麻根重次のレビュー一覧

  • 赤の女王の殺人

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    初読みの麻根重次さん。本作で島田荘司選第16回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞されている。最近流行りの伏線回収して騙されるタイプ。舞台は長野県で、物語に関係ない部分でも折々にその美しいであろう情景が描かれているのに好感を抱いた。市役所の市民相談室勤務の六原あずさが相談を受けた家まで赴くと、そこで転落死と遭遇する。夫は刑事の具樹。その捜査をすることになる。その後納骨室に現れた骨壺、高齢者を狙ったストーカー、ドローンの騒音問題などなど市民の相談は後を絶たない。そして意外な安楽椅子探偵ものでもあった。

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    2024年05月21日
  • 千年のフーダニット

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    若くして妻を喪い失意に沈むクランは、人類初の冷凍睡眠(コールドスリープ)実験に参加する。さまざまな事情を抱えた男女7名は「テグミネ」という殻状の装置で永きにわたる眠りについた。そして、1000年後。目覚めたクランたちはテグミネのなかでミイラと化した仲間の他殺体を発見する。犯人は誰なのか。設定は面白いのですが、期待しすぎたのが良くなかったのかも。著者さんのデビュー作とのことなので、次作に期待したいと思います。

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    2025年11月26日
  • 千年のフーダニット

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    ネタバレ

    しょうがないんだけども世界観が7SEEDSと比べてしまって題材が活かせてないような感じがした。
    謎部分はちょっとずつわかっていくのが面白かったけど、最後の会わせないってのは傲慢だよね。神様気取りじゃんって思っちゃった。

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    2025年11月13日
  • 千年のフーダニット

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    ネタバレ

    ある日、クランは1000年の眠りから目覚めた。そしてそこには仲間の一人の遺体と、身元の知れない少年の遺体が…果たして誰が彼を殺したのか?そして1000年後の世界はいったいどうなっているのか。

    1000年をまたいだ壮大なSFミステリー。コールドスリープの技術やそれこそ1000年後の世界がどうなっているかなんて想像もつかないから、この距離感で生存者の集落があるなら案外世界にはもっといそうだなと思ったり、一旦リセットされたとはいえ生き残りがいる以上は技術がそんなに死滅するのか?とかいろいろ世界自体には気になることあるけど過去と現在の展開は面白かった。とはいえ、読者には分かるけど登場人物たち自身に謎

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    2025年11月02日
  • 千年のフーダニット

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    ネタバレ

    物語の2/3ほどは秘境冒険小説+プチミステリみたいな感じでワクワクしながら楽しく読んでいたが、研究所が千年間コールドスリープさせる理由が脆弱(なぜ千年?)だったり、千年後の世界が想像を超えるものでなかったりと節々に安っぽさはあった。ホワイに関してもたっぷりページを割いて、背景を掘り下げ、犯人の執念と狂気に説得力を持たせていたら…と惜しく思う。しかしながら、真相自体は紛れもなく一級品で、非常に優れた密室ミステリ。もし某1990年代の作品を読んでいなかったら凄まじい衝撃を受けて、さらに高い点数をつけていたと思う。この設定でクローンを使わなかったことも素晴らしい。
    疫病神ながら予想しておくと、今年の

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    2025年09月27日
  • 千年のフーダニット

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    物語が頭にスッと入ってこなくて結構辛い時間多かった。
    展開がなかなか遅くて、ラストもイマイチ、、映画とかになったら面白かったのかも知れないけど、文字としては微妙なところだった。

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    2025年08月10日
  • 千年のフーダニット

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    1000年後の未来での密室殺人なんて
    設定そのものは壮大で興味津々だったけれど
    物語は小さく
    まとまりすぎてしまっていたように感じた。
    真犯人は現在の世界の状況を知っていながら
    なぜ、そこまでしなければならなかったのか?
    それから何をしようとしていたのか?
    動機、目的、意味、展望が曖昧で
    説得力に欠けていた。
    なにかの拍子とか、たまたまとかも多すぎるし
    そしてなにより
    この肝心のトリックの方法がとれるような
    真犯人の人格なりについて
    もっと言及する必要があると思った。

