ダニエル・シモンズのレビュー一覧
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ネタバレ「気づかない」「記憶は不正確」「自信の負の面」「勘違いの因果関係」。人間の知覚、記憶、対応する行動は間違いだらけ。誰にでも起こる(気づいてすらいない)前提で考えよう。
・見落とす原因①他に集中する対象がある、原因②普通はそこに無い。
・事実の記憶が、ありたい記憶にすり替わる
・実力が低いほど自信過剰。証人の自信過剰で冤罪も。
・記憶は言語化すると自信は増すが正確性が落ちていく研究。
・相関関係を因果関係と間違える。はしかワクチンと自閉症。科学的な証明より口コミ。ワクチン拒否が増え、流行リスクが高まった。とても危険。
・自己啓発系を信じやすい。モーツアルトで賢く?、科学的に効果なしとされても、信じている人が多い。 -
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文春のこのシリーズはいつも楽しみ。読みごたえがかなりあるのでうれしい。本書は6種の錯覚に関する科学調査のまとめを、日ごろ出くわす状況と絡めて説明する。相関関係は示せても因果関係を示すことにはならない、という記述にはっとする。しばしばやってしまっていた!さらに逆の状況(因果関係まで把握したのに、相関関係にすぎないと結論づけて、別の実験や設計に鞍替えしてしまったり・・・)も発生させている!気づきと修正したい点がたくさん思いつく本。
と思っていることも「錯覚」か?という、典型的落ちで、しめたい。
※参考文献が70pもリストアップされているのもすごい。しかもちゃんと一言コメントがついている(ただの羅列ではない)。 -
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【334冊目】特殊詐欺がこれだけ社会問題になる中で、どうして人はだまされるのか知りたくて読んだ本。洋書の翻訳なのに珍しくスイスイ読めた。
だまされてしまうのは人には認知的なハビットがあるから。4つのハビットは以下のとおり。
①集中…相手は何を隠しているのか
②予測…「期待外れ」を喜べ
③思い込み…判断を後回しにする←要は賢いフリや分かったフリするなってことだと理解しました。
④効率…相手の痛いところを突く←決断のときにもう少し踏み込んで調べたり質問したりすべきってことかと。
詐欺師や政治家やセールストークが利用する4つの認知的なフックがこちら。
①一貫性…この世界は不合理だ←一貫性があるものを好みがちだけど、現実は不合理で、きれいすぎる一貫性は実は何らかの人為的な操作を示すサインの可能性があるってことですね。
②親近性…「これ知ってる」を疑え←見たことがあるもの、ちょっと齧ったものを真実や優れたものとみなしてしまいがちな性質。選挙カーが候補者の名前を連呼するのにも意味があるんだなあ。
③正確性…"数字"の落とし穴←具体的な説明がその物語を信ぴょう性高く見せてしまう。
④有効性…「奇跡」と「ドラマ」はない←劇的な有効性を示されると根拠の確認が乏しいまま信じ込んでしまうことがある。
信頼とは思い込みの一形態である、という筆者の主張からは、騙されることをこの世から完全になくすことはできない。認知的バイアスはこの社会で生きていくためにある程度必要なことだから存在している。だから、筆者は、「少し受け入れ、多く確認する」ことを提案している。
その他、本書の中にはだまされないために必要な多くの提案が記載されている。すべてを実践するのは難しくても、読んだことがあるかないかだけで今後の行動は変わるかもしれない。
個人的には、自分が選んだトランプのカードが実際になくなるトリックに驚いた… -
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クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ『錯覚の科学』文春文庫。
2017年本屋大賞の発掘部門で『超発掘本!』に選ばれた、なかなか興味深い内容のノンフィクションだった。人間の視覚や知覚、記憶の限界と不確かさを様々な事例を使って解説している。事例の多くは錯覚による人間の過ちの怖さを伝えるもので、共感出来る内容だった。
冒頭で紹介されていたバスケットボールの実験のビデオをYouTubeで観たが、ゴリラは簡単に判別出来た。しかし、予めゴリラの登場を知っていたから判別出来ただけなのかも知れない。
人間の脳は保有する能力の僅かしか使われていないという。世の中に溢れ続ける膨大な情報の洪水が人間の脳の処理能力の限界を超え、我々を錯覚という罠に落としめているのだろう。 -
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実際に人間が「見た」事象と、脳が「見たと思った」像にはずれがある(視覚の錯覚)、事実と人間が記憶している内容との間にはずれがある(記憶の錯覚)、自分が実際に理解できている内容と「自分で理解できていると思っている」内容との間にはずれがある(記憶の錯覚)、人間は物事に因果関係を見つけたがる傾向がある(原因の錯覚)など、脳が周囲の状況をいかに認知するのかというプロセスにどのような「ずれ」があるのかということを主に6つの「錯覚」に分類して解説します。昨今の「脳トレ」ブームや、モーツァルトを妊婦が聴いたら子供の知能が高まるなどの通説が実は脳機能の発達にほとんど寄与していないなど、心理学や脳科学分野を扱ったバラエティー番組の内容がほとんど科学的根拠に乏しい通説であるかを指摘する痛快な科学的読み物です。特に「相関関係と因果関係との違い」についての章は理系の学生さんや、技術者の方には是非、読んでいただきたいと思います。
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錯覚という現象に焦点をあてた一冊。
目の錯覚という馴染み深いものから、記憶の錯覚、認識の錯覚というあまり馴染みのないものも紹介されている。
錯覚とは、注意深く物語を認識していれば防ぐことができると考えているのならば、一読の価値がある。
過去に行われた実験から、人間の記憶、認識はかなり曖昧であるということがわかる。
一方でこのような科学的事実、つまりいくら注意を向けても錯覚という現象は不可避であるという事を知った場合に我々にできることは何か?
それは、いついかなる時でも人は錯覚に陥るということを理解し、知っておくことが重要なのであろと思う。
意思決定が必要な場合、すぐに過去の事実から決めるのではなく、過去の事実を錯覚していないかをよく検討してみることが重要である。
余談であるが、上記のように過去の事例、経験を踏まえれば正解率が上昇するようなケース(つまり論理的な推論により正解に到達できるようなケース)では錯覚を排除するため、検討する時間をとると良い結果になりやすく、逆に得られり情報が限定的な場合(つまり論理的な思考を必要しない、もしくはそれが無意味な場合-例えば、ワインのテイスティングで高価なものを当てるという「味」以外の情報が取得できない場合-)は即決するほうが良い結果を得られる可能性が高いようである。
このように、錯覚という事象を受け入れること、そしてそれをうまく利用する方法を知っているのと、知らないのとでは大きく結果が異なる可能性が高い。
一読の価値あり。