ベンジャミン・スティーヴンソンのレビュー一覧

  • 真犯人はこの列車のなかにいる

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     推理作家協会主催の50周年のイベントが行われる豪華列車の旅で起きる連続殺人と乗客全員が容疑者という状況が読書欲を掻き立てるメタ要素込みの本格ミステリーで、意外な犯人ものとしてもミッシングリンクとしても素晴らしく、そしてどこまでも読者に対してフェアでありながら予想を裏切る展開の連続と散りばめられた伏線が全て収束する解決編の鮮やかさと相まって最高の作品に仕上がっていて前作より面白かった。

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    2025年12月06日
  • ぼくの家族はみんな誰かを殺してる

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    ネタバレ

    海外の本は例えボケツッコミが多すぎて、それが面白くないものから笑えるものまで多数のネタが続け様に出てくるからちょっと胸焼けというか疲れる印象がある。この本も例に及ばずかなりのボケが入ってたけど割と笑えるものが多くて良かったし日本人でもわかりやすい例えとかだった。
    一番最初に家族構成が出てきて全員殺してるってタイトルで暴露してるくらいだからじゃあ誰が今殺してる人が不明なのか、とか推理しながら読んでたから色々と見事に裏切られた感はある。
    読書の手が止まらなくなるほどに面白かった!

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    2025年10月21日
  • 真犯人はこの列車のなかにいる

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     読んだひとをほほ笑ましくさせる独創性と広げた大風呂敷が綺麗に畳まれていく快感がありました。本作は前作『ぼくの家族はみんな誰かを殺してる』から続くシリーズの第二作目に当たります。
     実は前作を未読のまま読みはじめたのですが、読んでいないからと言って、楽しめない、というわけではまったくなく(それでもやはり先に読んでおいたほうが良い側面はあると思いますが)、ラストまで遊び心に満ちていて嬉しくなるような読書体験でした。『こんなミステリが読みたかった!』という気持ちになるひとも多いのではないでしょうか。
    『信頼できる語り手』が語る、作家たちが乗り合わせる豪華列車での殺人事件の結末は。現代的なツールが謎

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    2025年10月15日
  • ぼくの家族はみんな誰かを殺してる

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    過去の出来事から白い目でみられているカニンガム家が久しぶりに集合することになるが、やがて死体が発見され、、、というお話(?)。

    メタ技法(?)が使われ、家族の紹介と共に家族の殺人や事件の真相が明かされていくのがよかった。

    本格ミステリさながら、各所に真相のヒントが散りばめられていて、最後はしっかり犯人が明らかにされ、多少強引だった気もするけど、タイトル通りたしかにカニンガム家はみんな誰かしらを殺していたというところも素晴らしかった。

    洋モノあるあるかもだが、後半ちょい複雑化していた。

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    2025年10月14日
  • ぼくの家族はみんな誰かを殺してる

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    ネタバレ

    主人公のメタい語口が面白い!
    犯人が分かって片付いて一件落着…みたいな感じだけど、本当は1番の被害者だよなと思ってしまう。
    犯人の中には大人によって傷付けられた小さな子供がいる。
    それによって犯した罪を擁護することはできないけれど、幼少期に周りの大人と信頼関係が築けないことが人格に直結する。
    個人的には叔母さんが犯人に言った「どうして私達家族に馴染めると思ったのよ?」みたいな台詞がキツかったなぁ。
    だって、元はと言えばあんな仕事、あんな生き方をしていた実父のせい。元はと言えば(悪意があったわけじゃないけど)お母さんのせい。
    そもそもそれで犯人は人生の全てを奪われたのに、自分達の過去の行動を棚に

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    2025年09月12日
  • ぼくの家族はみんな誰かを殺してる

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    ネタバレ

    タイトルのキャッチーさが強すぎてあまり期待はしていなかった一冊。
    いやいや、むしろ好きな方だった。

    タイトルからは、ともするとサイコパス一家のしのぎの削り合いのような構図の想像もしてしまうがちょっと違う。
    雪山のリゾート地、警察組織との因縁を持つとある一族の再集結の物語。
    兄のマイケルが3年前の殺人の罪での刑期を終え出所する。
    「ぼく」はその兄の刑に引導を渡した一族の裏切り者でこの3年間つまはじきにされてきた。
    「ぼく」の一人称語りで綴られる再会の場で起きた事件と過去の事件の真相をめぐるオーストラリア発のモダンミステリ。

    「ぼく」の語りのおどけ具合とメタっぷりが良い。
    冒頭、ノックスの十戒

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    2025年08月02日
  • ぼくの家族はみんな誰かを殺してる

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    ネタバレ

    この時代に、クローズドサークルでフーダニットの本格ミステリーは設定するのが難しいよなぁと思っているのですが、今回は登場人物が敢えて下界に降りないシチュエーション、そして警察が来れない(来ない)理由も含めて、よく練られているなというのが前提で面白く、ドキドキワクワクしながら読めました!

