山本冴里のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
日本語教師になることに興味があって、この本に辿り着きました。
面白い。想像以上に面白いと一気読み。
それぞれの国に、それぞれの言葉があること、それはその国の文化でもあり、その国が成り立ってきた歴史でもある。そこに国民性が現れる。
愛を伝える言葉で、プロポーズに日本では『同じ墓に入って』日本では当たり前に受け取られるだろうけど、他の国人からは、奇妙だったり、ありえない驚きの表現となる。
私たちが普通に使っている言葉だけど、やっぱり言葉は文化。
世界の色々な場所に訪れ、そこの文化に触れ、その国の言語を知る。こんな経験をしている筆者が羨ましいなぁ。
英語だけでいいいじゃん!って
違う違う、全然違う -
Posted by ブクログ
本書は、二つの異なる授業実践を通して、「自分にとっての新たな言語をどのように学ぶべきか」を具体的に示してくれる一冊である。
第一部では、複数の言語学習者に共通する課題が提示され、自律的に学ぶための授業実践が紹介される。課題の配置はよく練られており、8週間という限られた期間で集中的に取り組むべき事項が効果的に組み込まれている。
第二部では、その学びを下支えするように、学習者自身が言語の規則を発見していく形式の授業が紹介される。言語学オリンピックを思わせるような内容で、言葉の仕組みに気づく力を育てる手法として非常に興味深い。
第三部では、著者が出会った具体的なエピソードがいくつか紹介され、そこで -
Posted by ブクログ
ネタバレ副題的に添えられた「日本語教師の旅と記憶」に惹かれて読んでみたもの。
前半、日本語教師として接してきた外国人とのやりとりが面白おかしく描かれている。10年以上前だが、漫画であった『日本人の知らない日本語』(2009)を彷彿させる。
「ニコラ」という自分の名前に「笑良」と当て字をしたり、勝手に「眠気覚ました」と動詞化するなど、
「ちょっと日本語母語話者(ネイティブスピーカー)には考えられないルール破り」
と著者も記すように、まさに、”日本人の知らない日本語“のオンパレードだ。
本書は、「ぜんぶ英語でいいじゃない」という乱暴な意見への積年の反論であり、複言語能力の意義を訴え続けて -
Posted by ブクログ
作者の言葉への興味や熱意が伝わってくるエッセイ。亡くなった妻の最期の言葉を知りたいと日本語を学び始めたおじいさんの話が印象的だった。
21歳、友人との中国旅行。初日に腹痛で昏睡したにも関わらず、友人と別れてまでも奥地を目指す作者の強さには驚いたが
「新たな言語やその言語が使われている文化と、いちど本式に関係を結んでしまったら、もうその後の人生は、無関係では過ぎていかない。」
という言葉はよくわかる。人や本に置き換えたらよりよくわかる。三章で出てきたソリダーノッシュや秘密警察の意味がきちんと理解できなかったから、私はいつかふとした時にドイツの本を手に取ると思う。日本語で言えば「縁がある」だ