黄蝶舞う

黄蝶舞う

660円 (税込)

3pt

3.6

平清盛が保元・平治の乱を制し、源義朝を死に追いやったのは有名な史実だ。そして嫡男・頼朝が囚われながらも死を許され、伊豆に配流になったのもよく知られる。清盛亡き後、頼朝は平氏を滅亡させ、鎌倉幕府を開いた。史上初の武家政権。しかし、初代頼朝・二代頼家・三代実朝ら3人の源氏の将軍は、いずれも悲劇的な死を遂げている。その数奇な因果は何を物語るのか。本書は、代表作『君の名残りを』で、タイムスリップ青春小説として平家物語の時代を描いた著者が、源家三代の将軍と、頼朝と北条政子の娘・大姫、実朝を暗殺した頼朝の子・公暁の5つの死を、妖しくも幻想的に描く連作時代小説である。死してなお続く清盛と頼朝の葛藤と、史書も記録しない頼朝の死の謎を描いた「されこうべ」をはじめ、実朝の死への道行きに寄り添った表題作「黄蝶舞う」など5篇の幻想譚を収録。ミリオンセラー『四日間の奇蹟』の著者が挑んだ新境地。解説:末國善己。

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黄蝶舞う のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年12月25日

    頼朝、大姫、頼家、実朝、そして公暁。それぞれの死にゆく姿が描かれている。
    永井路子さんの小説とも違う、大河ドラマとも異なる、そんな解釈で、違和感なく吾妻鏡の隙間を埋めていく。
    「されこうべ」の頼朝の最期は興味深く読むことができる。吾妻鏡には記述がなく史書も曖昧になっているところを髑髏と髭切りを使い幻...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年01月07日

    『鎌倉殿の13人』の影響で、鎌倉時代ものばかりを読んでいる私ですが、今までで読んだ中で、この本が、ドラマの登場人物と雰囲気が一番被る。
    と思います。
    ドラマを見ていないと、歴史に詳しくないと『?』かもしれませんが、私にはすごく楽しめました
    大姫、頼朝、頼家、実朝、公暁、それぞれを題材にした短編集なの...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年08月26日

    この本の初版は2010年だが、大河ドラマで取り上げられている2022年に読めば意識せざるを得ない。もっとも歴史資料のベースとなる吾妻鏡から諸説いろいろとある時代の物語だから、この小説も歴史ストーリーを追うよりは、その時代を題材としたフィクションとして楽しむべき怪奇幻想ファンタジーともいうべきか。実朝...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年06月11日

    この著者の「君の名残を」は壮大なファンタジーだったのだけど、これは同じ時代を舞台にした「本格時代小説」とのこと。といっても、そんなあおり文句は不要なくらい面白かった。義時と実朝のやりとりに、前作の影響を感じてちょっとうれしかったかな。それにしても、大河ドラマ「草燃える」の印象が強くて、その時代の本を...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年07月19日

    時代考証に抜かりないのは「君の名残を」と同様だが、あちらはタイムスリップもの、こちらは幻想ホラー。斬新かつ大胆な解釈で、大姫の夭折に端を発する源家の悲劇が描かれる。「されこうべ」の頼朝の最期は凄絶。鶴岡八幡宮の惨劇は実朝編と公暁編があって面白い。裏「炎環」のような連作だった。

    0

    Posted by ブクログ 2012年12月14日

    再び文庫で読みましたが、あまり記憶になかったので、新刊を読んだ感じ。

    頼朝の子・孫の短編集。
    永井路子の『炎環』のような感じですね。

    どうせなら、三幡姫も入れてほしいくらいですが。
    参考にしている作品なり論文なりの説が見えるので、もとを読んでいるとそういう点も面白いです。

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2012年07月22日

    平安時代というよりも、血に呪われた鎌倉時代の小説でしたが
    平清盛の偉大さ・怨念、源家の因縁と残酷さ、無惨さが
    歴史の知識の無いわたしにも痛いほどわかりました
    知らぬ間に、心の中の言葉まで「〜〜してはならぬ」なんて
    時代調の言葉になっていたりして

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2012年05月24日

    代が鎌倉となった頃の歴史物。
    お化けが出てきたり幻想的な作風。
    『君の名残を』もそうだったけど、好きなんですね源平。
    浅倉さんらしいかなり淡々とした筆致。

    以下の感想はネタバレですが、正直私の歴史知識がなさ過ぎて、物語的仕掛けなのか周知の事実なのかわかりません。


    『空蝉』
    源頼朝の...続きを読む

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