せやま南天のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
穏やかな内容の本を読めるということは、自分の心の状態が穏やかだということ。
自分の苦手分野を主題とした内容の本を読めるということは、苦手を克服したいという願望が芽生えてきているということ。
今、このタイミングでこの本に出会えてよかった。
主人公は、商社の激務で身体を壊して退職し、家事代行サービスで働き始めた津麦(つむぎ)。
幼い頃から、毎日取り憑かれたように家事にのめり込む母親に手厳しく教育されてきた影響で、一通りの家事はこなすことができるようになっていた。
彼女が新しく受け持つことになった織野家には、シングルファーザーと、五人の子どもたちがいた。
部屋の床一面は家族全員分の洋服で埋め尽くさ -
Posted by ブクログ
タイトルと表紙でジャケ借り。
家事代行の津麦と、シングルファーザーの朔也と5人の子どもたちのお話。パパ一人で5人の子ども……もう大変どころの騒ぎではない。
家事が崩壊してしまっている織野家だが、読んでいて辛くなるほどパパが頑張るし、気を張っている。頑張るけれどこぼれ落ちた家事が、海のように大きくなってしまっている。
家事とは何なのか。生活とは、生きることとは?
みんな完璧にやっていると思うかもしれないけれど、意外とそんなことはないのかも。
毎日、仕事に家事に育児に追われていて、あれもこれも頑張らなきゃ、と思っていたけれど、少し肩の力を抜いて、できる範囲でほどほどに頑張ればいいんじゃないかな -
Posted by ブクログ
商社を辞めて家事代行を始めた津麦。
新しい依頼人は子ども5人とシングルファーザーの織野家。
部屋の中は洗濯物がところ狭しと広げられていて海のよう。台所も汚れてはいるが食事は作っているようで、冷蔵庫には新鮮な食材が入っている。朔也は出身地がキャベツの産地らしく特にキャベツが好きらしい。
この織野家と関わることで自分が何を追い求めていて、何をしたいのかを見つけていく津麦。そして同じように頑張りすぎている織野家のシングルファーザーの朔也にも頑張りすぎないことを気付かせる。
津麦は母を、朔也は亡き妻を追いかけ疲れ切ってしまう。
誰しも、同じようにはいかない。目指すものはあったとしても、手を抜きつつやる -
Posted by ブクログ
永井津麦は父が税理士事務所を営んでいて、母芳江も彼女が父と働くと思っていたが、意外にも商社に就職した.しかし過労で商社をやめた津麦が家事代行の派遣会社社員として織野家で奮闘することになり、家庭の中は千差万別であることの実態が面白おかしく表現されており、非常に楽しく読めた.織野朔也は妻が亡くなり、5人の子供がおり、家の中はごちゃ混ぜ状態.夕食を作る材料は冷蔵庫にあり、何故がキャベツがいつも鎮座している.家の状況を会社の安冨に報告し、的確な指示を受けながら次第に家族に入り込む津麦.津麦をカジダイと呼んでいた朔也とも心が通うようになり、キャベツたっぷりのサンドイッチ持参のピクニック.最後に百個の餃子
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Posted by ブクログ
装丁の色合いやデザインに惹かれて購入。
そこまで長くないのでサラッと読めた。
家事はこうあるべき、と決まっていないからこそ難しい。毎日継続してやらなきゃいけないものだし・・・自分でできる、やりやすいやり方を見つけたい。
家事代行サービスで働く主人公の視点からの物語で、考え方など面白かった。
料理が美味しそうで、作る過程の描写なども大好きなので幸せ。
子どもたちの性格が良すぎるというか、そんなにうまく打ち解けられないのでは?とちょっと違和感を感じてしまったり、主人公の母親の気持ちなどがいまいち明かされなかったり気になる点があったので⭐︎4にします。 -
Posted by ブクログ
読み進めていくと、タイトルのクリームイエローの海の意味になるほど〜!と納得。表現の仕方が好きだなぁと思った。
家って、そこで過ごす人にとって、
心地よくて心休まるあたたかい居場所じゃなくちゃいけなくて。
そのために家事ってあるけれど、家事は誰に褒められることも、感謝されることもないし、終わりもなくて。
だけど、一つ一つの積み重ね、たった一度では無理でも、諦めて終わらせてしまわなければ、少しずつ変化が起こる。
『家事はたった一度で、人の価値観を変えてしまうような、劇的なものではない』
この作中の言葉。マイナスな意味ではなくて、むしろプラスに捉えて、今日はこれくらいでいいか!って気持ちで