小山慶太のレビュー一覧
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物理学の歴史を新書版でしかもマンガで著すというものすごく野心的な試みで、さすがに食い足りない部分はありましたが、それでもがんばってなかなかよくまとまっていたように思いました。
特に、天動説から地動説への移行や、古典力学から量子力学・相対性理論への移行のプロセスについては、今まであまり他の本で読んだことがありませんでしたので、非常におもしろかったです。いきなりパラダイムが変わったのではなく、途中経過の葛藤がいろいろとあったことが具体的に描かれていたのは、この本の最大の後見ではないでしょうか。
一方で、マンガとしての「おもしろさ」を出そうとしてなのかはわかりませんが、「アシスタントさん」の謎につい -
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読書録「科学史人物事典」4
著者 小山慶太
出版 中公新書
p246より引用
“「火星へ行ける日がきても,テレビ塔の天
辺から落ちる紙の行方を知ることはできない
というところに,科学の偉大さと,その限界と
がある」。”
目次から抜粋引用
“コペルニクス
パスカル
ダーウィン
ローレンツ
湯川秀樹”
理学博士である著者による、人類の歴史に
多大な影響を与え続ける、偉大な科学者たち
を紹介する一冊。
天動説の時代から現代まで、教科書などに
は書かれる事が少ないであろう偉人たちの逸
話とともに書かれています。
上記の引用は、中谷宇吉郎氏の著作からの
孫引きの一文。どのような素 -
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ネタバレ[ 内容 ]
科学の歴史をたどると、偉大な発見も、思わぬ方向に道がひらけた偶然の結果にすぎないことが多いという事実に驚かされる。
そこには、自然の原理を解明しようと情熱を傾けた「科学者」たちの創意工夫と試行錯誤があった。
「近代科学」の生まれた一七世紀から、宇宙・生命・脳の神秘に自然科学が迫りつつある現代まで。
物理学・天文学・化学を軸に、四〇〇年の歩みを年表形式で読み解く、科学史のガイドブック。
[ 目次 ]
プロローグ 自然科学誕生前史
1章 17世紀の歩み
2章 18世紀の歩み
3章 19世紀前半の歩み
4章 19世紀後半の歩み
5章 20世紀前半の歩み
6章 20世紀後半の歩み
エピ -
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天動説から地動説へ。錬金術、永久機関。進化論。生命の自然発生説。エーテルから暗黒エネルギーへ。科学の進歩発展はある時代まで常識としてまかり通っていた学説が新説に置き換えられるという転換の連続として捉えられることが多い。これを「どんでん返し」として、説明したのが本書。科学史でもあり、人類のパラダイムシフトに対する記録でもある。
変わってみると、それまでの考え方や習慣が原始的に見えるから人間とは勝手なものだ。至近では、「携帯電話がない時代の待ち合わせ」「飛行機で喫煙」「部活動での体罰」「リーゼントに短ラン」なんかも既に過去の遺物であり、原始的に見える。科学だけでなく、時代の移り変わりの中で、人類 -
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6人の科学者の生涯と業績を簡単に紹介している本です。取り上げられているのは、シャトレ公爵夫人、ビュフォン、ラヴォアジエ、バンクス、ローエル、ウォルター・ロスチャイルドで、さらに終章で、アルフレッド・ルーミスとド・ブロイにも簡単に触れられています。
自然科学の専門分化が著しい現在とは異なり、本書に取り上げられている科学者たちはディレッタントとして科学研究に取り組んでいました。本書は、そうしたディレッタントの科学者たちが生き生きとした情熱を持って科学研究に邁進していたことが描き出されています。
自然科学に詳しくない読者でも楽しんで読むことのできる本だと思います。