パーシヴァル・エヴェレットのレビュー一覧

  • ジェイムズ

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    私がアメリカ文学に疎く、「トム•ソーヤの冒険」は知っていても、「ハルックベリー•フィンの冒険」は知らなかった。
    その状態で本書を読んだので、ハルックベリー作品のスピンオフや後日談を楽しむ目線ではなく、本作品の世界を楽しむように読めた。
    本作は黒人奴隷のジムの目線で展開されている。奴隷の扱いについて、上部だけでなくいかに酷く扱われていたことが生々しく描かれていた。時折、目を背けたくなるような表現もあったが、却って黒人奴隷の非人道さが明確に形取られていて、人権や人間の尊厳を改めて振り返られる。
    物語もテンポ良く進み、ジムがいく先々で色々な出来事が起こりそれが想像もつかない事で、早く展開を追いかけた

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    2025年11月03日
  • ジェイムズ

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    ネタバレ

    「私の名前は自分のものになった」(p.377)
    鉛筆とノートに、書くことを通じて、
    それまでは奴隷としての呼び名が、主体性を獲得した、“奴隷“"黒ん坊"“所有されるもの・商品”“貨幣”ではない、ジェイムズとして解放される描写が鮮やかだった。

    「わしはこう思うだ。規則に頼らねえと何が正しいか分からねえようならーそれから、人に説明してもらわねえと何が正しいか分からねえようならー決して正しいことなんてできねえだ。善悪の区別を神様に教えてもらわねえと分からねえなら、そんなものは一生かかっても分かりゃしねえだ」 「けど、法律では…」 「善悪と法律はなんの関係もねえだよ。法律はただ、

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    2025年09月20日
  • ジェイムズ

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    家族と離されて売り飛ばされる。奴隷のジムは逃亡を決意し、途中で一緒になったハックとミシシッピ川を下る。トゥエンの「ハックルベリー・フィンの冒険」を奴隷のジムの視点から描いたスピンオフ。
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    「ハック・フィンの冒険」を読んでから、近年に出版されたというこちらにも興味を持っていたのですが、これはなかなか読んでいて苦しいお話でした。まあ逃亡奴隷の話なので当然といえば当然ですが、「ハック・フィンの冒険」のように、子どもの冒険譚のようなお話を想像していると厳しいです。当時アメリカで黒人奴隷がどのように扱われて、白人に対してどのような態度で生きていなければならなかったのか、正直に

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    2026年02月20日
  • 赤く染まる木々

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    「ジェイムズ」と同じように、展開が早く読みやすく、とても面白かったですね。また読後の余韻があって、色々考えさせられる小説でした。
    タイトルから、分かる人には分かってしまうと思いますが、実際にあった黒人リンチに着想を得たミステリー小説です。「奇妙な果実」という有名な歌もありますね。ただフィクションではあるものの、実話半分みたいな微妙な世界観で、事件が国レベルまで発展した際には、某大統領も登場します。過去の黒人迫害の歴史だけではなくて、今も根強い分断が米国では続いているんだと、読者に訴えかけているんだと私は感じましたし、複層的な切り口で事件を発展させる辺りがとても斬新だなと思いました。
    パーシヴァ

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    2026年02月17日
  • ジェイムズ

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    翻訳された小説は、日本語の表現が独特で、ちょっとついていけないことがあるけれど、これはそんなことはない。読み始めると、文章がわかりやすく、物語の面白さもあって、2日で一気に読んでしまった。
    それに、黒人奴隷であるジェイムズに、意外なある事情が読み取れて、それが水面下で期待をもたせ続けるのが新鮮だ。

    物語は、自分だけ奴隷として売られることを知り、逃亡しようとするジムと、父親が帰ってきて暴力を振るわれるのを避けるため逃げたいハックルベリー・フィンが一緒に川を下って逃げるところからはじまる。
    すでに家族がいるジムは、金を稼いで家族を買い戻そうとするのだが・・・。
    そして、物語は唐突に終わりを迎える

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    2026年01月12日
  • 赤く染まる木々

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    アメリカの負の歴史を克明に記した社会派小説、理解できない事象を解決できるのか… #赤く染まる木々

    ■あらすじ
    アメリカ南部のミシシッピ州で凄惨な死体が発見される。殺人現場では白人と黒人の二体あり、白人の切り取られた睾丸を黒人が握りしめており、さらには鉄条網で首が絞めつけられていたのだ。

    地元の保安官たちは捜査を進めるも、さらに同様の事件が発生してしまう。州警察、FBIが捜査に加わるが、事件は全米に広がっていき…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    1955年のミシシッピー州、黒人差別によるリンチで亡くなったエメット・ティルの事件を下敷きにした社会派ミステリー。日本人にとってはあまり馴染みのない

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    2026年01月05日
  • ジェイムズ

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    賞を5つも受賞し、話題になっているようだが、自分の教養のないせいか、ハックルベリーフィン、トム・ソーヤーの物語の理解がないためか、それほど重要なものとは思えなかった。

    恐らく白人視点から描かれたハックルベリーフィンの物語を黒人視点から描き、追加の設定(?)を入れ込むことで、古典のコペルニクス的転回をやったことで、黒人差別をNGとする世論に乗っかった形となり、受賞対象となりやすかったのだろうと思われる。

    こういう作品がその設定だけで(?)評価されているとしたら、まだまだ黒人差別が根強く残っている証拠じゃないかと思ってしまう。

    百歩譲って欧米人が評価するのは理解できるとして、日本人がこれに共

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    2026年01月04日
  • ジェイムズ

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    実はハックルベリーフィンの冒険を
    今まで読んだことなくて(^^;;
    でもそんな自分でもワクワクと
    シリアスなシーンにハラハラしながら
    楽しく読めました!

