犬怪寅日子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ある朝、羊になった男主人が寝室で発見されたところから始まる。その羊の肉を残された一族の者たちにふるまうため、儀式の準備を進めるアンドロイドの一人称視点の物語。
先に言っておくと、なぜこの一族が羊になるのか、なぜその肉を食べなければならないのかをアンドロイドは説明してくれない。羊に変わる一族の人たちもそれぞれ抱えているものはあるが、その心情を推し量ることもしない。それでも、アンドロイドが愛情深くこの一族に寄り添おうとする姿が心を打つ。
シームレスな時系列の切り替えや文体は人を選ぶかもしれないが、アンドロイドから見るこの一族はこうも幻想的で耽美に映るのかと思うと面白い。語られないことによる想像の余 -
Posted by ブクログ
ネタバレXで見かけて、好きな感じだろうな…で読み始めましたがドンピシャ。好みの世界観!!
You、あくまでも式のための機械かと思いきや、この一族の精神安定剤みたいにもなってるのかな。皆さん呼び方が違うのもいい。
一体桃子は何歳なんだ……トロッコに乗れるしぬいぐるみぶん回してるけど、幼女の言葉遣いと気遣いではない。一族、皆さん微妙に年齢がわからない
文体が読みづらいのもわかります、地の文が尊敬語というのは初めてと思うけど思いの外読みづらいんだな。わからない言葉遣いではないので慣れるのに時間がかかりました。
宮木あや子「太陽の庭」と綾辻行人「暗黒館の殺人」を連想してしまいました。違うけど。
ラムとマト -
Posted by ブクログ
一族の男はある時羊へと姿を変え、残された一族の人間はその羊を食べる。主人公はその羊を捌き料理するアンドロイド。
と、なんだかさっぱりわからないことを読みながら理解、儀式的な羊の解体シーンへと繋がる。
アンドロイドを通して見る世界を見ているので、表現が回りくどかったり意味がわからなかったりするけれど、世界をこのように見ている人がいるのかと離れて見ると、一族が関わるものは美しく、関わらないものには興味がないのだとわかる。
一族に継承、アンドロイドに生まれ変わりの役割をそれぞれ交換して何かを生み出そうとしているのか?と考えたけれど、一族を一つの家族として存続させるための役割として羊とアンドロイドがあ -
Posted by ブクログ
男性が死に至る時に羊になってしまう、そしてその羊を家族で食す…という儀式を脈々と行う一族の人物史を、家に仕えるアンドロイドの目線で描いた小説。
アンドロイド視点の語り口調だからか、地の文も不思議で不安定な文体で、幻想文学が好きな人は好きなんじゃないかなと思った。私は好きです。
どこまでが回想でどこまでが今のことなのか混同するような書かれ方を度々するけれど、彼女の視点で、思考で出力されたものをそのまま見せてもらっているような体験で面白かった。
とはいえ全部を理解できたとは思えないし、家系図を何回見に行ったかも分からない。
男性だけが羊になること、は一体どういうことを伝えたくてできた世界設定な