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男性が死の間際に「御羊」に変身する一族に仕える「わたくし」はその肉を捌き血族に食べさせることを生業とするアンドロイド。ついに大旦那が御羊になったある日、「わたくし」は儀式の準備を進めるが、一族の者たちは「御羊」に対して複雑な思いを抱いていた 第12回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作
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Posted by ブクログ
まさに文体を楽しむ小説、とても面白かった。 SF×純文学という感じで新鮮、両者のいいところをうまく合わせた感じ。物語の設定が明示的に説明されるわけでなく、文章で世界観を構築しているのが凄い。 文章を読んでるだけで面白い稀有な一冊 内容とは関係ないが、コンテストの講評が巻末に載ってるが、鶴の一声で...続きを読む大賞が決まったような雰囲気を感じてウームという気持ち。
近未来なのかは分からないけれど、SF枠を更に作りたくなくて、の分類。 命が命を繋いでいく物語。 そして命ではないものが繋いで生き続ける物語。 うつくしいことばはうつろいゆくようで、 すこしまろく、まどろっこしく、幼いような真摯さで、 結晶のようにくるくると愛を躍らせていた『私』の言葉たち。 夜を跨い...続きを読むでそれでも積もっていく愛情の蜜が、 いつかあなたを壊してしまいますように。 愛するひとたちと果てをみますように。 とても好きな本になりました。 ありがとう。
「何故そうなのか」についてはわからないのに「そうである」ということが静謐かつときにユーモアを感じさせる不思議な文体で綴られている。終わる命と終わらない命の対比、一族を縛る呪いと長い時の流れの中での連なりが繊細なレース編みのよう描かれた美しい物語。
そもそも主人公のアンドロイドはなぜ少女の姿をしているのか。羊を捌くなんて大仕事のためなら大人の形のほうがいいはず。 彼女が仕える一族も、広い敷地と大きな屋敷と相当な財産があることはわかるが具体的な生業はわからない。 ただ一族それぞれの衣装、食べるもの、好きなことなどは細かく描写されている。 面白かっ...続きを読むたという一言では片付けられない複雑さ。
一族の男はある時羊へと姿を変え、残された一族の人間はその羊を食べる。主人公はその羊を捌き料理するアンドロイド。 と、なんだかさっぱりわからないことを読みながら理解、儀式的な羊の解体シーンへと繋がる。 アンドロイドを通して見る世界を見ているので、表現が回りくどかったり意味がわからなかったりするけれど、...続きを読む世界をこのように見ている人がいるのかと離れて見ると、一族が関わるものは美しく、関わらないものには興味がないのだとわかる。 一族に継承、アンドロイドに生まれ変わりの役割をそれぞれ交換して何かを生み出そうとしているのか?と考えたけれど、一族を一つの家族として存続させるための役割として羊とアンドロイドがあるのではと考える。多分羊に変わり始めたのも一族始まってからではないと思うし。 不思議な世界に少しだけ浸るために。
死ぬ間際の男性が御羊になる一族。残された家族たちはその肉を食べる 意味が分からないけど分からないなりに読む 何代にもわたり一族を助け見守るアンドロイドの目から語られる家族は、飄々としているようで生きることの悲しさを内包しているようにも見える 嫁姑関係で生を輝かせる女性たちが良かった
表紙に惹かれて、以前から気になっていた本でした。 この物語は、ある一族に仕えるアンドロイドの視点で語られていきます。直系の男性は死ぬと御羊になる一族。そして、その肉を食べるそう。更に、登場する一族は皆、かなり特徴的。謎な部分が多々あるものの、それらの謎はほとんど置いてけぼりです。でも、アンドロイド視...続きを読む点だし仕方ないかな、と思えました。 かなり不思議な作品です。もう少し、この一族の謎について教えてもらえたらな、と思わなくもないですが、終始徹底した曖昧な世界観に好感を持ちました。好みは分かれそうです。
ジャケ買い。 ジャケットとタイトルの時点でわけわかんなそうだなと予感。 で、最初の数頁で「あ、読むの大変なやつだ」と確信。 けど、とっつきづらいのは間違いなかったが、意外と最後まで引っかかることなく読み切れたことに驚いた。 何よりこのような独特な世界観で文学的表現が散りばめられた中で、ラストは「あ...続きを読むあ!」と感嘆と感動があるほどだった。 次作者買いをするかはわからないけど、こういう出会いがあるから本屋は面白い。
ハヤカワSF大賞受賞作ということで気になって読むことに。閉塞感のある一族。外へ逃げることが幸福と言い切れるのかはわからないけどそれでも救われて欲しいと願う気持ちはわからないでもない。 正直、読みにくいというかなぜか眠くなるので読み終えるのに時間がかかってしまいました。幻想小説?という感じで設定はもち...続きを読むろん作り込まれてるしアンドロイドと閉塞感とジェンダー感と羊と、好きな要素ばかりなのに。雰囲気が好きなのでこの方の他の作品も読んでみたいと思いますね。
ぶっ飛んだ設定と独特すぎる文体の第12回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作。 ボリュームの割に読むのに時間がかかったのは、この文体のせいである。 好みがはっきりと分かれる作品ではあるけど、私は比較的好きだった。 ラストはなんだか切ない気持ちになった。
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