間宮改衣のレビュー一覧

  • ここはすべての夜明けまえ

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    悲しく美しく静かな物語。
    ディストピア小説であり、SFであるんだけど、人が生きて幸せに感じることってなんだろうなあと思ったり、とんでもなく醜悪な人間も、人工知能と繋がったとても正しい人間も、ひとしく生の営みだなあと思ったりした。
    文章がとんでもなくきれいで、はっとする表現があって、こういう小説って…なんだろう…吟遊詩人が唄ってるような、物語を読むというより聴いてるって感覚が近い気がする。楽しいひと時でした。

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    2026年07月10日
  • ここはすべての夜明けまえ

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    平仮名ばっかりで読みにくそうと思ったのもつかの間、みるみる引き込まれて読み終えてしまった。
    適切かどうかわからないけれど、「きれい」な物語だと思ってしまった。

    主人公がしんちゃんのことを愛していなかったと語るシーンはとても切ない。
    以下引用
    陽葵さんがシンちゃんに向けていたような感情が、私の中にはなかったんです。陽葵からシンちゃんと何度もセックスしてました、って聞いたときに辛くなかったのも傷つかなかったのも、そもそも私がシンちゃんをそういう意味で愛していなかったから。シンちゃんが泣きながらすがってくる姿を見たとき、何も感じなかったんです。でもそれは全部私がした、させたことの結果でした。わたし

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    2026年06月21日
  • ここはすべての夜明けまえ

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    面白い、SFだけど、1人の女の子のSF、歪んだ愛情に興味をもち、承認欲求に共感。ただのSFじゃなくて、残酷で悲しいけど、人生にも希望がある。少し近未来な、歪な家族に振り回され、振り回した女の子の話。

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    2026年06月20日
  • ここはすべての夜明けまえ

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    2123年。もう誰もいなくなった、そんな日本の山奥で、主人公が「かぞく史」を綴っています。
    父親によって機械との融合手術を受けされられた主人公「わたし」。家族や周りの人は年老いて死んでしまいますが、ずっと若いまま生き続ける未来。
    手術前の主人公の境遇と、手術後の気が遠くなるような感覚。ずっと淡々としていて切なくて、このひらがな多めの文章がその切なさをさらに加速させます。
    昔聞いていたボーカロイド(気になって検索しました!)のエモさを回想するシーンとか痛快な夢とか。この子にこういう思い出があってよかった、としみじみ思うのですが…それも読んでいくと強烈に切ない。
    終盤の主人公の気づきと、ラスト第3

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    2026年05月23日
  • ここはすべての夜明けまえ

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    ネタバレ

    ひらがなだらけだったり幼い子供が書いたような独特な文体で序盤は読むのに苦戦しました。
    しかしその文体から主人公が満足に義務教育を満足に受けられていなかったり、父親からの性、身体、精神などありとあらゆる虐待を受けて本人が子どものまま成長したことなどの劣悪な環境が伺えてとても辛かったです。
    また、家族史なのに父親からの虐待の話はほぼ出てこないところに主人公は消えないけど忘れたい、記録したくない記憶なのだと言うことが鮮明に伝わってきて胸が痛みました。

    また、そう言った過去から自分自身に対してどこか投げやりで無関心なところがあったり、自分の感情に対して鈍感な部分があり、それを終盤になるまで主人公は機

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    2026年04月02日
  • ここはすべての夜明けまえ

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    ネタバレ

    現代の人間が考えられる、ギリギリ無くはなさそうなSFで、いちばんリアルで、いちばん惨いお話。最初はそんな印象だった。
    お父さんは割と最初の方から気持ちの悪い優しさがあって、そこから徐々に現実を確定させていく語りだったけど、シンちゃんの聖人君子さは浮気発覚!ってとこで結構急にひん曲がって面白かった。で、そのまま衝撃の事実!って驚かせで展開が進むんじゃなくて、性的虐待を受けたことによる反動かつ融合手術を受けたことによる効果、全て含めて『新ちゃんを恋人として愛していなかった』というある種冷めた結論のその理路整然とした感じが個人的にはなんかスっと飲み込めてよかった。

