宇月原晴明のレビュー一覧

  • 安徳天皇漂海記

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     壇ノ浦の合戦で入水した幼帝安徳天皇は、琥珀色の玉に包まれて海を漂う・・・。
     源実朝が自分の首を捧げることで日本を救う第1部、マルコ・ポーロが黄金の島に辿り着く第2部とも、史実をファンタジーで紡いでいく手法の巧みさに驚かされます。
     そして、要所を和歌でバシッと決めるのも素敵であります。
     また、ストーリー全体が澁澤龍彦「高丘親王航海記」を下地にしているのですが、かの名作とは味わいの異なる美しさに酔いしれそう。特にラストのへんとか。

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    2011年06月09日
  • 安徳天皇漂海記

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    買って、最初の数頁だけ読んで、本棚の肥しになっていた本。
    出だしが読みにくい本なのだろう。そういう本はよくある。
    久しぶりに手にとって、最後まで、一気に読んでしまった。
    舞台は鎌倉時代の初めだが、最後は中国まで、舞台を広げ、スケールのでかいストーリーになっている。

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    2011年06月05日
  • 安徳天皇漂海記

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    前半は実朝に仕える人物の視点から、孤独な将軍実朝の苦悩と、壇ノ浦に沈んだはずの安徳天皇の不思議な運命が描かれます。
    雰囲気たっぷりの古典ファンタジー。
    澁澤龍彦の「高丘親王航海記」と似ていると思ったら、実朝が高丘親王に惹かれていたということがあったのですね。
    後半は南宋の少年皇帝との時空を超えた交流にマルコ・ポーロが絡むというさらに意外な展開!

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    2009年10月07日
  • 安徳天皇漂海記

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    表紙を見て、ほーらこんなにキレイ。でも読んでみてイメージもっとキレイ。歴史そんなに詳しくないなりに楽しめました。

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    2009年10月04日
  • 安徳天皇漂海記

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    2007.09.弟1部が入水した少年天皇・安徳天皇と源実朝の数奇なつながりの話.第2部はマルコ・ポーロとクビライ・カーンに追われる宋の最後の幼帝.そして安徳天皇と宋の幼帝との話.とっても難しかったけど、それなりに面白い.

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    2009年10月07日
  • 天王船

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     ノベルズ版『黎明に叛くもの』(全4巻)巻末に、書き下ろしで収録された外伝的作品4編をまとめた作品集。短編それぞれが“「隠岐黒」=『黎明に叛くもの』”“「天王船」=『信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』“「神器導く」=『聚楽』”“「波山の街―『東方見聞録』異聞」=『安徳天皇漂海記』”と緩やかに繋がっているばかりか、短編同士も時空を超えてひそかに繋がりあっているんですね。そんな企てについついうっとり。 どの作品も「もしかしたら、そんな歴史的事実があったのかもしれない」そう読者に強く信じ込ませてしまう説得力があるんですよね。史実と虚構の混ざり具合が絶妙すぎる!どこまでが史実で、どこまでが作家に

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    2011年09月07日
  • 安徳天皇漂海記

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    幻想歴史小説(?)
    装丁がまずいい!!歴史に翻弄され、彷徨う魂は気高く悲しい。とても映像的な作品だと思いました。

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    2009年10月04日
  • かがやく月の宮

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    紫式部が父から譲り受けた「かがやく月の宮」という巻物を読んでいく。竹取物語をモチーフにしたファンタジー。物語の中の物語。月の力だったり、月の神だったりの話が好きなので、それだけで楽しく読めました。

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    2015年05月17日
  • かがやく月の宮

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    竹取物語と持統天皇あたりの史実に天照大御神やギリシャ神話なども味付けに加えて、時代が交差しつつそれが違和感ないという、不思議な味わいの物語になって面白かった。たくさんの和歌が効果的に使われていて、それも楽しかった。

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    2015年04月25日
  • 廃帝綺譚

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    『四人の帝の話』

    安徳天皇漂海記の外伝であり続編でもある短編集でした。

    物語の内容としては、終わりに突き進む帝とその周りの人間を描いた短編が一話ずつあり、併せて四編が納められています。

    前作と直接的に繋がっている話としては、大海絶歌のみですが、大海絶歌はそれまで物語で下ってきた時代を遡る話で前作を読んでいると、とても感慨深い話になっています。

    自分が特に面白いと感じたのは禁城洛陽です。
    ついに人を助けたけれど、最後は。という所に少しの皮肉と清々しさを感じました。
    禁城洛陽は続編であり完結編としても読める話ですし、前作を読んで楽しんだ人は今作をより楽しめると思います。

    物語内容以外の所

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    2014年12月08日
  • かがやく月の宮

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    うーん、なんとも楽しい!妖しく奇怪に語り直される「竹取物語」。これって日本最初のSF小説だというジョークもあるくらい、よく考えてみれば実にけったいなお話ではあるわけだ。さすがの目の付け所。

    しかしまあ、ここでは、アマテラスやらアルテミスやら月読にスサノオなどなどに加え、岡山弁をしゃべる海賊まで出てきて、華麗にキッチュにめくるめく世界が展開する。極彩色の絵巻を見るよう。おまけに、竹取が「物語の祖」であることも、ちゃーんと踏まえられている。凡百のノベルとは次元の異なる快作。

