浅倉卓弥のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「もしもあの時、違う選択をしていたら?」
そう問われたら、どう答えるでしょうか。
『ミッドナイト・ライブラリー』の主人公ノーラのように、「あの時、別の決断をしていたら、もっと良い人生があったのではないか」と後悔の念が心をよぎることがあると思います。今の人生は、無数の選択肢の積み重ねでできているからこそ、選ばなかった方の道が輝いて見えることもあります。
けれど、本を読み進めるうちに気づかされました。今の人生が最高に幸せで、一点の曇りもないかと言われれば、そうではないかもしれません。もっとこうなれば、ああなればという願いは尽きません。でも、それはどんな人生を選んだとしても、きっとつきまとうものなのだと。
「あり得たかもしれない別の人生」は、体験していないからこそ美しく見える、いわば幻想にすぎないのではないか。
本書の中で、心に深く刻まれた一節があります。
「大事なのは、君が何を見ているかではない。何が見えているかだ」
このソローの言葉が示すように、人生の価値を決めるのは客観的な事実(どの道を選んだか)ではなく、その状況をどう解釈し、何を感じ取るかという「心の眼」なのだと思います。
読み終えて、目の前にある「今の人生」が、とっても愛おしくなりました。 -
Posted by ブクログ
一冊の本をきっかけに、たどり着ける〈本屋〉があります。世界のどこともわからぬ場所にある、買っていない宝くじが当たるような奇蹟の〈本屋〉を訪れた人たちは、そこで自身の人生のターニングポイントとなった記憶と向き合うことになります。……というのが本作、それぞれの章に作品のテーマと絡み合う一冊の本が選ばれていて、その作品の歴史的な背景が差し込まれているのも特徴的。静謐な文章で綴られた物語は、〈書物〉と〈想像〉に想いを馳せながら、幕を閉じていきます。
ということで、『四日間の奇蹟』や『雪の夜話』、『君の名残を』など一読忘れがたい余韻を残す作品が多い著者の久し振りの新刊(たぶん小説の新刊は十年以上振りと思われます)は、糸を引くような綺麗なストレートでした。これをきっかけに、新たな作品の刊行が続くといいなぁ、と思ってしまいました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ同じ本の同じ箇所を、同じ季節の同じ日の、
同じ時刻に読むこと。それもよく晴れた春の日の、満開の桜の樹の下で。
そんな奇跡が起きる確率はどれくらいなのだろうか。
後悔や悲しみを和らげたり、先に進むための暖かな時間を過ごすことができる場所。
望んで行くことはできず、奇跡が起きた時にだけ訪れることができる「咲良」。
『コーヒーが冷めないうちに』あたりが好きな人はこの物語も気になるのでは…!と思いました。
梢枝の母はなぜ少女の姿でそこにいたのでしょうか。コバコはどうやって本を選んでいるのか。梢枝の父がそう物語に書くとわかっていたのでしょうか。気になりました。
また、外国でも刊行されるとのことですが、そのまま翻訳したものが出るのか、その国に合わせた花がでるのでしょうか…!気になります。 -
Posted by ブクログ
古市憲寿さんが2023年だったかな?おすすめ本に挙げられていた一冊。
BTSメンバーも読まれたそうです。
きっと多くの人が考えたことがある「たられば」の物語。
「あのときこうしていれば」「違う選択をしていたら」
生きていれば、そんな後悔は日常的に感じるものだと思います。
大きなものから小さなものまで、気にし始めたらキリがないくらい。
スーパースターになっていたかも?
オリンピック選手になっていたかも?
そんな夢物語のような人生を体験して、そこで何を思い何を考えるのか。
自分だけど自分じゃない人生を生きて、最後にノーラが選ぶ道。
感じ方は人それぞれだと思うけど、人生に後悔がある人のは、一度読んでみてほしい作品です。