あらすじ
あらしの夜、五つの木箱が無人島に流れついた。中にはどれも新品のロボットが一体ずつ入っていたが、こわれずに無事だったのは一体だけだった。偶然スイッチが入り起動したロボット=ロズは、島で生きぬくために、野生動物たちを観察することでサバイバル術を学んでいく。はじめはロズを怪物よばわりしていた動物たちだったが、ひょんなことからガンの赤ちゃんの母親がわりとなったロズが子育てに孤軍奮闘する姿を見て、しだいに心をひらいていく。すっかり野生のロボットとなったロズのもとに、ある日、不気味な飛行船がやってきた……。
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Posted by ブクログ
表紙を見て読んでみたけど面白かったです。
やっぱり1人では生きていけないということや見た目では判断しちゃいけないということを教えてもらいました。
映画化されるということでもう1回読んできます!
Posted by ブクログ
野生の中で生きるためにはあらゆる感覚を研ぎ澄ませ、常識でない考え方をしなくではいけないと思うが、そういった柔軟性に欠けると思われるロボットが、あらゆる困難に立ち向かいながら生きて行くというストーリー。
実は私たち人間も本能に従って深く考えもせず、機械的に生きている部分はあるし、頑なで柔軟性に欠ける部分がある。物語はロボットの生き様を描いているが、そういった共通性からいつのまにか深く物語に自分ごととして引き込まれてゆく。最後は共通性以上に「実直さ」という忘れ去ったものを思い出させてくれて、心からロボットと野生の生物たちにエールを送りながら読んでいた。
細かく章が分かれているので、読書から遠ざかっていた大人も中断しながらも読み進めることができる。
Posted by ブクログ
ロボットが野生動物と生きていく
あらしの夜、一体のロボット「ロズ」が野生動物たちの暮らす島に流れ着いた。そこでロズは、動物たちを観察し、生きていく術を学習していく。そんなある日、ロズがふかさせたガンのひな「キラリ」が、ロズを「ママ」と呼び始め……。
「うちは変わった家族だね。でも、ぼくはけっこう気に入ってる」
ロズとキラリが「家族」として心を通わせていく様子、当初ロズを「怪物」と呼んできた野生動物たちと友情を育んでいく様子に感動した。
自然界とロボットの両方に関心を寄せてきた著者ならではの作品。さまざまな動物たちの習性を生かした描写がきらりと光っている。
Posted by ブクログ
小学生へお薦めの児童書です。
一話一話が細かく区切られているため、本を読むことに身構えてしまうようなお子さんでも最初の1ページを読めば自然と興味を持ってくれるはずです。
ゲーム好きなお子さんも、この本の展開に夢中になって読書を楽しんでくれるといいな。
心を持つロボットに優しさと未来を感じて欲しいです。
Posted by ブクログ
最初は動物たちに恐れられていたロボットのロズ。雁のヒナ・キラリを救い、親代わりとなったことで動物たちとの関係性も暮らしも変化していく。
ロズとキラリ親子の会話や暮らしは見ていて微笑ましいし、心がポカポカしてくる。
そんな二人を見守り、少しずつ心を開いていく森の動物たちとのやり取りもいい。
これは間違いなく良書♪
子どもが小学生のときに出会えてたらなぁ。
ロズの肩にとまるキラリのイラストを見ると自然と笑顔になる。
ロボットと動物との交流・絆を描いた物語ですが、それだけに終わらない。「人間」「ロボット」「自然・動物」の関わりや共存についても問われているようで、児童書だけどなかなか深い。
じんわり心温まる児童書でありながら、意外なラスト!
続編もあるので読んでみたい。
『うちは変わった家族だね。でも、ぼくはこのままがいい』
Posted by ブクログ
船に積まれている荷物。
航海中に嵐が来て船が難破してしまう。
下へ
下へ
下へ
船はどんどん沈んでいく。
中の荷物のうち、たまたま5つだけ海の上に浮いた・・・が、4つは島にぶつかって砕けてしまう。
もう一つも同じように砕けそうになったが、ちょうど波が来て島に打ち上げられた。
少したち、海辺のラッコたちが箱の中身を漁ると、中にはツルツルしたものが入っていた。
最初は警戒していたラッコたちだが、動かないとわかると色々いじり始めた。
すると、1匹のラッコが頭の後ろにある何かを押した・・・瞬間に何か音がし始めた。
ラッコたちにはわからなかったが、
「こんにちは。わたしはROZZUM(ロッザム)7134型です。ロズと呼んでください。(略)」
と人間の言葉で言っているようだった。
そう、それはロボットだった。
ロボットは歩き出す。
が、森を歩くのは、容易くはない。
そう、ロボットが森の中を歩くように造られていないのは明らかだった。
それに、島の動物たちにも怪物呼ばわりされてしまう。
・・・が、あるロズの行動をきっかけに次第に動物たちはロズに心を開いていく・・・。
分厚いけど面白い本シリーズ(勝手に作った)
にも入っている本でとっても面白い!
