くるむあくむのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前作に続き、前作とは違い(記憶の中では)求人票とそのバイトをした人の体験談という表紙と文の構成の短編集。
表紙にもある『再求人』という文字が、このバイトを受けた人が過去にもいたんだと知らせて、読み終わった後にそれにゾッとする。好きなのは遭難者捜索と杜撰な供養。遭難者とは文字通りの意味と作中でいうところの反発の意味もあるのだろうけれど、発見する隊員の描写がぜんたいの嫌な味を薄めずにいてくれる。
杜撰な供養は、何処が起点の杜撰な供養かで話が変わってくるなと思うけれど、バス停の描写を見るに最初からなのだろう。ともすればどちらの母親も似たものだったとなる。気持ちの問題だからこそ、気持ちで書き変わるのだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めてモキュメンタリーというジャンルを読んだが、現実と錯覚するかのようなリアルな描写・挿絵として挿入される架空のネット記事が面白く、紙の本として手に取る甲斐があった。
一方で、幽霊系のホラーというよりは人の業の深さ・人の怖さが根幹のテーマになっており、祟り&呪い系ではなかったためそれらを求める人には期待外れかもしれない。
※※※以下、微ネタバレあり※※※
「集合的意識」によって現実と創作が入り混じる可能性があることを示唆している点が非常に面白く、個人的にはホラーというより「人間の『創作熱』という罪の物語」として受け取った。
創作→現実へ垣根を乗り越えようとする「あの人」に対し、ラストでその場にいないはずの平井のデッサンが描かれてしまうシーンは現実→創作へと逆方向にも垣根を越えうる未来が示されているようで、存在の意味を考えさせられた。 -
Posted by ブクログ
前作はデザイン性に特化していて文字数が少なめだったため賛否両論ありましたが、今作はしっかり文字数が増えて小説らしさが増した印象を受けました。
読後感は後味が悪いものの、どこかさっぱりとしていてライトなモキュメンタリーホラーなので、とても読みやすいです。
結末を読者に委ねるタイプの本ですが、短編小説ということもあり、個人的にはこの終わり方で良かったと感じています。物語の最後にどうなったかという結末よりも、何が起こったのかという過程や不気味さの方が重要な作品だと思うからです。
怖いというよりは「気持ち悪い」という感覚に近く、もちろんそれは褒め言葉です。作中にはたくさんの画像が掲載されていますが、いわゆるジャンプスケア(驚かせる演出)はないので、ホラーが苦手な人でも安心して読めると思います。
想像力豊かな人ほど、じわじわと恐怖が増していくはずです。なんでもない町の写真や、ありふれた風景の写真ほど、案外ゾッとしてしまうことってありますよね。
もしさらに続きが出るなら、ぜひまた読みたいと思える一冊でした。