることない慈しみのある文章に癒やされます。
也哉子さんのBLANKな心のページが、対談者 -
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黒い点と白い点の集まり。
黒い点は友達たくさん、住むところもあり食べ物も困らない。
白い点は住むところもなく楽しいことも食べ物もない
ページいっぱいにある黒い点の中に白い点も混ざりたい。白い点が黒い点に混ざりに行くけどいっぱいで入りきらなくみんながひとつになった。
対立し合うでなく、共同体となって一丸となる。
同じ喜び、悲しみ、怒りをぶつけ合うでなく協力し合って生活をする。
簡単そうで長い長い苦しみから抜け出してほしい現実の世界。
ありそうな内容だけど点で表したところが面白い。
ページから溢れ出しそうな点で集合体が苦手な人は向いてない本なのかな(^^;)
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ご両親を立て続けに亡くされて、心の中が空っぽになってしまった也哉子さん。
希林さんの言葉を借りるなら「人は生まれてから死ぬまでひとりきり」なんだけど、空っぽを埋めてくれるのは、やっぱり人なのかなと思う。
様々な分野の著名人との対談がベースとなって書かれていて、その豪華な面々にはビックリ。
基本的に1対1で相手と向き合って話をしたそうで、静かにそしてまっすぐに想いをぶつけ合う空気感が伝わってくるようだった。
いつも思うけど、也哉子さんの言葉選びのセンスがやっぱり好き。
ところどころに感じられる虚無感、コンプレックス…そんなものたちが、対談の後には少し影を潜めているような気がして、それがなぜだか嬉