サミュエル・ハンチントンのレビュー一覧

  • 分断されるアメリカ

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    ハンチントンの本は本当に面白いです。というか、アメリカに対する不安と悲しみに満ち溢れていて、面白いと言っては失礼かもしれません。

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    2025年07月08日
  • 文明の衝突 上

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    アメリカの政治学者、サミュエル・ハンチントンの1993年の著書。
    アメリカの主要大学数校で推薦図書に挙げられており、数ある歴史的名著と並んで比較的新しいこの本がどのように重要な意味を持つか興味深く、手に取った。

    著者の主張は、「今後、国家間よりも文明間での争いが激化する」というもの。
    そこには、西欧文明が優位であり普遍であるべきだという「傲慢さ」への戒めも込められている。

    文明(Civilization)は様々なの意味を含む言葉だが、ここでは文化・宗教・価値観などを指しており、例えば「文明の利器」という言葉に含まれる技術的な意味合いはない。
    『文明を定義するあらゆる客観的な要素のなかで最も

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    2025年02月28日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    かなり前の本なのに、現在の中国と日本の関係、イスラム国のような集団の出現を見抜いていた洞察力の鋭さ。

    さらには、今後数100年の世界情勢をも、おそらく言い当てているであろう射程の長い内容の本。オススメ。

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    2024年08月27日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    文明衝突論を展開したハーバード大学のサミュエル・ハンチントンが日本にフォーカスを向けた名著。

    政治経済の利益、イデオロギーによる分裂が顕著だった20世紀と比べて、21世紀は文化によって分裂している、これからもその分裂は続くと分析している。2000年に出版された本だが、この内容は2022年のロシア・ウクライナ戦争の勃発を予言していたとも言える。

    宗教もなく、文化的にも完全に独立した日本だからこそ、先入観を持つことなく他宗教や他文明の理解・教育を進めて、国際平和を促進させることに一役買うことができるのではないかという希望を感じた。この本のように多様化する社会を深く理解しようとする価値観が広まり

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    2022年12月07日
  • 文明の衝突 下

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    20年前に書かれた本だが十分読みごたえがあった。ウクライナや中国で今おこっていることを考える上でも参考となった。

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    2022年08月23日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    2000年の作品。当時はアメリカ一極支配の時代であったが、その後の地域での紛争、イスラムの団結、中国の台頭による新たなパワーバランスを、基本的には全て予見しているのが凄い。
    イデオロギーによる対立が終わり、世界は国を超えた文明ごとに分断され、文明間の衝突が始まる。
    西欧文明(欧米等)、東方正教会文明(ロシア等)、中華文明(中国等)、日本文明、イスラム文明、ヒンドゥー文明、ラテンアメリカ文明、アフリカ文明。当時はこのうち、西欧文明が突出したパワーを持っており、中国は地域での大国に留まっていた。ハンチントン理論によると、超大国と地域大国は直接対峙せず、むしろ、地域の準大国と超大国が組んで、地域大国

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    2021年10月04日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    日本も世界も、米中対立に翻弄されながらも何気に均衡を保てているのはある意味奇跡。それは互いの、各国間の文明に不可侵だからか?そういう意味では北朝鮮やイラン問題もそうか。政治的、軍事的な非難の応報はありながらも、文化、文明を否定することはないもんなぁ。

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    2020年03月29日
  • 分断されるアメリカ

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     「文明の衝突」で冷戦後の世界を見通したハンティントン博士が、アメリカが抱える苦悩を分析。この本もまた、後のトランプ・ヒラリー大統領選の争点を予言していたといえる。
     その原因はアメリカ国民にとっては周知の事実だと思われるが、国外の人とっては大変興味深い。特に移民を議論している日本にとっては特に示唆に富んでいる。
     一例として、日本で手に入る情報では、「多元主義」を推し進める先進国と映るアメリカが、その成り立ちよりアングロサクソン系のキリスト教に根ざした「自由の国」であり、さらに今でも多くの国民がそれを信奉していると博士は丁寧に解説している。この価値観が非アングロサクソン系(特にヒスパニック系

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    2019年12月17日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    "地球上の各地域で育まれてきた文明を定義づけ、現代社会の関係性をアカデミックに論述した本。これも世界を見つめる視点ひとつである。
    人間は多様性ある生き物故、この時代まで進化を遂げてきたのだと思う。
    しかし、その多様性を受け入れつつも、排他的な争いも続けている。
    すべての人類が共存するには、共通の敵が生まれない限り実現は難しいのかもしれないと感じた。"

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    2018年11月23日
  • 文明の衝突 上

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     冷戦後の世界をおもに「宗教」「民族」からなる「文明」という切り口で予言、解説。9.11から続くアフガニスタン紛争やイラク戦争を予見したものとして名高い。

     個人的には本書の内容が自己成就的に達せされているようにみえるトルコに関する記述に興味を惹かれた。あとタイムリーにリトアニア(2018/10/16現在)
    ウクライナークリミアはEUの失政かな。

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    2020年07月03日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    ネタバレ

    前半が終わると、文明の衝突のサマリ的紹介になり、わかりやすく「文明の衝突」で唱える文明論が抑えられるかと思います。

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    2015年09月16日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    冷戦後に発表された、「文明の衝突」はかなりの大作だが、そのエッセンスと日本とアメリカについての論文をまとめた、ダイジェスト版。