作者の表現の仕方が半端ない!
「下へ
下へ
下へ」
とか、
「〇〇が〇〇をするために作られていないのは明らかだった」
とかも本の中にあったの真似したの。
とにかく面白いから読んでみて!
ほんと面白いから読んでみて!
ちなみに「帰れ野生のロボット」って言う続編も出てるから読んでみて!(自分もまだ読んでないくせに)
そういえばしれっとアイコン変えてる(2022・3・4に変えました)から見てみてね。
Posted by ブクログ
優れた童話は、大人の読み手に色々な問題提起をしてくれます。こうゆうファンタシーとてもいいですね。ワシは大好きです。翻訳も秀逸。作者の方に感謝です!
Posted by ブクログ
他の方のレビューを見ると、映画化もされているようですが、映画は観ていません。中盤までは結構淡々と進んでいきましたが、終盤に向けてハラハラ展開になり、続編もとても気になります。
児童書で、漢字もそれなりにひらいてはいるものの、言葉づかいや語彙はそこまで易しくはなかったように思いました。
Posted by ブクログ
映画「野生の島のロズ亅を見たので原作に興味を持ちました。
映画のロズはやや出来すぎで突っ込み所も多数あったけど、この原作「野生のロボット亅はもっとリアルな野生のロボットを感じさせてくれる作品になっています。
Posted by ブクログ
AIで野生の生活を学ぶロボット。心も持ち、最後は人間を利用する事も考える。
最初は島の動物たちと仲良くなる事ができないが、がんの子を助けた事で交流が生まれやがては島になくてはならない存在になってゆくという話。いろいろ考えさせられる。、
Posted by ブクログ
嵐の夜、無人島に流れ着いた一体のロボット。島に住む動物たちは怪物を見るような気持ちで、ロボットに近づきません。一人ぼっちのロボットは、動物たちを観察して、言葉を交わす能力を身につけます。野生化し、島の中を探検して歩く中、死なせてしまったガンの一家。たった一つだけ残された卵から孵った子を、必死に育てるロボット。母親がわりになったロボットを、沢山の動物たちが助けてくれるようになります。出会いと別れが繰り返される中、ついにロボットを回収する使命をもつ者たちが現れて…。
超科学的な製法で作られたロボットが、大自然の中で野生化し、生き物たちと交感していく姿はある意味SF的であり、手塚治虫や石森章太郎らが描くマンガが目に浮かぶようです。痛みを感じないロボットが傷つく姿、野生動物たちが容赦なく死を迎える姿なども、同じ世界観を感じます。
ロボットが流れ着いた島は、ラッコやオポッサムが同居する不思議な世界。人間がどう生きているのかも中盤で描かれ、自然と人間との関わりも考えさせます。
ロボットの型番が『ROZZUM7134』で、通称ロズ。これ、チャペックの「R•U•R」(ロッサムのユニバーサル•ロボット)へのオマージュなのでしょう。
約300ページが80もの章に分けてあるので、読書の苦手な子でも区切りながら読み続けられそうです。
…たった一つ残念なのは、作者の描く多数の挿画がほぼ全ページにわたって散りばめてあるのに、全て白黒。
「表紙の絵と同じ手法で描いてあるなら、多分カラーだったはずだよな…」
と思うと、もったいない感じがするのは、私だけですかね?
Posted by ブクログ
無人島に流れ着いたロボットと、無人島に住む動物たちのお話。
仲良くなるのはなかなか難しいが、動物たちの言葉を理解して、仲良くなっていくロズ。
がんの卵をかえして、キラリを育てることになった。
ロズがロボットに思えない。本当の母親のようにキラリに接している。
そして、動物たちもそれを応援する。
キラリが南の海に渡った後の冬がとても寒かったが、ロズが火をたいてあげ、動物たちをあたたかく過ごせるようにしてあげる。
ロボットだからできること、自分ができることで恩を返している。
自分の存在意義を「わたしはみなさんのお手伝いをするためにいるのかもしれませんね」とロズ。
心に染みる言葉。
しかし最後が、、、続きもあるので、ぜひ早く続きを読みたい、
Posted by ブクログ
全く期待せずに読んだのにめちゃめちゃ良かった。
まじで!
