せやま南天のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
切ないけど温かい……。読んで良かったです。
これは子どもの立場でも、親の立場でも泣いてしまう。
養育里親家族との別れに向き合う日々を描いた作品。里親制度を物語の軸に家族を描きながら、里父が弦楽器職人ということで音楽小説のような側面も感じました。
養子縁組とは異なり、寄託期間が設けられ、実の親の元に戻されることが前提の「養育里親」という制度。驚いたのは、実の親との暮らしが始まれば、里親と会うことはほぼ許可されないという厳しい現実。(許可されるケースもあり)
子どもの立場になってみると、自分では選べない従うしかない大きな環境の変化に無力さを感じるし、歯噛みしたくなる。
理由あって子供を手放し -
Posted by ブクログ
穏やかな内容の本を読めるということは、自分の心の状態が穏やかだということ。
自分の苦手分野を主題とした内容の本を読めるということは、苦手を克服したいという願望が芽生えてきているということ。
今、このタイミングでこの本に出会えてよかった。
主人公は、商社の激務で身体を壊して退職し、家事代行サービスで働き始めた津麦(つむぎ)。
幼い頃から、毎日取り憑かれたように家事にのめり込む母親に手厳しく教育されてきた影響で、一通りの家事はこなすことができるようになっていた。
彼女が新しく受け持つことになった織野家には、シングルファーザーと、五人の子どもたちがいた。
部屋の床一面は家族全員分の洋服で埋め尽くさ -
Posted by ブクログ
パールマンのパルティータを聴きながら読んだ(第三楽章は演奏したことあり)
養育里親という制度で家族になった3人。家族で居られる時間は最初から決められていて、実親の元に帰ると、里親とはもう一生会えないそうだ。
なんて残酷な制度なのだろう。拓実が、自分の気持ちを抑えて、実母の気持ちを優先して行動しているのが、本当にかわいそうだった。里親も、わかっていたこととはいえ別れは辛すぎると思う。会いたい親子は会うし、会わなくても良い親子は会わないしという選択肢にはできないのだろうか。
拓実には、少しずつ実のお母さんと仲良くなって、バイオリンも続けて、幸せになってほしい。 -
Posted by ブクログ
タイトルと表紙でジャケ借り。
家事代行の津麦と、シングルファーザーの朔也と5人の子どもたちのお話。パパ一人で5人の子ども……もう大変どころの騒ぎではない。
家事が崩壊してしまっている織野家だが、読んでいて辛くなるほどパパが頑張るし、気を張っている。頑張るけれどこぼれ落ちた家事が、海のように大きくなってしまっている。
家事とは何なのか。生活とは、生きることとは?
みんな完璧にやっていると思うかもしれないけれど、意外とそんなことはないのかも。
毎日、仕事に家事に育児に追われていて、あれもこれも頑張らなきゃ、と思っていたけれど、少し肩の力を抜いて、できる範囲でほどほどに頑張ればいいんじゃないかな