森明日香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
おくり絵師シリーズ
恋女房
腕くらべ
白梅の文
江戸に地震が起きてからの2年間、人の情けで仮住まいを得た国藤、おなみ、岩五郎、ふゆは、どんな小さな仕事でも引き受けて細々と暮らしていた。
相変わらず、律儀で内気なふゆ。絵が上手くなりたい気持ちは誰にも負けたくないが、無名な女絵師に来る仕事は限られている。
それでも丁寧に、目の前の仕事をこなすうち、チャンスが訪れる。
嫌疑をかけられて白洲で裁かれた(無罪ではあったが)恐怖心を克服して、似顔絵の仕事を得る。
正月の菓子の掛け紙は、腕くらべ。
そして初めての女友達が?
細やかな心の描写と、江戸の人情と、厳しいながらも日々生きて行く人々の姿。
読み -
Posted by ブクログ
おくり絵師シリーズの続き。
死んだ人を描く絵師という、おふゆが気になっていたが、続きが読めた。
女であることへの風当たりは兄弟子の国銀から厳しく言われるが、女性であることの繊細さや優しさがあると、おふゆの団扇絵もだんだん売れるようになっていった。
死に絵を描くことへの、おふゆの決心がますます研ぎ澄まされていく。
読売の心中絵
宝物
牡丹ちる
の3編
売れないが大舞台を夢見るうちに亡くなった二人の男女の役者、病気がちで早くに亡くした娘の絵を描いて欲しいと願う女が登場する。
おふゆに目をかけ、育てようとする地本屋、佐野屋喜兵衛は、八代目市川團十郎とも引き合わせ、おふゆに役者を描く矜持を学ばせ