ピーター・ブラウンのレビュー一覧
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野生の中で生きるためにはあらゆる感覚を研ぎ澄ませ、常識でない考え方をしなくではいけないと思うが、そういった柔軟性に欠けると思われるロボットが、あらゆる困難に立ち向かいながら生きて行くというストーリー。
実は私たち人間も本能に従って深く考えもせず、機械的に生きている部分はあるし、頑なで柔軟性に欠ける部分がある。物語はロボットの生き様を描いているが、そういった共通性からいつのまにか深く物語に自分ごととして引き込まれてゆく。最後は共通性以上に「実直さ」という忘れ去ったものを思い出させてくれて、心からロボットと野生の生物たちにエールを送りながら読んでいた。
細かく章が分かれているので、読書から遠ざ -
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ロボットが野生動物と生きていく
あらしの夜、一体のロボット「ロズ」が野生動物たちの暮らす島に流れ着いた。そこでロズは、動物たちを観察し、生きていく術を学習していく。そんなある日、ロズがふかさせたガンのひな「キラリ」が、ロズを「ママ」と呼び始め……。
「うちは変わった家族だね。でも、ぼくはけっこう気に入ってる」
ロズとキラリが「家族」として心を通わせていく様子、当初ロズを「怪物」と呼んできた野生動物たちと友情を育んでいく様子に感動した。
自然界とロボットの両方に関心を寄せてきた著者ならではの作品。さまざまな動物たちの習性を生かした描写がきらりと光っている。 -
Posted by ブクログ
最初は動物たちに恐れられていたロボットのロズ。雁のヒナ・キラリを救い、親代わりとなったことで動物たちとの関係性も暮らしも変化していく。
ロズとキラリ親子の会話や暮らしは見ていて微笑ましいし、心がポカポカしてくる。
そんな二人を見守り、少しずつ心を開いていく森の動物たちとのやり取りもいい。
これは間違いなく良書♪
子どもが小学生のときに出会えてたらなぁ。
ロズの肩にとまるキラリのイラストを見ると自然と笑顔になる。
ロボットと動物との交流・絆を描いた物語ですが、それだけに終わらない。「人間」「ロボット」「自然・動物」の関わりや共存についても問われているようで、児童書だけどなかなか深い。
じ -
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船に積まれている荷物。
航海中に嵐が来て船が難破してしまう。
下へ
下へ
下へ
船はどんどん沈んでいく。
中の荷物のうち、たまたま5つだけ海の上に浮いた・・・が、4つは島にぶつかって砕けてしまう。
もう一つも同じように砕けそうになったが、ちょうど波が来て島に打ち上げられた。
少したち、海辺のラッコたちが箱の中身を漁ると、中にはツルツルしたものが入っていた。
最初は警戒していたラッコたちだが、動かないとわかると色々いじり始めた。
すると、1匹のラッコが頭の後ろにある何かを押した・・・瞬間に何か音がし始めた。
ラッコたちにはわからなかったが、
「こんにちは。わたしはROZZUM(ロッザ -
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ネタバレ「野生のロボット」の続編、というよりほとんど後編。私は間を置かずに正編と続編を読むことができたが、この二冊の出版に三年の隔たりがあることを考えると、さぞや当時の読者はやきもきしたことだろう。そのくらいこの続編には価値があり、この二冊を合わせて一つの物語が完結したと言える。
細かく章が分かれていることに変わりはないが、一つ一つが正編よりもやや長めに構成されている印象(それでも十分に読みやすい)。それも、物語に熱が入ったがゆえにぶつ切れなくなった感じを受けるので、自然読者としても応えるように集中力が高まる。加えて、物語が無人島から人間社会へと舞台を移し、登場人物(や動物)がぐっと増えると同時 -
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「野生のロボット」の続編にして完結編。
(まだ続く可能性はあるかも)
島から回収され、息子のガン•キラリや仲間たちと離れ離れになってしまったロボット•ロズ。修繕され、中古品となったロズはある農場主に売りわたされる。妻を亡くし、片足が不自由になった農場主に代わって農場の一切の管理を任される。それでもロズは、島に残してきた仲間たちやキラリに会いたくて仕方がない。ロズに馴染んだ農場の子どもたちは、何とかロズを島に帰してあげようと計画を立てる。そんなある日、鳥たちの噂が広まったおかげで、農場にガンの群れがやって来た。そのリーダーになっていたのは…。
ロボットが動物の家族を持ち、様々な動物や人間と意 -
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嵐の夜、無人島に流れ着いた一体のロボット。島に住む動物たちは怪物を見るような気持ちで、ロボットに近づきません。一人ぼっちのロボットは、動物たちを観察して、言葉を交わす能力を身につけます。野生化し、島の中を探検して歩く中、死なせてしまったガンの一家。たった一つだけ残された卵から孵った子を、必死に育てるロボット。母親がわりになったロボットを、沢山の動物たちが助けてくれるようになります。出会いと別れが繰り返される中、ついにロボットを回収する使命をもつ者たちが現れて…。
超科学的な製法で作られたロボットが、大自然の中で野生化し、生き物たちと交感していく姿はある意味SF的であり、手塚治虫や石森章太郎ら