    内容は、21世紀の日本の選択、孤独な超大国(アメリカ)、文明の衝突(ダイジェスト版)と3本立てで、著者ハンチントンの考えが新書で手軽に理解することができる。

    特に文明の衝突は、これまで冷戦のイデオロギーの対立軸1つの2大勢力(と非同盟の3つ)の戦いであったものが、8大文明(中国、日本、インド、イスラム、西欧、東方正教会、ラテンアメリカ、アフリカ文明)にわけて、その文明同士の相互理解不足や、文化(と文明)の歴史や違いなどによっての戦争などが起こることを予見している。

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    2012年10月10日
  • 文明の衝突 上

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    発刊当時(1998年)、大きな話題を呼んだ国際政治学者のサミュエル・ハンティントン氏の民族や宗教や地政学に基づく未来予測書。
    文明は7つ乃至は8つに分けることができ、さらに文明を西洋対非西洋という構図に整理することができ、将来的には非西洋文明にパワーシフトが進み、文明間の衝突が加速する分析をしている。
    「リベラルな民主主義」が勢力を伸ばすと予想した「歴史の終わり」に対し、本書は文明間の分断を指摘し、ふたつとも多岐に渡る深い造形に基づいた論理展開で、どちらが正否ということではなく双極に大きく揺れ動き混沌としながら人類は進んでいるという印象を受ける。
    30年近く前の本で特定の時点の話なので読みが外

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    2025年09月08日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    面白かった。多文化していく世界の中で、文明間に発生する衝突について説明している。それがとても納得できるものであり、もっと早く読んでおきたかったと思う。中でも日本は一つの文明であり、且つそれを他のいずれの国とも共有していないという特殊性があるとの説明は説得力がある。
    現時点でも紛争、戦争は絶え間なく起こり、破壊・殺戮活動が続いている。これを見て多くの日本人はどうしてそんな無駄なことしているのか、という疑問を持つんじゃないかと思う。でもそれは歴史やアイデンティティの感情に訴える地域や場所を侵された経験が日本には無いためなのだろうと思う。そういう勉強をして理解を示し、日本としての考え方を堂々と述べて

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    2024年04月10日
  • 文明の衝突 上

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    文明の衝突について、中世〜現在のスパンで様々な視点から論考している。
    世界を捉えるいくつかのパラダイムについても比較検証しており、その中で文明パラダイムの整合性を主張している。
    大枠では非常に有効な主張に思える。
    簡潔にまとまっているのは『文明の衝突と21世紀の日本』

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    2021年12月12日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    ハンチントンによる『文明の衝突』拡張版?
    『文明の衝突』は次に読む。ものの、元の半分ほどのページ数で書かれている本書は読みやすく、内容も非常に筋の通った濃いものだった。

    世界の国際関係はまさに変動している。米中の関係しかり、それらを踏まえた日本の立場しかり。
    国際情勢を日本的視点だけでなく、グローバルな視点で捉えて将来を見据えるため、西欧から捉えたハンチントンの視点を知ることは有効な足がかりになると思う。

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    2021年12月09日
  • 文明の衝突 上

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    もう20年以上の前の本なのに、歴史を踏まえて、見事に今を予見している名著。細かな数字の予想は違っているにしても、方向性はピタリと合っている。

    かつて、日本語は母国語で高等教育が受けられる稀有な言語などと言われていたが、本書で記されているように、イスラム圏ほか各地の文化圏で母国語での高等教育がなされるようになれば、文化の多様性が世界に大きな影響を与えてくるに違いない。

    2050年にはアジアのGDPが世界の50%に達するという見方もある。その時、「他国にたいして率直に批判したり評価を下しったりすることをあまりしない」というアジアの文化と「何をするべきで、何をしてはならないとか、何が正しくて何が

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    2024年07月08日
  • 文明の衝突 上

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    最初にでてから20年近く経ってるから、読者はここで提示された問いの幾つかについて、既に答えが出たことを知っているわけですが、そもそも論として、欧州とアメリカ合衆国は別の文明とするべきなのではないだろうか?より正確には、カナダとアメリカ合衆国と英国で一つの文明。大陸欧州で一つの文明。こうすることにより、近年(この書がでてから)起きた幾つかの出来事についての説明がより容易になるように思われる。

    本書で提示されたように、ウクライナは分断国家であり、トルコはイスラム国家として再定義を推進し、そして、本書の提示とは逆に、メキシコの北米文明研への再定義はアメリカによって拒絶された。英国のEU離脱は、英国

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    2022年08月24日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

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    覇権的な地位を巡り、大国の衝突は避けられないのか。その時日本が取る戦略は、バランシングなのかバンドワゴニングなのか。世界情勢から来たるべき構図の揺らぎについて、サミュエル・ハンチントンが論ずる、時代の直感。やや常識の型からの論考の感を拭えないが、面白い。

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    2018年09月08日
  • 文明の衝突 下

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    解説にありましたが、“ハンチントンは、20年早かった!”と思います。書かれている内容は、正に【今】の出来事かと思うような事ばかり。これを、20年前に予測していたんですから、ハンチントンが存命であれば、ここから20年後は、どの様に見通すのでしょうね?

    ただ一つだけ、腑に落ちない記述も。「文明間の戦争と秩序」と言う項で、あるシナリオが想定されているんですが、そこだけは腑に落ちないですね。全然違う事実となっています。

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    2017年10月26日