    なんだろうね。人って、確かに忘れ

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    2026年03月23日
  • ここはすべての夜明けまえ

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     とあるマンガで、登場人物がこの小説を絶賛しているシーンがあり、購入。独特の読みづらさを1~2ページ感じたが、あっという間に物語にぐいぐい引き込まれた。

     主人公は、家庭内においても自分の出産と共に母が亡くなったことから、兄姉から母が亡くなった原因として嫌われ、父からは母の代わりとして精神的・肉体的搾取を受けている、「わたし」(名前は空白によって非常に可視的に伏せられている。)。胃下垂で食べるものをほとんど吐いてしまうなど健康にも恵まれず、人生の多くを家の中で過ごす。また、希死念慮があるが死ぬことはできず、25歳の時に、身体を改造する「融合手術」を受け、老化しない体となる。その後もほとんどを

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    2026年03月21日
  • ここはすべての夜明けまえ

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    バーナード嬢曰く(施川ユウキ)で図書委員の長谷川さんが激賞していたので購入、そして一気読み。心の傷を消してしまいたいことってあるけれど、本書を読むと消さないこと、消えないことこそ人の生きた証であるような気がした。

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    2026年03月12日
  • ここはすべての夜明けまえ

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    ネタバレ

    あまりにもつらい人生(?)を生きてきた主人公。最後に脳の記録からつらい人生を消去するか記録を改ざんしたほうが、幸せになれるがどうするかと問われたときに、出した彼女の答えがものすごく考えさせられたし、そのページをめくる手が止まらなかった!
    「過去と向き合うことと見つめることは違う」「過去を見つめながら、自分のために自分の人生を生きていく」非常に哲学的でどこまでも人間的な考えだった。忘れたほうが幸せ、だからすべてを消去すべきという超合理的な正論に対して、それは正論かもしれないけど、自分にとって納得解ではない、自分の人生に自由と責任をもつため、どんな辛すぎる過去も引っくるめて最期まで生きていく。そん

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    2026年02月15日
  • ここはすべての夜明けまえ

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    人生で、最も苦しく、痛く、そして美しい物語だった。こんな作品を見るために生まれてきたのかもしれない。人間らしさとは何なのか。人間ではないものになって、そして人間になれた「わたし」が目の当たりにした夜明けまえは、「わたし」だけのもので、きっと世界で1番美しい景色だったのだろうな。
    わたしをすくえるのは、わたししかいなかったからなのです。わたしはわたしのかんがえでうごき、わたしはわたしがみた、きいた、かんじたことでできていて、わたしをかえられるのも、わたししかいないから。

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    2026年01月28日
  • ここはすべての夜明けまえ

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    不思議な世界観。一人称である「私」で話が進んでいき、最後まで名前がでることはない。「適合手術」と言う私の中でのイメージはターミネーターのようになる手術を受けた主人公は体のメンテナンスを忘れなければ死ぬことはない。そんな彼女が見つめてきた、父の死や兄弟の死、恋人の死、そして地球の変化について大きく感情が揺れることなく淡々と書かれている。
    最初はつまらない本だと感じたが、気がついたら先が気になり面白いと思うようになっていた。
    不思議な世界観を味わいたい方にはおすすめの一冊だ。

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    2026年01月20日
  • ここはすべての夜明けまえ

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    ネタバレ

    歪んでしまったもの、壊れてしまったものはやり直せないけど、わたしを救えるのはわたししかいないと思えたことで最後の最後に呪いがひとつ解けた気がして涙が止まらなくなった。
    血とか恋愛感情からうまれる繋がりじゃなくて、彼女はずっと対等で大切にできる友だちがほしかったのかな。
    なぜだかずっと宝石の国のことを思い出しながら読んでた。

