斎藤寿葉のレビュー一覧
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乙女の本棚シリーズから、エドガー・アラン・ポーさんとまくらくらまさんのコラボ作品『黒猫』です。噂どおりストーリーも怖いけれど、まくらくらまさんのイラストでより一層重厚な恐怖感(なんか、変な言い回しだけれど汗)を味わうことができますよ!
主人公の男性が酒におぼれ、飼っていた黒猫のプルートを残虐極まりない方法で手にかけます。それを悔いて、酒場でみかけた別の黒猫を飼うことになるんですが…。変わらず酒に飲まれ、黒猫を疎ましく思い、そんな男性をみて妻は黒猫をかばおうとします。そんな妻を殺害してしまい…途方にくれた男性が思いついたのは…。
まくらくらまさんのイラストは、本当に美しいんです!!同じ乙女の本棚シリーズの『詩集『山羊の歌』より』で、飾っておきたいと思ったくらいなんです。だけどこの『黒猫』は、飾るのには怖すぎて抵抗を感じます(汗)。乙女の本棚シリーズを読んできて一番怖かったのがこの作品です。私は、乙女じゃないから読めたけれど現役乙女世代がこの作品手にしたら…平常心では居られないかもです。 -
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ネタバレうひゃあ。この世界観にまくらくらま先生の絵はよく似合う!ねこはかわいい。装飾やどす黒いイメージはゴシックホラー。こわい。重苦しい。でもいい。
この作品は過去に読んでいたハズなのだけれど、すっかり忘れていた。
改めて読んだのだが…、
「単なる猫やん」。
我が家の猫(ハチワレ・黒)となんら変わらない。
いや、元野良の我が家衆と比べると、ここまで甘えてくれるのはむしろうらやましい。
うっかりドアを開け忘れたり、自分で変なところにはいりこんでしまって出れなくなった時に「あけろー、だせー」と鳴くのも猫あるあるだ。
変な形の毛色がある猫もみたことがある。ハートはかわいくてバズるが、ほかはどうだろう。
内容は狂気に満ちて、重苦しく、どす黒い。
しかし、猫のシモベから見ると、なんてことない御猫様の行動だ。
月並みな感想だけれど、人間が一番怖い。
猫が不吉だとか、不幸を招いた、ではない。
気まぐれでただ甘えている猫の行動よりも、
アル中、DV気質、動物虐待をする男の思考行動のほうが怖い。当たり前のことなのだが。
そういう間に我が家のハチワレは足元に寝転んでいるのだが、いつみても上からの姿は黒いツチノコである。
アル中になれば、これが恐ろしい妖怪か大蛇の類いに見えるのだろう。
それが狂気の入口か。くわばらくわばら。
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今日はカフカの命日。文学忌になっているのかどうかは知らないが、「カフカ忌」として俳句を詠んでいる方もいらっしゃる。レビューを書いているだけの私は 負けている気がする。
「断食芸人(Ein Hungerkünstler)」はカフカの晩年に書かれた短編で、1922年に発表され、1924年に刊行されているらしい。
断食芸は、人間の生活を根こそぎ放棄する「絶望芸」の極地である。だが、芸人自身はその絶望を自覚していない。ただ「食べたいものがなかった」と淡々と告げるだけだ。ここに、絶望を正面から描かず、逆説的に、あるいは第三者の冷たい視線を通して描くという、カフカ特有の美学が見える。
断食芸の「40日」。それは興行の安全限界として決められた数字でありながら、同時に聖書におけるモーセやキリストの断食を思わせる数字でもあるんですね。偶然の一致なのか、文化の深層なのか、この短編が宗教的寓話のように。
断食芸人に訪れるのは救済ではない。
彼が40日を超えても、そこに啓示も悟りもなく、ただ観客の興味が尽き、興行の幕が下ろされるだけ。
絶望を正面から描くのではなく、第三者の冷ややかな視線を通して描くカフカ。
やがて芸人は忘れられ、檻の中で衰弱死する。
断食芸人は、絶望を美学するカフカ自身の投影
イラスト描いたウミ乃さんのインタビューが
ネットで上がっていたので、そちらも読ませていただく。
何かしらの要望はあったとしても
顔は主人公のみを描くというのは
ウミ乃さんの意思だったみたい
後半になって断食芸人はストーリー上では
どんどん貧相になっていくのですが
そこを逆にして色で表したとか
確かに、どんな芸人であれ
見るにはイケメンのほうが良いとは思うけど
小説とイラストが、共存するということかな
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Posted by ブクログ
断食を芸にしている男の話。
はじめは街の一角で見せ物になることで日銭を稼いでいたが流行りが廃れ、やがてサーカスに所属する。しかし、サーカスにおいても断食芸人に目をとめる客はいなかった。
彼はただ彼自身のために断食をつづけ、周囲からは忘れ去られ、団員がようやく彼の存在に気がついたのち、あっけなく葬られる。彼がいた檻には、猛々しい生命力に満ちた若い虎が新しくいれられる。
結末だけ聞くとバッドエンドのように思われるかもしれないが、私はほとんど後味の悪さを感じなかった。
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「きみはなんてやつだろう」と監督は言った。「だけど、どうして断食するしかないんだ?」
「どうしてかって」断食芸人は少し頭を持ち上げ、まるでキスするかのように唇をすぼめて、一音も聞き漏らされることのないよう監督のすぐ耳元で言った。「口に合う食べ物が見つからなかったからだ。もし見つけていたら、騒ぎ立てたりせず、あんたやほかのみんなみたいに腹いっぱい食っていただろうな」