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    2025年07月28日
  • 赤の女王の殺人

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    ネタバレ

    千年のフーダニットが非常に面白かったのでこちらもと思ったが、フーダニットに比べてこちらは非常に現実的。
    ものすごく面白いわけではないが、かと言って退屈なわけでもなく、ともすれば自分の家庭にも起こるかもしれない事件が起きていてそういう意味では先が気になってどんどん読めてしまう。
    トリックは冒頭で予想した通りで、やっぱりなという感じだったが、それでガッカリというわけでもなくむしろ明日は我が身と感じたことに対して慄いた。
    タイトルの意味はラストでわかり、日常を平凡に生きていくのにも歩み続ける努力が必要というのも確かにその通りだが少々こじつけのような気もする。装丁が素晴らしいだけに勿体無いというか、装

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    2025年07月22日
  • 千年のフーダニット

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    ネタバレ

    なんだこの設定!ってところからワクワクして読み始めたが、彼らと同じく…思っていたのと違うというか、うーんと思ってしまう展開。
    マルコの一件は良かったかな。
    なんとなく消化不良ではある。

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    2025年06月05日
  • 千年のフーダニット

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    ネタバレ

    千年後の未来,コールドスリープから覚めたら,そこには一人目覚めない死体があった.SFとミステリーの両方から楽しめるが,アダムになりたかった男の妄執狂気,怖すぎる.
    実際問題として,そんなに男の遺伝子情報だけが反映されるのってあるのかなぁ.美女の遺伝子はどこに消えたの?

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    2025年04月20日
  • 千年のフーダニット

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    ネタバレ

    とにかく、こんな千年後の世界なんてまっぴらです。老若男女同じ顔の種族マクノアー、会いたくない。シモンの顔の遺伝子って、どんだけ強力なのよ。母なる絶世の美女イリヤの遺伝子かまったく働かなかったとは、トホホというかあんまりですわ。フーダニットってWho done itですか。なるほど。この小説はHow done itでもあってWhy done itでもあるのね。断章を読むうち次第に真相が知れてくるけど、結局シモンは殺されたとはいえ遥花との子孫を遺すという最大のミッションを遂行したんだ。なんとも悔しいじゃない。

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    2025年04月20日
  • 千年のフーダニット

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    ネタバレ

    千年のコールドスリープから目覚めてみたら仲間のうちの一人が他殺体となっていた。

    なんか・・・一応ミステリでもって特殊設定のそれだと思うんですが、どちらかというと千年後の世界のサバイバル的なもののほうが興味深くて・・・いやしかし千年は設定にしても長すぎじゃないですかね。さすがにちょっと想像つかない。なんか結構遺構みたいなものが残ってるけどそんなに残るものなんだろうか?1000年だよ?1000年。だって今から1000年前のものが(手を加えてない状態で)どれだけ残ってるんだろう?いやでもそんんなもんなのか?やっぱり想像つかないなあ。

    そして殺人の真相なんですが・・・うーん・・・そこまでして自分が

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    2025年03月18日
  • 赤の女王の殺人

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    ネタバレ

    松本市役所の市民相談室に勤務する六原あずさと刑事である夫の具樹の視点で語られる。

    多重解決もので、次々と辻褄が合いそうな推理が出てくる。伏線が張り巡らされ、ミスリードに使用するものも含めて回収されている労作の印象。

    ただ、残念ながら、主役の二人に思い入れがもてなかった。悪いわけではないので、好みの問題かな。上司もセクハラ探偵ものになるかと思えるほどのキャラではなかったし。

    それから、初めの事件は真相に辿り着かないようにがんばって引っ張り回した感は拭えなかった。「密室殺人」じゃないよね、というのはすぐ思いつくことなのにあまり触れられていなかったから。
    ドローンのミスリードも丁寧すぎる伏線の

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    2025年02月24日
  • 赤の女王の殺人

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    話としてはまぁそうだろうなという人が
    犯人だし、最初の謎解きの人も
    まぁそうでしょうね、という感じだったが
    中信と南信と違いはあれど
    はぁるかぶり、とか、ずく、とか
    懐かしい方言満載でついつい甘く読んだ。
    松本はいつもごちゃごちゃしていてイマイチだけど、安曇野辺りは本当に綺麗だし
    5月の信州という舞台だけで満足。
    信州人の郷土愛のくだり、笑った。
    私も長野県が好きだ!

