クレアキーガンのレビュー一覧

  • ほんのささやかなこと

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    ネタバレ

    1985年クリスマス間近、アイルランド南東部の町ニューロスで燃料屋を営むファーロング。
    婚外子の自分を身ごもった女中の母だったが、仕えていたウィルソン夫人の計らいにより、その出自に比して最低限の困難で今の生活にたどり着くことが出来た。
    決して大金持ちでも大物でもないが、この不況の中、それなりの稼ぎもあり5人の娘にも恵まれ、望む教育を与えることができ、和やかで心温まるクリスマスを迎えることができている。
    ある日、燃料を届けに行った女子修道院で出会った少女達の姿に、この町の暗部に気付いてしまう。。。

    訳者鴻巣さんのあとがきでは5人の娘を育てる家庭像から若草物語への言及があったが、
    自分的には直近

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    2025年09月21日
  • ほんのささやかなこと

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    石炭屋さんが、自分の生い立ちを回想しながら、女性保護施設での虐待を見つけ、圧力に逆らいながら通報する話。もっと続きがほしい。この話自体が、虐待から女性を解放する物語の、前日譚に思えてしまいました。

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    2025年12月02日
  • ほんのささやかなこと

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    アイルランドでの実際にあった大規模で長期にわたる人権侵害を題材にとった中編。人間は神の名の下にいくらでも残酷になれるが、神の名の下に善意を発揮することもできる。

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    2025年09月06日
  • ほんのささやかなこと

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    1996年までアイルランドに存在していた「マグダレン洗濯所」。ここは政府からの財政支援を受け、協会が運営していた。未婚や婚外関係で妊娠した女性が無償労働を強いられ、ひどい女性虐待が行われていたという。
    この物語には、この洗濯所をモデルとした施設が登場する。主人公ビルは、女子修道院に石炭を配達しにいった時にある少女と出会う。彼女がそこでずさんな扱いを受けているのを目にするのだ。
    彼自身、母親は未婚で彼を産み、父親を知らない。しかし運よく母が女中をしていた屋敷で育てられ、キリスト教徒として真面目に生きて来た。
    生活は決して豊かではないが、妻や娘たちに誠実なビルのセリフはいちいち心温まる。
    ラストは

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    2025年08月08日
  • ほんのささやかなこと

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    クリスマスを目前に控えたアイルランドのお話
    愛する妻と5人の娘に恵まれ、石炭や薪など燃料の販売を商いとする中年男性ファーロングが主人公

    未婚の妊婦の収容施設、人身売買のような養子制度、カトリック教会と政府の癒着など、この本を読まなかったら知ることのなかった差別に驚いた
    解説までしっかり読むべきだと思った

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    2025年07月13日
  • ほんのささやかなこと

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    著者の名は知らなかったが、役者の鴻巣友季子さんのお名前に見覚えがあったので手に取った。思っていた以上の良書。私が訪れたアイルランドはよく晴れた空にミモザがここにもそこにも咲溢れていたが、この小説からは薄暗い曇り空と寒風を感じる。身近な人の愛情に育てられた主人公が、自らの手で掴み取った平凡な幸せに飽き足らず、言われない苦しみを味わっている少女を救済すべく一歩踏み出す。現実にも似たようなことがかつて起こっていたと知り、憤りを覚える。特に、女性が、なぜ同性の庇護すべき存在を虐待するのか、理解に苦しむ。

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    2025年05月27日
  • ほんのささやかなこと

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    ファーロングという男性が、不遇の女性(少女)のために行動を起こすのがよかった。そこに至るまでの彼の過去、現在を丁寧に中編にまとめているのもよかった。彼が未婚の母のもとに生まれながらもウィルソン夫人たちの加護のもとに育ったこと、家族を持てたことで問題意識をフラットに、熟慮することができたのも大きいのではないかもしれない。声高に日々、活動する訳では無いが「ささやか」ではあるものの、それが誰かの心や命を守る大きな一歩だと感じた。

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    2025年04月04日
  • ほんのささやかなこと