    家族はみんな誰かを殺している…それだけ狂った人たちなのか…という前提で前半を読んでいくものの、実はみんなそれぞれの理由や背景、家族愛があり、それが犯人の動機との対比、つまるところ「家族とは何か」に行き着いて、読み応えありました。

    冒頭に◯ページで殺されると言われ、「そんなに死ぬのか!そして誰もいなくなっなくら

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    2025年07月21日
  • ぼくの家族はみんな誰かを殺してる

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    とても面白かっった。独特な一人称で展開されるストーリーはニヒルなユーモアがありつつも、しっかりとした本格ミステリの作品だった。

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    2025年06月24日
  • 真犯人はこの列車のなかにいる

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    前作「ぼくの家族はみんな誰かを殺している」の著者、アーネスト・カニンガム。次回作の契約はしたものの、アイデアも浮かばず、いろんな下心(推薦文の依頼、ネタ探し、プロポーズ・・)を持って、豪華列車でのブックフェスティバルに恋人と参加する。
    アーネストが書いているわけなので、すでに事件は起こり、解決済み。今回も彼は大怪我を負っているようだが、果たして?という内容でした。
    序盤のアーネストの落ち込み、捻くれ具合が気の毒なんだけれど面白い。前作のトラウマもあり、事件をそのまま書いているだけの作家は、たいして評価もされず馬鹿にされ、焦りだけが募っていく。幸か不幸か殺人事件は起こり、彼は犯人探しをしようと躍

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    2025年12月07日
  • 真犯人はこの列車のなかにいる

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    アーネスト・カニンガムシリーズ第二弾。

    今回はオーストラリアの豪華列車。
    途中、停車することはあるけれど、基本は密室。
    推理作家協会の50周年記念プログラムということで、恋人のジュリエットと参加したアーネスト。
    参加者がみんな本に関わる人というのが魅力ポイントでした。

    途中、中だるみはしましたが(私の問題)、最後の最後まで驚きで気が抜けない作品でした。

    三作目も刊行予定だそうなので、追って行こうと思います。

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    2025年12月05日
  • ぼくの家族はみんな誰かを殺してる

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    吹雪で閉ざされた山岳リゾート地で起きた事件。登場人物が少ない割にいろんな事件が溢れてきて、軽妙な語り口と相まって楽しく読んだ。

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    2025年12月02日
  • 真犯人はこの列車のなかにいる

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    この小説は?

    殺された人物にそれぞれが遺恨や恨みつらみがある
    アーネストを軸に物語は進行する小説

    途中で?この小説は?疑念を持つシーンや
    アーネストがトムクルーズに?

    オーストラリアの気候や風土を知るとより面白い
    で!誰が犯人?最後の最後まで謎が続く「小説」

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    2025年11月29日
  • 真犯人はこの列車のなかにいる

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    僕は語り手だから犯人じゃないよ、なんて一人称の地の文でなくて登場人物との会話で言ってしまうアーネストが主人公の第二弾。

    「ぼくの家族はみんな誰かを殺してる」に比べるとインパクトが少なめのタイトルでしたが、中身はアーネストの独特の語り口が相変わらずで読みやすい。
    あれやこれやの描写があっちやこっちに繋がってたのか。と沢山張られた伏線。

    海外小説である以上仕方ないですが、アナグラムは解くのが難しいですね。

    文中でも触れられていますが、昨今のミステリーは、前回の事件がトラウマになったり、悩みを引き摺ったりしているのが海外でも日本のものでも見られて興味深いです。 確かに、ホームズや名探偵コナンは

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    2025年11月09日
  • 真犯人はこの列車のなかにいる