めちゃめちゃ良かった。
ロボットが動物と仲良くなる物語と聞いて、しかもこのリアリティのかけらもない絵を見てうっすら予想するファンタジックでゆるふわな子供だまし感は、完全にゼロとは言えないと思うけど、読み進めるにつれてそんな些末なことはどうでも良くなってしまった。
少なくともゆるふわでは全く無かった。
ロボットファンタジーの装いをした、命と友情と正義を真摯に描いた激アツ物語だったし、実は深く広く設定されたSFへの入り口も感じる。
のどか森の動物会議みも感じる。
もしこれが最初に修得した擬態と演技の賜物だったら切ないな。
結局心はないわけだから。
「〇〇するように生まれている」野生動物たちがその本能と生態をフルに活かして戦う場面はホントに泣いてもうた。
Posted by ブクログ
やっぱりロボットというと自走しないといけない。更にはAI。そして無限エネルギー。
こうなると動力系では無敵なので、後は性格だけだけど、これが最高に性格が良いと来ているんだから、まぁ無敵でしょう。チートとというか。
そんな人類の夢と希望というか、欲望と煩悩が詰まった存在が、自然界でも受け入れられるというのは、ある意味必然と言えるのではなかろうか。
しかしこのご時世でもライフル持って鳥を撃つおっさんがいるというのが、アーミッシュ的な、時代に流されない格好良い大人として認知されているのかもしれない。奥が深い。
Posted by ブクログ
人工知能ロボットのロズは、輸送途中の事故により無人島に流れ着いた。そこで生きていくため野生動物から学んでいく。
ガンの子どもキラリを育てることになり、子育ての仕方をまわりの動物に教わり、みんなに認められていく様は人の親と重なる。その一生懸命さにホロッとなる。
野生の中で人工のロズは異物だったが、受け入れられていくその過程は多くの示唆に富んでいる。
Posted by ブクログ
『野生のロボット』ピーター・ブラウン作・絵、前沢明枝訳
思いがけず野生のロボットの母性に共感。ロボットが人のいない森でその「命」をまっとうするなら、どうなるだろう?不器用なロボットの試行錯誤に、カナダ移民した頃の22歳の自分を重ねた。ロボットと動物たちが教えてくれる「家族」のかたち。#読書 #翻訳
Posted by ブクログ
野生動物にふれて学習していくロボット。
そして、ガンの雛に出会うことで感情が芽生えていく様子が本当に感動的でした。
ちょっと悲しいラストだけれど、キラリにまた会えるといいなぁ。
Posted by ブクログ
ロボットは、人間のために働くようにプログラムされていた。しかし、ロズは、無人島で自然や動物について学び、島の動物たちと仲良く暮らしながら、生あるものとしての心を育んでいく。
高学年向けファンタジー。
2018年刊
Posted by ブクログ
子どもが必ず夢中になる本。と、帯に書かれていたが、大人にもオススメです。読後はホッコリ。前半部分は緩やかに進み後半部分はハラハラドキドキ最後は少しホロリとする場面もあり、小学生高学年ぐらいから読んでもらいたい本です。私としては、今話題のプログラミングについても考えさせられる内容でした。なるほど野生の動物は天然のプログラミングを持ち合わせている。そしてA I時代への警鐘なのか、作者はそのようなつもりでかいたのではないかもしれないが、ロボットの良い面と怖い面が描かれていて、これから大人になる子ども達には是非読んでもらいたい。しかし、最近このような本を読む子どもが減っているような気がするのは、私だけかしら。
Posted by ブクログ
映画が面白かったので、原作を読み始め。
章が細かく分かれていて、読み聞かせがしやすい。
動物たちと絆を深めていくプロセスが映画よりも丁寧に描かれている気がした。
本作は、ロズが自ずからの意思で、修理をしてもらうために島を離れるところで終わっている。
映画はキラリの成長にスポットを当てているが、
オリジナルは、ほかのロボットとは違う、「野生」というところを強調し、
自然や他の動物たちと関係を結びならがら生き抜いていくというところがテーマになっている気がする。
Posted by ブクログ
仕事で使ったので一度丁寧に読んでみようと思った次第。少し前に映画化された模様。アニメーション映えしそうだったので機会があれば映画も観てみたい。