    まさかの別視点から描かれた
    大人向け「ハックルベリーフィンの冒険」。
    翻訳は読みやすいし、主人公の黒人奴隷の
    ジムは自分の立場をわきまえてると
    見せかけて大胆な行動をするところには
    驚きもありました。

    後半になるにつれて当時の黒人奴隷に
    対する扱い方、接し方が
    まるで家畜同様になる場面はとても苦しかった。

    ジムが本を読んだり、文字を書いたりすることに
    熱中する場面が何故か頭に残っています。
    しかも、文字を書く短い鉛筆は、
    手に入れる過程

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    2025年12月30日
  • ジェイムズ

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    2025.12 日本には欧米のような奴隷制度はなかったので遠い国の残酷な制度としか思えないが、奴隷に対する残酷な仕打ちと茶番劇が軽妙に描かれたこの小説、すごいね。ジムは淡々としているけれど読んでいて苦しい場面もあり、痛い場面もあるけれどハラハラしっぱなしでした。

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    2025年12月25日
  • ジェイムズ

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     『トム・ソーヤーの冒険』の結末で、ハックルベリー・フィンと親友トムは、盗賊の金貨を発見した。しかし二人ともまだ子供であるため、発見した金貨は二人で折半、ハックの取り分はサッチャー判事が保管し、金貨の管理人となったダグラス夫人の養子としてハックは屋敷に住み、トムと共に学校に行くようになった。自由人としての暮らしではなく、決められた時間に寝起きし、礼儀作法をミス・ワトソンから徹底的に仕込まれる日々は、堅苦しかったが、安全だった。ところが、行方をくらましていたハックの父がセント・ピーターズバーグに現れ、強引にハックを連れ去ってしまう。逃げ出して自分の死を偽装したハックは、逃亡奴隷のジムと出会う。

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    2025年12月17日
  • ジェイムズ

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    黒人奴隷の過酷さは、様々なところで資料として見ることが出来るが、黒人側からの感情の再現である本書は新たな気付きがある。
    暴力での支配から逃れることが如何に難しいかとか、支配する側の心の拠り所が何かとか。
    大多数の人がなんの正当性もなく過ちを犯すわけではなく、身勝手でも言い分が必要だということが唯一の救いかもしれない。

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    2025年11月26日
  • ジェイムズ

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    少年の頃、ハックルベリー・フィンや
    トム・ソーヤーの冒険物語には
    心躍らせ楽しみました。
    これは上記作に登場するジムの物語です。

    時はアメリカ南北戦争開戦前夜。
    当時のことは知る由もないのだが
    ジムの心に寄り添えて、
    ドキドキする作品だった。

    「人間はおかしなもんだよ。
    自分の好きな嘘は信じるだけど、
    都合の悪い真実は無視するだ」
    というセリフが
    今でもその通りでハッとした。

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    2025年11月10日
  • ジェイムズ

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    ハックルベリーの冒険を黒人奴隷の視点から眺めて、特に後半は奴隷の逃亡に焦点何あっていた。奴隷の悲惨さがこれでもかっていうぐらい描かれていて読むのが辛い場面が多々あった。

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    2025年11月03日
  • 赤く染まる木々

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    ネタバレ

    まるで血の臭いまで漂ってくるような一冊。舞台は2019年のアメリカ・ミシシッピ州マネー。物語自体はフィクションだけど、やがて1955年に実際に起きた エメット・ティル殺害事件 へと結びついていく。単なる警察ミステリーにとどまらず、アメリカ南部で長く続いてきた白人による黒人へのリンチの歴史や、今もなお残る人種差別の問題を浮かび上がらせる作品だった。本書を読むまでエメット・ティルを知らなかった。

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    2026年02月24日
  • ジェイムズ

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    マーク・トゥエインのハックルベリー・フィンの冒険は、アメリカ文学の代表作のひとつに数えられるが、ハックルベリー・フィンの物語には重要な登場人物として、逃亡奴隷のジムが描かれている。
    本書は、そのジム(ジェイムス)の視点から、書き直したハックルベリー・フィンの冒険。

    貧しい南部の少年ハックルベリー・フィンは、貧しいと言っても白人。貧しいと言っても、人間として生きている。
    しかし、当時の黒人はモノ。
    白人の所有物であり、時には売買取引の対象となる。
    ひとりで道を歩いていても、お前は誰のモノだ?ということになる。
    無知で傲慢な貧しい白人や奴隷監督の目をすり抜けながら、生き延び、自由を模索するジムの

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    2026年01月14日
  • ジェイムズ

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    トム・ソーヤもハックルベリー・フィンも
    アニメでチラッと見たことある程度で
    話はほぼ知らない
    どっかで話題になってると聞いたので
    読んでみた

    原作?元ネタ?を知らないので
    こんな見方したことなかった…とか
    全くわかんなかった
    ただジムが主役のハックルベリー・フィンはこうなのね
    ってとても素直に読んだだけ

    海外作品だけど
    とっても読みやすかった
    あんまり「わかんないなぁ」って
    文化の違いで首をかしげることもなかったし
    なんだ、このよくわからん詩的な表現は?
    なんてこともなかったし
    とてもよかった

    ただ今の自分には
    あまり響かなかった
    サラーっと読んでしまって
    何も考えたりしなかった

    星は

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    2025年12月05日