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    2014年03月26日
  • かがやく月の宮

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    竹取物語の別解釈の秘書「かがやく月の宮」をてにいれた”かの女”が読んでいる体で描かれている。

    登場人物の読み方から慣れないものなので、物語自体になかなか集中できなかった。

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    2014年02月08日
  • かがやく月の宮

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    ここにきて、何故かかぐや姫が何かと物語にクローズアップされることが多くなっているのは、単なる偶然か何かの連鎖反応となっているのかは分からないが、改めて考えてみるととんでもない話である。本作は紫式部が読む竹取物語の話を作中作品として話は展開し、最後に式部が、それにインスパイアされて、光の物語を書くという展開となっている。それにしても、まあそういうことなのであろうとは思うが、結局、姫も翁の正体も不明のままであり、姫が秘薬で則天武后がそれを求めるというのは分からないでもないが、なぜ翁が秘薬を作りえたのか、中華が求めた秘薬をこのような結末で終結するとは思えない等、物語の終わりとしては消化不良の感が強い

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    2014年01月25日
  • 安徳天皇漂海記

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    歴史小説かと思ったら、まるで違った。前半は語り部が誘導してくれるけど、後半は自分で持てる限りの想像力を駆使して読まなきゃならない。広がりが予想以上ですよ。

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    2013年12月29日
  • かがやく月の宮

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    それなりに面白かったけど、自分としては
    違うタイミングで読むべきでした…。
    かぐや姫の物語(ジブリ)が頭にあって…。

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    2013年12月17日
  • 天王船

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    黎明に叛くものの外伝。4本の短編が収められている。
    まだ山を降りる前の久秀と道三の話、久秀と信長の邂逅、秀吉と小早川隆景の話、東方見聞録異聞という、正しく『外伝』的な話が揃っていた。
    本編の補足や裏話と言うほど本編と近いものではなく、黎明を叛くものを理解する為に必ず読まなければというものではない。
    本来は巻末に書き下ろされていたものらしいが、実際それ位が丁度よかったのだろうと思う。一冊の本として黎明に叛くものと同じような勢いを求めて読むと、少々物足りないと感じた。
    また日本の話ではない東方見聞録異聞が分量の約半分ほどなので、そういった意味でも少し入りにくさがあったと思う。
    話の内容も本編以上に

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    2012年09月22日
  • 安徳天皇漂海記

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     日本史上最年少で崩御した天皇、安徳天皇が生きていて、日本に大きな災いをもたらすというようなお話。安徳天皇と源実朝、さらには文永の役までもを結びつける第一章は、オカルトだけれど歴史のミステリーを解いているようで結構面白い。歴史の教科書では、暗殺されたという事実と金槐和歌集の名前だけで消える実朝が、思慮深く優しい人物として魅力的に描かれている。
     第二章は若きマルコ・ポーロが、第一章の話の真偽を確かめる話となっている。ここでさらに本筋は古事記にまでつながっていくのだけど、そちらはもうなんだか話が大きすぎてちょっとトンデモ本な感じに(笑)ただ、南宋滅亡のシーンは、まさに壇ノ浦の平家滅亡を彷彿とさせ

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    2009年12月22日
  • 黎明に叛くもの

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     果心居士という日本史のなかで特異な人物と松永久秀、斉藤道三を「破山の法」をキーワードに結びつけているあたりは、史料の読み込みが凄まじく。その圧倒的な知識量に頭が下がる。
     歴史物でありながら、ファンタジーの要素があり、著者自身が巻末で語っているが、司馬遼太郎「国盗り物語」のオマージュ的作品。
     扱っている内容自体は難解なものながら、文体はわかりやすくされており、時代物だけでなくファンタジー作品が好きな人にも読んで貰いたい作品。

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    2009年10月04日
  • 安徳天皇漂海記

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     直木賞候補。

     面白かったけど、あんまりしっくりこなかった。なんかベタ褒めされてるレビューをよく見るんやけど、あたしはいまひとつ入っていけなかった。古典的な教養がゼロだからいけなかったのかもしれない。

     文体も味はあったけど、素直に頭に入ってこないで読みにくかった。これも教養がないからあかんのかもしれない。

     設定だけ抜き出して書くと「日本版ダ・ヴィンチ・コード」かなぁ。内容違うし、もっと「小説」やっているのでこれだけを見ると誤解されそうやけど。

     あんまりオススメしません。

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    2009年10月04日
  • 安徳天皇漂海記

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    ●ひとり1ジャンル作家・宇月原晴明氏による本作は、『高丘親王航海記』を下敷きにして、壇ノ浦の戦いから元寇までを読み替えたもの。
    こう言う特殊なタイプの作家さんは、決して一般受けはしませんが、ハマる人はハマります。
    歴史・神話・古典文学・神秘的・特殊能力的・バロック的(?)な幻想小説が好きな人に、向いてるのではありますまいか。
    私は別にファンてわけではないんですが、皆川博子さんが絶賛していたので、読んでみました。 

    ●『信長 戴冠せるアンドロギュヌス』の時も感じましたが、こう言う形式の小説は、ベースになるお話とリンクさせる歴史ネタがいかに綺麗に対称化するかで、自分の評価は五割確定。
    後の五割は

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    2009年10月04日