杉全美帆子のレビュー一覧
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ギリシア神話。いつか読みたいくらいに思っていましたが、本著も参考にされている岩波、河出、中央文庫など、多岐にわたる物量なので、どこから手をつけたらよくわからない人にも開かれた書籍でした。下手したら入力されたテキストより、手書きの台詞や注釈の方が多そうで、細かなニュアンスや理解の助けになったかな、という感じ。
悪く言うと、ある意味ではまとめサイト的であり、ファストな理解を導くものですが、これを入口にはたして深掘りするために読書する人がどれだけいるのだろうかとも思いました。
ですが、膨大なキャラクターもレパートリー豊かなイラストで表現されており、非常にわかりやすかったです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ海外文学や美術・絵画を理解したいがために、今一度神話やら宗教やらの勉強をしているところで出会った本。他書も読んでいて理解しやすかったせいもあるのか、こちらの本はクスクス笑いながら読めました。
肝心の内容としては、要所が押さえられており絵画とも合わせて紹介されていたので私にはちょうど良かったです。ぼんやりとしかわかっていなかった神話のエピソードが、「こういう話だったのね」と合点しました。同じような感じで、海外文学作品との紐付けがあるといいなと思いました。
書いてあるイラストや言葉の一つ一つがクスッとした笑いを誘っており「イラストで読む〜」の他のシリーズも読みたくなってしまいました。 -
Posted by ブクログ
杉全(すぎまた)美帆子(1974年~)氏は、女子美大卒、広告制作会社・広告代理店にグラフィックデザイナーとして勤務後、イタリアへ留学し、帰国後は本「イラストで読む~」シリーズなどを発表しているイラストレーター、作家。
ギリシア神話は、紀元前15世紀頃から、各地を遍歴する吟遊詩人らによって伝承されてきたが、紀元前9~8世紀頃にホメーロスの二大叙事詩『イーリアス』と『オデッセイア』が作られ、その後に続いたヘシオドスの『神統記』により、神々や英雄たちの関係や秩序が体系的にまとめられ、「体系的なギリシア神話」が成立したと考えられている。
何もない状態(「混沌」)から世界が生まれ、ゼウスが神々と人間を統治するようになった経緯や、多くの神々(ゼウス、アポロン、アフロディテ、アテナ、ディオニュソス、ヘルメス、ポセイドンらオリンポス12神など)や英雄(オルフェウス、ヘラクレスなど)が登場して人間のように愛憎劇を繰り広げる展開などは、日本の記紀神話にも相通ずるところが少なくなく、世界各地に伝わる神話の成り立ちの関連性にも興味が湧く。
また、ギリシア神話は、古代ギリシアの哲学や思想、ヘレニズム時代の宗教や世界観、キリスト教神学の成立など、多方面に影響を与え、西欧の精神的な柱の一つとなり、中世以後も、ルネサンス期、近世、近代の思想や芸術において、そのインスピレーションの源泉となっていた。
一方、一般的な日本人としては、その神々らの名前は結構頻繁に目や耳にするものの、冗長な「ギリシア神話」本体を手に取るほどではないというのが正直なところであるが、本書は、イラストで神話の大きな筋を追いながら、関連する芸術などを紹介するという仕立てになっている。特に、数十に上る登場人物を相関図にした上で、我々も名前を聞いたことがあるような主要な人物(神・英雄)ごとに説明するという構成は工夫されており、私も、大きな苦労なく読み進めることができた。また、今後も、神々の名前に触れるたびに、本書を参照することになるだろう。
(一般の人が知りたい)ギリシア神話・ギリシアの神々のエッセンスが、読み易くまとまった良書である。
(2020年11月了)