武内昌美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いつの間にか、教育虐待をする母になってしまう主人公に共感しかない...。きっと最初はそんな事なかったはず。あっという間に。
子供の英語塾の先生が
保護者は、自分の成功体験を子供に強いる傾向がありますから、口を出さないように
と言ってた事を思い出す。
我が子のためなんて言葉は 呪いに過ぎず
私が主人公とは違うなど 胸を張って なぜ言える? 逆。 絶対に同じ部類に入るはず。
中学受験は本人が望まず回避するけど
高校受験は必ず来る。
その時、この本をお守りにしよう。
親の思い通りに動かない我が子を持って
私は、実はラッキーなのかもしれないと
心底思った。 -
Posted by ブクログ
憧れのママ友にすすめられて娘の菜摘を中学受験の塾に入れた良子。
できない子だと思っていた娘が塾の先生たちに十年に一度の才能の持ち主だと目をかけられ、「本当の力」を出し始める。出し始めたと思ったら、トップクラスのトップを狙うまでに時間はかからなかった。
憧れのママ友に敵視され無視される良子。
今までアドバイスをくれ、良好に付き合えたのは、相手にとって下に見られていたからだと気づく。
娘たちも母親の影響を受けないわけもなく、幼稚園時代からの仲良しがライバル、敵であるかのように、会話もできなくなってしまう。
菜摘はどんどん成績を伸ばし、良子はそれを娘のために支える。
が、いつの間にか、そしてあっ -
Posted by ブクログ
ネタバレオーディブルで聞いたがなかなか重いというかキツい作品だった。母親の視点で話が進むのでその狂気がいっそう強く感じられる。後半、自分の過ちに気付いてから、それでも塾をやめさせなかった時点で結局、母親は自分のことしか考えてなかったんだと思う。ラストの「私が死んだらなつみを殺人犯にしてしまう」というその想いさえ、「私が殺人犯の母親になってしまう」の間違いだろ?と邪推してしまうほどに…。ぬるい受験しか経験しなかった私は「こんな母親おらんやろ…」とちょっと前なら思ったかも知れないが、ノンフィクション『母という呪縛 娘という牢獄』や教育虐待に関する本を読む限り、本書に登場するような母親は存在するのだと思う。