なんといっても読みやすい。本文は全部で八十の章に分かれており、ご丁寧にそれぞれ副題も付いているが、一つ一つが短めで中には一ページ以下の長さのものもある。細かく章が分かれているおかげで場面や視点の転換が分かりやすく、中断・再開にも心理的負荷が少ない。短時間でいくつもの章を読み進めることができるので達成感もある。本書のターゲット層は小学校中学年から一般まで、であるからして、上記のようなメリットは意図的に設計されたものだろう。
細かな設定は内容にも通ずる。表紙の袖にあるあらすじを読んだ限りでは、「児童書あるあるファンタジーで動物も当然のように喋るんだろうな」と漠然と思っていたものが、なんと序盤は全く喋らない。人間にとっての動物らしく、キーキーと鳴くばかりである。人工知能を携えたロボットのロズが、野生動物たちを細かく細かく観察するにつれて動物言語を獲得していき、段々と意思疎通が叶うようになっていくのである。
また、「明け方協定」というような可愛らしい設定はあるものの、野生動物たちがお互いに狩って狩られて生活する様子や、冬の厳しさに耐えられず死んでいくさまは自然そのものであるし、その中で知恵のあるロズが無双するわけでもない(役立ちはするが)。
言語にしても生活にしても、コミュニケーションの難しさや自然の厳しさを大前提に「ロボットが野生化したらどうなるか」を思考実験した結果が本書なのだと、作者の拘りを感じた。
個人の感想か企業の紹介文か忘れたが、「人間の自然破壊についても考えさせられる」というような文章を見た。確かに「冬はますます寒くなり、夏はますます暑くなる」という言葉や、海面上昇についての話題も出てくる。しかし、本書の主題はやはり、ロズがどう生き延びて野生動物たちとどう信頼関係を築いていくか、その過程を背景に「生きること」を問い直す、これに尽きると思う。ロズが自然や命と真摯に向き合う姿には学ぶべきものがある。
本書には人間が登場しない。キラリの回想で語られるだけである。しかし、ロズがどのようにして生まれたのか、レコを送り込んできたのは誰なのか、その存在は随所に感じられ、不吉とまでは言わずとも濃い影を落とす。故郷を守るために旅立つロズがいずれ出会う人間たちは、果たしてどのような形で登場するのか。その人間の在り方によって、本書の見方も大いに変わる予感がする。今から続編が楽しみだ。
それにしてもロズはいつの間に感情を獲得した(ように見えるだけ?)のか。レコも最後に忠告してくれるあたりささやかな感情を有していたように思う。こういうロボットものは大抵「人間的」になっていくのがセオリーだけど、それが我々人間のロマンなのかなあ。
Posted by ブクログ
ROZZUM7134型ロボット、通称ロズは嵐の後無人島に流れ着く
そこは野生動物たちが暮らす島
ロズは動物たちから怪物呼ばわれをして仲間に入れてもらえないが、ある出来事(事件)をきっかけに心を通わせるようになる
本作は、ロボットと野生動物たちの心温まる友情、そしてロボットとガンのこどものちょっと変わった家族の成長を描いた物語
思春期や気難しい年ごろの子どもはちょっとばかり大変…
そんな子どもたちを相手に子育てを頑張っているお父さん、お母さんちょっと読んでみませんか
Posted by ブクログ
ロボット運送船が嵐で遭難し、箱に入れられた5つのロボットが無人島に漂着する。4つの箱は壊れ一つだけが島に打ち上げられる。好奇心に満ちたラッコたちがやってきて、箱をいじっているうちにロボットの起動ボタンを押してしまう。そして、ロボットが動き始める。
ロボット・ロズは、無人島で一人(一体?)動き始める。次の嵐の日に、ロズは強風で木から落ち卵を温めていたガンとその巣を壊してしまう。親鳥と卵も死んでしまうが、ただ一つ残った卵がかえりヒナが生まれる。ガンの雛は、ロズを母親と思い二人は家族として暮らし始める。
人工知能として野生動物たちの言葉を理解するロズ。冬になると仲間と南へ向かう雛(キラリ)を送り出すロズ。やがて南から帰ってきたキラリから、自分と同じようなロボットがいる他の土地を知る。そして、ロボット工場から嵐で失ったロボットを回収するロボットがやってくる。
SFというよりは、まさにファンタジー。サイエンス部分が無くはないのだが、ほっこりさせる。最後もロズがいつか帰還するのでは、という希望を持たせる終わり方です。