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    私はミステリを読んでも、この流れだとこの人が犯人だろうみたいな当て方しかできないんだけど、今回は珍しくちゃんと推理した結果序盤の方で犯人を当てることができた。
    ヒントがかなりわかりやすく散りばめられてたと思う。
    犯人がわかってしまったとしても、予想してなかった展開や謎が他にもいくつかあったりして最後まで楽しく読めた。

    前作『ぼくの家族はみんな誰かを殺してる』はかなり独特な語り口だったので、今回も覚悟して読んだけど、前作よりはだいぶ癖が抑えられていて読みやすくなったような気がした。笑える場面もちょこちょこあった。

    終わり方も好きだったし、次回作が出たら読みたいな。

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    2025年11月05日
  • 真犯人はこの列車のなかにいる

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    オーストラリア大陸縦断豪華特急『ザ・ガン』。オリエント急行とナイル殺人事件を合わせたような舞台。今回もアーネストの一人称で語られるミステリの挑戦状を楽しめる。エピローグまで気を抜けないのでお楽しみに。

    #読書好きな人と繋がりたい
    #ミステリの秋2025

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    2025年10月29日
  • 真犯人はこの列車のなかにいる

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    フェアな語り手を自称する主人公(一人称)が、親切にも犯人の名前が何回記述されるかを明かしてくれます!ギミックミステリ好きはそれだけでニヤニヤしちゃいますよね(^^)
    推理小説において作家と読者はワンチーム、ひとつの真相に向かうチームメイトだよ〜という記述があるけれど、ミステリ好き読者としては当然額面通り受け取れない。そう、今作もホスピタリティ抜群の作者にまんまとおもてなしされました。面白かった!!

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    2025年10月26日
  • ぼくの家族はみんな誰かを殺してる

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    語り手が書く著作を読んでいる体裁のメタ構造で、その語り口がだいぶ軽くてコミカルなのが前半はしっくり来なかったが、後半からの謎解きと伏線回収は一気に読める。

    「しっかり読めば読者にも犯人が推理できる」古典ミステリのセオリーにのっとって書かれているので、あとから振り返ると伏線が多数散りばめられていて
    コメディタッチの展開と語りの中にふわっと隠されている事実もあって、読み終わると納得の構成だった。

    「これ、いるかな?」と思わなくもないくらい色んな仕掛けがてんこ盛りだけど、なんとか上手にまとまっていて自分は楽しく読みました。

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    2025年10月16日
  • 真犯人はこの列車のなかにいる

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    主人公の一人称視点で語られる、思わずくすりと笑える軽妙なやり取りが魅力。それぞれに専門分野を持つ作家が登場することで、物語が膨らんでいく。
    物語は独立しているが、前作を回想するシーンがところどころあるので前作を先に読むことが推奨される。

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    2025年10月14日
  • 真犯人はこの列車のなかにいる

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    アーネスト・カニンガム・シリーズの二作目。前作の
    『ぼくの家族はみんな誰かを殺してる』の続編とは知らず、こちらの作品から読んでしまいましたが、一作目の大きなネタバレはないので、この作品からでも楽しめました。
    主人公のアーネストが"信頼なる語り手"として、あらゆる場面で感じたことや思ったことを饒舌に語りながら事件の謎を解いていきます。
    物語の後半の謎解きはとても面白く、これぞ王道の謎解きだと感じましたが、アーネストの語りが個人的にあまり好みでなく…。ユーモアがあり、物語全体がわかりやすく説明されているため、読みやすくはありましたが、イマイチ物語に入り込めなかった作品でした。

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    2025年10月11日
  • ぼくの家族はみんな誰かを殺してる

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    ネタバレ

    主人公・アーネストの父は35年前に警官を殺害したことで世間から白い目で見られていた。そんな家族が9人が冬のロッジに集まったが、そこで見知らぬ男の遺体が版権される。疑心暗鬼が募る中、第二の事件が発生する。
    筆者である主人公の視点で、ミステリーのメタ的な視点を混ぜながら進行していくところがとても面白かったです。”みんな誰かを殺してる”というインパクトがあるタイトル、海外ミステリーの複雑さもありながら、伏線回収とどんでん返しが終盤に一気に襲い掛かってきてとても気持ちよかったです。”みんな誰かを殺してる”というタイトルから、後ろめたいことを隠しているのかと思いきや、結構無理やりだったり、明かされないこ

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    2025年10月05日