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    アイルランドの小さな町で日々働いて一家を養う主人公ファーロング。彼の出自以外は退屈といってもいいくらいのささやかな日常生活が淡々と語られるのだけれど、どこか落ち着かないというか不穏なものを感じさせられる。
    最初はファーロング自身が抱える自分の来し方や将来への漠然とした不安なのかと思っていたが、それだけではなかったことに驚き。そして実話を元にしていることにまた驚き。
    ラスト、決然と一歩踏み出したファーロングの姿に勇気づけられた。

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    2025年03月17日
  • あずかりっ子

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    1時間もかからず読み終えてしまう中編で、情報量は非常に制限されている。その分、少女の心の動きについて、預かった夫妻の悲しみと繰り返される痛みについて、限られた言葉のその奥にあるものをじっくりと想像させてくれる。

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    2026年02月21日
  • ほんのささやかなこと

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    妻と5人の娘たちと仲睦まじい生活をおくっている石炭と木材の商人ファーロング。

    彼の周りではいつも淡々と時間が過ぎて行くが、そんな中でも家族や近所の人々との触れ合いを通じてささやかな幸せが伝わってくる。

    しかしある日、仕事のために訪れた女子修道院で史実に基づく事件が起こる。そこでファーロングが取った選択は、「ささやかなこと」とはかけ離れたものだった。

    物語は起伏がなく淡々と進むため読み手によって好みが分かれると思う。

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    2026年02月03日
  • あずかりっ子

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    ちょっと、西の魔女が死んだを思い出した。
    子供にとってひと夏という短い時間が、一生の中でどれだけ大切なものになりうるかが、さらっと描かれた文章の中に詰まっている。

    楽しいときを留めておけないくらいなら、いっそ素っ気なく振る舞う感じ。
    願望や喜びの感情をあえてセーブすることで、避け難い現実からのダメージを大したことではないかのように、やり過ごす感じ。
    そんな子どもならではの心の防衛反応が、あぁ分かるなーと思う。いろいろと思い出す。
    だからラストの一言が、ぐっとくるね。
    ここは、クレア・キーガンがうまい。実に鮮やか。
    映像やセリフでは、この一言に込められた想いの半分も伝えられないのではないだろう

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    2025年11月22日
  • あずかりっ子

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    シェーンの「カムバアアアック!」とか、時かけの「いっっけええええ!」見たいな。

    しかしおじさんおばさんいい人すぎて、その反動で、父ちゃん母ちゃん含め周りの市井の人たちがなかなかのイヤな感じだったな。。

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    2025年11月12日
  • ほんのささやかなこと

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    1985年、アイルランドの小さな町。
    クリスマスが迫り、寒さが厳しくなるなか、
    石炭と木材の商人であるビル・ファーロングは
    ある日、石炭の配達のために女子修道院を訪れる。
    そこでファーロングは「ここから出してほしい」と願う娘たちに出くわす。
    修道院には未婚で妊娠した娘たちが送り込まれているという噂が立っていた。
    隠された町の秘密に触れ、決断を迫られたファーロングは
    己の過去と向き合い始める。

    そんなあらすじ。この物語を読むまで存在すら知らなかった。
    1996年まで存在したマグダレン洗濯所。
    婚外交渉により身ごもった女性ばかりでなく、
    堕落する可能性があると恣意的に判断された女性、
    身寄りのな

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    2025年10月08日
  • ほんのささやかなこと

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    “「女の子のなにがいけないのでしょう?」ファーロングはつづけた。「わたしの母もかつては女児でした。お言葉ではありますが、院長もそれに当てはまるでしょう。人間の半分に当てはまります」”(p.85)

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    2025年04月23日
  • ほんのささやかなこと

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    ほんのささやかな毎日を過ごすような静かな作品。扱うテーマはささやかではなく、重く厳しい。マグダレン洗濯所が実在したことに衝撃を受けた。

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    2025年03月26日
  • ほんのささやかなこと

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    アイルランドのある町で、石炭商を営んでいるファーロング。ファーロングの母は未婚の母なのだが、雇い主のウィルソン夫人のはからいで、そのまま夫人の家で暮らすことができ、苦労もあったが結婚し5人の娘に恵まれて暮らしている。ある年のクリスマス、町の女子修道院に石炭を納めに行くと、小屋に閉じ込められていた娘からここから出してほしいと頼まれる。

    未婚の母への偏見、修道女たちへの疑惑。この時代に、とまどいながらもとったファーロングの行動は、心があたたまる。

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    2025年02月27日