あらすじ
絵師見習いのおふゆは、死絵に己の道を見出すも、自身の描く絵が浅かったと悩み始めていた。そんな中、おふゆのもとへ、幼い頃に世話になった旅芸人のお京がやってきた。心残りがあり、江戸を訪れたという。お京は、再会を喜ぶおふゆをある歌舞伎役者のもとへ連れて行くが……(「子福長者」)。正反対の生き方だった亡き息子へ抱く父の特別な想い、災厄による不条理な別れ――離別の深い哀しみに寄り添い、おふゆは遺された人々と死者のかけがえのない縁を丁寧に編んでいく。ままならない世を歩む江戸の人々の深い人情が染み入る、大好評シリーズ、円熟の第五巻。
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Posted by ブクログ
ハルキ文庫書き下ろしの、シリーズ5冊目。
森明日香さんの描く物語には、優しい雰囲気がある。現実は地震で火事に焼け出されたり、親しい人を亡くしたり、むしろ厳しいのだが、絵師のふゆは常に周りの人を気遣いながら生きているので、その心根が、そう感じさせるのかもしれない。
今回は、ふゆを仙台から江戸へ連れてきた旅の一座の座長、お京が、江戸へやってくる。お京は市川海老蔵に息子の死に絵を見せ、その場に、描いた絵師のふゆも立ち会わせる・・・。
親しい人との再会と別れあり、創作の悩みもあり。
ふゆに寄り添って読ませる筆使いがとても気に入っていて、新作が待ち遠しいシリーズ。