サミュエル・ハンチントンのレビュー一覧

  • 文明の衝突 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    上巻は『現状分析』がメインだったのでまだ良かったのだが、下巻は『対策』それも、『西欧文明の優越が失われてしまう。キー』の対策なので、まあ、引きながら読んだ。
    ああ、そりゃあ、問題になったわけだなあと。

    ただし、イスラム文明が他の文明と摩擦を生じている背景としての、『人口爆発』『若い世代が多い』という分析は、大事な視点だなと。
    いずれ、イスラム圏が豊かになれば、人口爆発が収まって穏健になる日も来るのだろうか?(まあ、その答えを見るまで生きていることは無理だからわからないが)

    あと、日本の扱いがあまりにもあれだよなあ。まあ、ちょうど細川政権の頃だろうからなあ。対米自立ダーみたいな乗りがあったのは事実だけど、それは一般化しなかったわけでさあ。まして、自立ならともかく、米国から中国に乗り換えってのはさぁ…
    その意味で、提示されたシナリオは(今の)日本人には、あまりにも荒唐無稽すぎてしんどかった。

    そして、最大の問題点は、「文明間の衝突を防ぐ為に、互いの文明圏を超えて干渉するべきではない」ってのは、帝国主義の時代にまで歴史を戻せって聞こえて、あまりにも酷すぎた。これほどの人でも、見かけ上の現状維持を優先すると、ここまで酷くなるんだなと呆れた。その分、☆一つ減らして☆3つ。

    0
    2019年09月18日
  • 文明の衝突 上

    Posted by ブクログ

    元々1998年と、20年も前に書かれた本なのですが、あたかも2017年の今を書いている様な内容。怖い怖い。だって、本当に、書かれている様に物事が進んでいる。

    20年前の時点で、いまが見えていたとは、サミュエル・ハンチントン恐るべし。2008年に逝去しているけど、仮に2017年を彼が居たら、未来に何があるとみるのか気になります。サミュエルが見ても、2017年より先にも未来があると嬉しいな。

    0
    2017年10月20日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「尖鋭化する文明・宗教の対立」と本書の帯にありますが、15年も前に、2016年現在の状況をここまで見通していたのかと唸らされる、そういう一冊でした。

    0
    2016年03月07日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

    Posted by ブクログ

    文明の衝突を読むか迷い、まずは事始めにこちらを読んだ。非常に明確に、現在の世界情勢を現してあるし、初版発行から15年経って、その情勢は複雑に悪化しているように思える。一方で、不干渉、共同調停、共通性という3つのルールは、暗礁に乗り上げる感覚に対して、目指すべき方向性の示唆を与えてくれる。また、日本のポジションも再考できた。

    ただ、やけに読みにくい構成と文章体…。雑に作られているように感じてしまった。

    0
    2015年12月13日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

    Posted by ブクログ

    国際政治学について勉強したくなった。今後はイデオロギーの対立ではなく、文明の対立になる。さらに、その中心をなす、宗教が大きなポイントになる、という論調。

    0
    2015年05月23日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

    Posted by ブクログ

    文明の衝突の内容を頭の中で整理するのに役立つ。特別に日本に向けられた示唆はそこまで多くない。
    グローバリズム論VS文明の衝突論
    多元主義ではなく、西欧のアイデンティティーを意識することが重要。リーダーであり続けるためには普遍主義の押し付けをやめなければならない。
    日本は中国と米国のどちらにつくかの決断を迫られる。バンドワゴン。

    0
    2015年03月30日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

    Posted by ブクログ

    世界に衝撃を与えた文明の衝突論について、初めて直に触れてみた。アメリカの一極支配で世界が推移するはずはなく、文明にも衰退や崩壊の過程が可能性として存在するワケだから、多極構造の世界において日本がどのような立場に立つべきかを考えなければならない。
    日本が独立したひとつの文明圏であると指摘する著者の意見を大いに参考にすべきで、中西教授の言うところの「一極として立つ日本」として、最終的には世界の協調を促すリーダー的存在になる使命を負っているような気がする。
    イスラムとアメリカの対立は現在も続いているが、戦争を以てして解決に導くことは不可能だろう。
    なんにせよ、課題が山積みの世界情勢である。うかうかしてはいられない。

    0
    2013年10月15日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

    Posted by ブクログ

    サミュエル・ハンチントン著「文明の衝突と21世紀の日本」集英社新書(2000)

    *人間が共通してもっているのは「共通の文化への傾倒よりも、むしろ共通の的【もしくは悪】の自覚である。人間社会は、人間のものであるがゆえの普遍的であり、社会であるから特殊なのである」

    *現代のアメリカのどんな自称を観察するときも、「文化多元主義」VS「西欧アイデンティティ論」という対立軸を常に意識してみていく必要がある。この軸がアメリカ人の意識を強く拘束している。

    0
    2013年10月03日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

    Posted by ブクログ

    某ブログで見かけて。かなり鋭い。
    ●面白かった点
    文明の衝突という切り口が説得力がある。
    文明とはなんぞやという定義についても触れられているのは素晴らしい。
    ●気になった点
    特になし。

