小山慶太のレビュー一覧

  • 寺田寅彦 漱石、レイリー卿と和魂洋才の物理学

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    寺田寅彦の文学の師が夏目漱石であるというのはよく知られているが,物理学における師が古典物理学を極めたレイリーであるという説が著者の思い入れたっぷりに語られる.本文を読んでみても,それほど根拠がある説ではなく,古き良き時代の物理学と,雑事に煩わされずにその研究に取り組むことができた裕福な研究者へのノスタルジックな思い入れがその説を支えている.レイリーとそれを取り巻く物理学の状況の説明に紙幅をとられた分,寺田寅彦自身の記述が少なくなっているのは私には残念.20世紀初頭の物理学の発展を背景にしながら,寺田自身の物理学の研究を語る後半が面白いだけに,そこをもう少し深めてもらいたかった.

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    2012年04月24日
  • 漱石が見た物理学

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    漱石の生きた半世紀は、X線、電子が発見され、量子論が誕生し、特殊相対性理論が発表されるなど、古典物理学から現代物理学へと移行する激動の時代であった。
    理科が得意で、自らも建築家志望であった漱石は、寺田寅彦と科学談義を楽しみ、作品にも最新の話題が登場している。
    本書は文学者漱石の旺盛な好奇心に従って、熱、光、量子、時間と空間について物理学発展のあとを辿り、乖離する文科と理科の交流を目指す。

    [ 目次 ]
    序章 漱石と物理学―文科と理科の交流
    1章 古典物理学の完成―激動の嵐の前
    2章 新しい自然観の台頭―19世紀から20世紀への転換
    3章 量子仮説の提唱―人間からの離脱
    4章 量

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    2011年04月06日