志村ふくみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
志村ふくみさんが織物を始めたころのお話、その後の経緯、出会った陶芸家や芸術家、母や兄のことなどがつづられ、人となりがとてもよくわかる。
深い思索に裏付けられた文章もエッセイとして読み応え十分。見事。
バーナード・リーチの文章の引用や、柳宗悦さんのことなども出て来る。興味深い。
お母さんは素人ながらもともと織物をやりたかったという芸術家肌の方。2歳で養女に出したふくみさんが30歳を過ぎて一緒に織物をすることになるなど考えもしなかったという。
お兄さんは絵描きで若くして亡くなった。
芸術を志向する家系なのだなと感じた。
印象に残った箇所。
P31、32
一つの色には別個の、その色にしかない確固 -
Posted by ブクログ
草木で染めて織る。志村さんはそのことを続けてこられた方です。
本格的に染めと織りを始めたのは、三十歳を過ぎてから。結婚に失
敗してからの再出発でした。我が子を養父母に預けてまで修業に打
ち込み、染織に身を捧げ、ついには前人未到の境地を切り開いてゆ
くまでになる。本書は、そんな志村さんの人生の過程を辿りつつ、
染めること、織ること、つくること、生きることについて、彼女が
折々で考えてきたことを綴ってゆきます。
久々に再読したのですが、染め、織る中で紡がれてきた言葉の数々
は、何度読んでも、読むたびに発見があるなと改めてその奥深さに
感じ入りました。
この3年間、福島県南相馬市の人々と共に蚕を -
Posted by ブクログ
染織家・志村ふくみさんによるエッセイ。
・一番始めに載っている書簡から、草木による自然染色へのこだわり、
色に対する細やかな感覚が伝わってきました。
かつての日本人はどれだけの色を区別する感性を持っていたのでしょうか。
四十八茶百鼠。
・「豊かに貧乏してきた」弓ヶ浜(鳥取)の人々と、「心貧しく富んだ生活を
している」私たち現代人という対比が鮮やかです。
・染織の道に飛び込んだのが32歳だと書かれていて驚きました。
私もまだまだ頑張るぞ。
最後に若き日の著者に与えられた木工家・黒田辰秋氏の言葉を書かせてください。
ただあなたがこの道しかないと思うならおやりなさい。
まず自分の -
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