    0
    2013年03月30日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    <新たなファクターとしての文明>
     93年に世界的ベストセラーになった『文明の衝突』の後継版として位置づけられる本書は、衰退する西欧文明がもたらす世界認識を知る事が出来る。筆者によると、冷戦後の世界は(7〜8の文明で分けられた)多極化へ向かい、従来のパワーという概念に加え、文化•文明が民族(国家)の行動を動機付けるものとなりうるという。そして文化文明の差異が分裂を招く危険性を指摘しており、もっとも紛争をもたらしそうな分裂線を西欧文明と中国及びイスラームの間に引いている。本書から、相対的に衰退する西欧文明の代表者たるアメリカの、多文明化した世界における一つの提言を見ることが出きよう。

    <アメリカのアジアへの眼差し>
     本書の一番主要な主張は、国家の行動様式がパワーを巡るものから、伝統的に自らを基礎付ける文化文明に基づくものになり、そこから異文明間の断層部における紛争の可能性を指摘するものである。しかしより興味深い認識は、西欧文明の衰退というものであり、他の文明(中華、イスラーム)の台頭に直面しているという認識である。アメリカは、国内において多文化主義が「国民の団結よりも、むしろ多様性を熱心に奨励」(p179)する事で西欧文明の遺産を危機に曝し、アメリカを「引き裂かれた国」にしてしまう可能性を抱えており、事によると異文明間戦争よりアメリカにとって危機になりうると主張する。そのため対外関係において来るべき多文明化した世界に備え、アメリカが一極支配者たる振る舞いをやめ、自国の価値の普遍性を前提に行動するのではなく、自らが西欧文明の代表として他国の協調を促し自国の利益にかなうように振る舞うべきだという。そこから引き出される提言は、アメリカ外交は「一つの文明の中核国はその文明圏の国々の秩序を、文明圏外の国がするよりもうまく維持できる」(p89)という前提の下「その地域の大国が第一に責任を負うように」治安維持に努めるべきであるというものだ。
     筆者は来るべき多文明化した(多極化)世界で「潜在的に最も危険な紛争」がアメリカと中国の間で生じうるという。「異なった文明間の新興中核国と没落する中核国家の間の紛争に、勢力バランスという要因がどの程度まで影響するだろうか?」と問い、日中間の文明の差異とパワーシフトの相互作用に関心を向ける。筆者はアジアでは中国(中華文明)の台頭とアメリカ(西欧文明)の衰退、日本(日本文明)の停滞があり、文明の差異とパワーバランスの著しい変化があり、日米中の関係は文化文明の断層線に隣接する国家同士であることから協調は難しいという。アメリカの対アジア関与はこれまで、パワーの観点から中国の域内大国化を日米同盟で押さえ込む戦略がとられて来たが、今後もこの関係は続けられるのか?中国の台頭の前に、「揺れる国家」たる日本はいかなる戦略をとるのか?
     すべて明示的に答えられている訳ではないが、衰退し挑戦を受ける西欧文明という世界観を前提に、アジアにおけるアメリカがとりうる戦略を考えるにあたって、重要な土台となりうる議論が展開される。

    <本書の功績と問題>
     この本及び「文明の衝突」議論の最大の功績は、従来の国家の行動要因であるパワーに加え文化文明という概念を新たに加え、両者の相互関係から紛争の要因を探っている点である。特に文明の盛衰からとりうる戦略を考えるという発想は、旧来の国際関係学にはない新しい視点である。
     もっとも「文明の衝突」の議論に問題は少なくない。筆者が「文明の衝突」として挙げる旧ユーゴ紛争においては民族別の経済格差の問題があり、さらにボスニア紛争やコソボ紛争ではイスラム文明を西欧が(直接間接の)援助をしている事実から、文明の親近性だけで国家の行動を説明出来ない。だが、筆者の主張では、その点の考慮が無い。しかし、より重要なのことはアメリカの価値を普遍だとの前提で行動をとらないことや、異文明への不干渉を主張する世界観がどのようにして生まれ、どこまでアメリカ国内で支持を受けるのかであろう。さらに私たちに関わるところでは、アメリカと日本の関係にその世界観がどのような影響を与えうるのかを本書で考えることが出来る。      

    0
    2012年03月29日
  • 文明の衝突と21世紀の日本

    Posted by ブクログ

    世界を文明の違いによって分けて、そのなかでの日本の役割とかポジションとかを論じた本じゃなかったでしょうか。とはいえ、東北大震災から福島原発事故が収束しないという歴史を歩むことになった今の日本に当てはまるかどうかは、やっぱり当てはまらないんじゃないかと思えてしまいます。もはやこの本で論じられる日本は歴史のifの日本であるかもしれませんね。文明で分けることの、その文明の捉え方などの精妙さや分析のブレなさなんかはよく覚えていないので、よかったとか面白いとかは言えません。

    (読んだ時のメモから)
    書いてあることがよくわからなかった。難しいというか、言葉が抽象的というか。2000年に出た本なんだけど、その後の9.11テロ以降のことがあるから物足りなく感じられた。異文明間の衝突を予言してはいるんだけど、事実はもっと劇的なものだった。

    0
    2025年05月05日