パーシヴァル・エヴェレットのレビュー一覧
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『トム・ソーヤーの冒険』の続編にあたる『ハックルベリー・フィンの冒険』――暴力的な父親から逃げた少年ハックが、逃亡中の黒人奴隷ジムとともに、いかだでミシシッピ川を下りながら、自由と本当の友情を求めていく物語――を、ジム(ジェイムズ)の視点から描いた作品です。
もっとも、訳者のあとがきによれば、前半は原作と同じストーリーをたどるものの、後半、私の推測では全体の後ろ三分の一ほどは、独自の物語になっているそうです。なにせ原作は未読――ひょっとしたら五十年以上前に読んだのかもしれませんが、もはや忘却の彼方です――なので、どの部分が原作と異なるのかは分かりません。
主人公のジェイムズは、知的好奇心に -
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知的な黒人作家が皮肉で書いた「黒人らしい」ステレオタイプ小説が超ヒット。偽りの成功に揺らぐ一方、家族問題等で実人生が崩壊してゆく悲喜劇。
何より皮肉なのは、文壇の傲慢さを批判した本作が、NYタイムズ「21世紀の100冊」に選ばれたことですね。
「本当に書きたい小説のアイデア」「偽りの姿がどんどん取り返しつかなくなっていくさま」「家族のリアルな悲哀」「あの頃の家族の姿(いま思えば実態は…)」などなど。時系列や描写がさまざま入り組むのに、不思議にすんなり読めるのは構成の妙でした。
権威の偽善を撃つブラックジョーク的「作中小説」が、実際に100Pに渡って展開されるのもスゴかった。
「権威を笑う小 -
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猟奇的な殺人事件で物語は始まる。白人の死体の横に黒人の死体があり、その手には切取られた白人の睾丸が握られている。収容された黒人の死体は所在不明になるが、次の殺人事件現場に現れる。同様の事件は南部を中心に拡がりを見せ、ホワイトハウスで要職者も殺害されるに至る。被害者は黒人や有色人を蔑視する価値観を抱き続ける白人で、レッドネックやペッカーウッドと蔑称される階層だ。ホワイトハウスの要職者も例外ではなく、大統領もその系譜に含まれる。大統領の名前は出てこないが、ファーストレディーの名はメラニーだ。
この小説は現在のアメリカの差別と分断の状況が、新たなフェーズの出現ではなく、時代が単に継続しているだ -
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残虐な手口で男性が殺され、その場に残された見知らぬ男の遺体が、警察が引き上げたあとに消えてしまうという奇妙な事件から始まる。はじめは犯人探しのつもりで読み進めたが、物語はしだいに混沌としていき、登場人物の輪郭も曖昧になっていった。人の命が奪われているのに、いつしか「またか」という気持ちになってしまう。その感覚こそ、かつてアメリカ南部で繰り返されたリンチや、それを見て見ぬふりしてきた歴史につながっているように思う。
特に印象に残ったのは、死体を集める会社の存在だ。荒唐無稽にも思えるが、「生きている時には注意を受けないのに、死体になるとなぜ注意を受けるのか」という皮肉には、鋭い痛みを感じた。生 -
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・しんどかったけど面白かった〜。
・トムソーヤやハックルベリーはとても昔に読んだのだけど、正直話はあんまり覚えていない。解説で最後財宝を見つけて〜と書いてあったけど、そうだっけ?と思ったくらい。
・なのでこの作品単体で楽しんだ、という感覚。
・まぁ楽しんだ、というには当時の奴隷の扱いがしんど過ぎたけれど。自分は他者が軽んじられる(というレベルでは無いけれど)という描写には基本苦手、しんどさを感じてしまうので。ドラマの「地下鉄道」(あれも凄かった)を思い出した。
・とは言え、ジム(や他の黒人奴隷)の二面性(話し方を使い分ける)等、ゾクゾクする様な設定もあり、文学、社会の歴史的な意義深さ、以外にも -
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家族と離されて売り飛ばされる。奴隷のジムは逃亡を決意し、途中で一緒になったハックとミシシッピ川を下る。トゥエンの「ハックルベリー・フィンの冒険」を奴隷のジムの視点から描いたスピンオフ。
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「ハック・フィンの冒険」を読んでから、近年に出版されたというこちらにも興味を持っていたのですが、これはなかなか読んでいて苦しいお話でした。まあ逃亡奴隷の話なので当然といえば当然ですが、「ハック・フィンの冒険」のように、子どもの冒険譚のようなお話を想像していると厳しいです。当時アメリカで黒人奴隷がどのように扱われて、白人に対してどのような態度で生きていなければならなかったのか、正直に -
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「ジェイムズ」と同じように、展開が早く読みやすく、とても面白かったですね。また読後の余韻があって、色々考えさせられる小説でした。
タイトルから、分かる人には分かってしまうと思いますが、実際にあった黒人リンチに着想を得たミステリー小説です。「奇妙な果実」という有名な歌もありますね。ただフィクションではあるものの、実話半分みたいな微妙な世界観で、事件が国レベルまで発展した際には、某大統領も登場します。過去の黒人迫害の歴史だけではなくて、今も根強い分断が米国では続いているんだと、読者に訴えかけているんだと私は感じましたし、複層的な切り口で事件を発展させる辺りがとても斬新だなと思いました。
パーシヴァ -
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翻訳された小説は、日本語の表現が独特で、ちょっとついていけないことがあるけれど、これはそんなことはない。読み始めると、文章がわかりやすく、物語の面白さもあって、2日で一気に読んでしまった。
それに、黒人奴隷であるジェイムズに、意外なある事情が読み取れて、それが水面下で期待をもたせ続けるのが新鮮だ。
物語は、自分だけ奴隷として売られることを知り、逃亡しようとするジムと、父親が帰ってきて暴力を振るわれるのを避けるため逃げたいハックルベリー・フィンが一緒に川を下って逃げるところからはじまる。
すでに家族がいるジムは、金を稼いで家族を買い戻そうとするのだが・・・。
そして、物語は唐突に終わりを迎える -
Posted by ブクログ
アメリカの負の歴史を克明に記した社会派小説、理解できない事象を解決できるのか… #赤く染まる木々
■あらすじ
アメリカ南部のミシシッピ州で凄惨な死体が発見される。殺人現場では白人と黒人の二体あり、白人の切り取られた睾丸を黒人が握りしめており、さらには鉄条網で首が絞めつけられていたのだ。
地元の保安官たちは捜査を進めるも、さらに同様の事件が発生してしまう。州警察、FBIが捜査に加わるが、事件は全米に広がっていき…
■きっと読みたくなるレビュー
1955年のミシシッピー州、黒人差別によるリンチで亡くなったエメット・ティルの事件を下敷きにした社会派ミステリー。日本人にとってはあまり馴染みのない