内田也哉子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
内田也哉子さんの、19歳の時のエッセイ。
1996年発売時も話題になったし良く売れたもの。
これ今読むと、「あ、自然なバイリンガルの人の文章」ってわかりますね。昔はわからなかったわ。
言葉の使い方や例え方、英語圏の匂いがする。
「瑞々しい」という言葉がぴったりな、19歳の也哉子さんの感性。複雑な家庭の中での柔らかいまなざし。読むと少し自分もゆるめるような。
で、新装版の素敵なところは、
1996最初の単行本、2007文庫版、2021新装版あとがき、と、全て収録されているところ。
これさすが朝日出版社さんだわ、と思うのだけど、
それぞれ、その時の也哉子さんの近況、文体を掲載することで、一人の -
Posted by ブクログ
「家族」「イエ」をテーマに数回にわたって繰り広げられたおふたりの対談。
也哉子さんの家族観を中野さんにぶつける、という質問形式でどんどん内容が広がっていって、止まらない対話が面白かったなぁ。
・どんな親でも脳科学的にはアリということ。
・Be Here Nowに比べたらだいぶ長い時間感覚がある人間は、【無駄】と【効果的】な選択肢がある場合、一定の割合で【無駄】を選ぶ。それは多様性の保持に結びつき、種の存続に極めて重要なファクターだから。
→ココにだいぶ救われた気がした。
あと面白かったのは、不安の存在意義。
→人間というのは総体的に、存続するためにいろんなタスクを乗り越えていくけど、そう -
Posted by ブクログ
不登校をテーマに。
9月1日、最も多くの子どもが自殺する日。
死ぬ理由が事故でもなく病気でもない。社会に、あるいは自分の中にこうしなければいけないという何かがあるために、その葛藤の末に死を選んでしまう子どもがいる。
人生のうちのたかが数年の学校生活のために死ぬくらいなら学校なんて行かなくてもいいと思うし、死ぬほど辛いと思うことがあるならそれを投げ出してそこから逃げればいいと思う。
生きづらいと思うのは無理をしているから。
無理して周りに合わせる必要もないし、やりたくないことを無理してする必要もない。
つらい〜死にたい〜と思うときは無理しているので、休もう、やーめた、と決めることもとてもとても大 -
Posted by ブクログ
てっきり樹木希林さんと内田也哉子さんの親子エッセイかと思って読みはじめたところ、不登校の子どもについての本だとわかりました。
タイトルの「9月1日」は子どもの自殺が一年で最も多い日だということも。
樹木希林さんの女優としての歩みについても語られています。余った衣装を着たり、仕事も「これでい」というスタンスでやってこられて、結果、女優として大成功。
今の人たちがあまりにも失敗をおそれたり、周りからどう見られるかを意識しすぎて、子どもに「外れないこと」を求めるあまり、子どもを苦しめてしまうパターンもあるのだとわかりました。
「色々あっても、自分みたくなんとかなるものよ」と樹木さんは伝えたかったん -
Posted by ブクログ
お客様にお勧めしていただいた本。とても面白かった。以下、心に残った言葉たち。
・アリー効果:生物の原則で、生き物が最も生き残りやすいのは①ぽつんと1人でいる②小さい集団でいる③大きい集団でいるの中で③。人間が同調圧力で人を叩いたりしてしまうのは生物的な原則に基づくとも考えられ、ある種生存本能として仕方ない行動。 生き延びるためには集団になることが1番の武器。だから自分の意思を優先するより、みんなと同じように考えましょうとなるように仕組まれている。
・相手が自分の何かに反応していると言うのはものすごい喜びで、ドーパミンの快感につながる。自己効力感と言って、自分が何かに対して影響及ぼすことが -
Posted by ブクログ
ネタバレ中野先生の本は相変わらず面白い。そして也哉子さんも幼少期から普通の家族って何なんだろうをかかえながら生きてきた人なのだろうということを伺わせる本だった。なぜ家族を続けるのかに対して明確な答えを提示しているわけではないが(それこそ~だからだ!という答えを提示したら、結局いわゆる家族像の押し付けにもなりかねないし)、こんな家族があってもいいんじゃない?とかこういう背景にはこういう理由があって、という知見を広げてくれる一冊ではあるように思う。
以下読書メモ
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・ただ、私たちは社会通念というものをそれなりの年月をかけて学んできてしまうので、マジョリティとされている考え方を「これが正しいんじゃ