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    2025年02月18日
  • 赤の女王の殺人

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    松本市役所に勤めるあずさのところに寄せられた相談事から端を発した密室からの転落事件。夫で刑事の具樹も事件の捜査にあたるが、、、

    市役所の窓口相談がリアリティあった。そして展開もとても面白かった!!土地勘あるともっと面白そう。

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    2024年11月28日
  • 赤の女王の殺人

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    作者が松本市在住、そしておそらく市役所職人だろうから、そこらの描写が詳しい。松本市を舞台にした本格作品は以前も読んだことがあるが背景としては雰囲気がいい。

    ただ、本格モノとしては話が長い。最初に事件はあるもののその後の事件(謎?)は小粒で謎解きも無理がある。途中の謎解きも最初から無理があってミスリーディングになっていない。

    丁寧ではあるが無駄な描写も長く、犯人にもさほど意外性がなく、このページ数が必要だったとは思えない。

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    2024年08月17日
  • 赤の女王の殺人

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    第16回
    ばらのまち福山ミステリー文学 新人賞受賞

    市役所に勤める六原あずさと
    刑事で夫の六原具樹を軸にして、
    一つの事件の謎を解いていくミステリー。

    二人が別々に関わっていたはずの案件が、
    徐々に縒り合わさって行って、見事に
    一つに繋がるところが爽快でした。

    市役所の相談室に日々寄せられる
    様々な市民の困りごとと、犯罪が絡んで
    警察が捜査する事件が、実は同じ場所に
    帰結しているところが練られていて面白かった。

    登場人物のあずさが呟く、
    〜平穏な日常を続けるためには努力が必要〜
    という言葉には、常に当たり前に在るように
    見えている事柄は一人ひとりの努力の上に
    成り立っている、そんな

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    2024年08月17日
  • 赤の女王の殺人

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    読みやすかった。連作短編集かと思ったら、長編だった。
    密室で何者かに襲われた末の転落死
    増える骨壷
    おじいさんばかりを狙うストーカー
    バラバラに見える事件が一つにつながるところが良かった。意外性が感じられたらもっと良かったと思う。

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    2024年07月11日
  • 赤の女王の殺人

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    「ナツミ」という人物におびえ、目の前で転落死した女性。しかしその部屋は密室。「ナツミ」は一体どこに消えたのか?そして彼女をどうやって殺したのか?

    おもしろかったです。「ナツミ」うんぬんはそれほどキレがある感じもしなかったんですが、家の墓に見知らぬ骨壺が増えて・・のあたりはなんとも魅力的なミステリだなあ、と。
    まあいまいち動機に納得いかない点があったりタイトルの「赤の女王」のくだりもそれほどピンとこなかったりもしましたが、こう、受賞作らしい粗削りな面白さはあったように思います。

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    2024年06月11日
  • 赤の女王の殺人

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    ネタバレ

    「赤の女王」とは、犯人のことであり、具樹やあずさのことであり、私のことである。(遠い目)

    ※ ※ ※

    この物語の面白いところに「しばらく探偵役がはっきりしない」というところがあったと思う。だから、キャラとしてたっているセクハラ公務員が推理を始めたときには、まさか、と思うのだけど、やはりそこは、現場感覚がないためか、見事に外してしまう。さらに、市役所に勤めているからこそ気付けるポイントも、刑事に持って行かれているのは、セクハラ発言のバチが当たったのではないかという気さえする。

    一見無関係な事件が繋がってくるところはスッキリして、最後まで疑問を残さないスタイルは非常に好みだった。(ただ「悪臭

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    2024年06月06日