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    2026年01月12日
  • 弔いのひ

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    自分も父とは距離感があり、かつ母より父が先に他界したので妙な親近感を覚えながら読んだ。
    文量はそこまで多くはないけれどそこに載っている感情が重いので読み進めるのは大変だったし真っ当にハッピーエンドという訳ではないけれど、不思議と足掻いてみよう周りの人を大切にしよう、とポジティブな気持ちになれた。

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    2025年12月29日
  • ここはすべての夜明けまえ

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    ページ数の短さもあって、夢中になって一気読みした。
    主人公にとって辛いことが、なんだかぼやかされて書かれている気がして、本当に手記っぽいなと思った。
    家族のこと・されたこと・してしまったこと・どうしようもなかったことに対して、最後に決めた結論が、私は好き。

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    2025年09月30日
  • ここはすべての夜明けまえ

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    夜明けまえに読み始めて、一気読みしてしまった!

    あまり好きなモチーフではないが、それでもよかったです(*´∀`*)。一言でいうなら、壮絶な青い鳥…?なかなか感想を言葉にしにくいです。

    主人公のおしゃべりが大好きっていいですよね。特に後半、おしゃべりの非合理的、でもその尊さが浮き彫りになってて、よかったです。

    外国語への翻訳に頭を悩ませそうな独特の文章もよかったです。この技、日本語でしかできないのでは!?

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    『バーナード嬢曰く』の8巻で、長谷川さんがこの本を読んで「人生を変える一冊!」と大絶賛していて、勧めた当の神林が「悪い夢をみているようだ」と言ってたのに妙に納得しました(笑)。

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    2026年07月20日
  • ここはすべての夜明けまえ

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    久々に良いディストピアものを読んだ。
    読み終わったとき、「はぁぁーーー」とため息がでた。
    そんな読後感を味わえる。

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    2026年07月12日
  • ここはすべての夜明けまえ

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    100ページ強にサイボーグ設定に虐待に同性愛にてんこ盛り
    アルジャーノン的に仮名が多い部分があり読みにくいが面白いのは保証できる

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    2026年06月25日
  • 弔いのひ

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    間宮さんの本は紙で欲しいと思ったので紙で購入。帯にあるとおり父親の話だった。これは自伝的小説?なのでしょうか。「コロナ禍だから仕方ない」というのはあの当時よくわたしも言い訳に使っていたから気持ちがよくわかった。でもほんとうに仕方ない部分もあるわけだし…って。
    子どもの目から見た父親と、妻から見た夫、がん患者として集いの中心人物に立つ男、ぜんぶ同じ人間なのに別人に思えるのは当然だよねと思う。人は立場によって顔を使い分けるものだし。父になにもしてあげられなかったという罪悪感を認めることで次に歩き出せるようになったのかな。子どもとしての自分が成仏してからのこの人の書く小説が読んでみたい。
    うつ症状の

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    2026年05月24日
  • 弔いのひ

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    同い年の作家さんなんだよな、私小説なのか創作なのかわからないけど、読んでいて同じ血が通っている気持ちになるんだ…
    新潮で読んだ。文庫本出れば私の本棚に収まるだろう。2回目を読んだら、落ち着いて感想を書きたい。

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    2026年05月18日
  • 弔いのひ

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    ネタバレ

    ひらがなで埋め尽くされた「ここはすべての夜明け前」が衝撃的なSFだったので、次回作はどうなるのかと読んでみたら、まさかの私小説。間宮さんのこの間のしんどさを知ることとなりました。
    書くことだけが楽しかった子供の頃の自分、要領が悪く自分に似てると思ったのにがん患者の会では慕われていた父、高慢ちきな嫌な女と憎んでいたのに話してみたら愛おしく思えた母、最後の最後、なんとか過去の自分に落とし前をつけられたのかな、と思いたい。
    次に間宮さんが何を書いてくれるのか。作品紹介にあるように、この作品が「跳躍作」となってくれることを切に願います。

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    2026年05月18日