辻孝宗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「コトバの学びかた」
古文と漢文を、現代文をより正確に読むために、それぞれを文法、語彙、読解に分け、横断的に学習していくというのは、自分の知る限りユニークな視点であったと思う。
昔、林修さんが出演するテレビ番組で、「英語の早期教育は是か非か」について尾木ママと論争していたのを思い出した。彼は早期教育反対派で、日本語は日本人にとっては思考の言語なのだから、それが固まる前に他言語の習得を始めるのはけしからんという論の運びだった。確か。
それに対して尾木ママは、「まあまあそう言わずに」位のスタンスだったと記憶している。
自分は早期教育は「悪くない」と思っている。というのも、自分の経験に照らせば、古文、漢文に限らず英語も含めて、コトバを学ぶことが日本語を理解する助けになっていると感じるからだ。古文も漢文も英語も抽象化すれば同じ「言語」である。前面には出ていないが、英語の学習も現代文の理解に役立つと、辻先生は書いている。
例えば、尊敬語と謙譲語の違いは古文を通じて理解ができたし、英語を通して副詞を学ぶと日本語の「活用のない連用修飾語」という説明も腑に落ちた。
受験生に限らず、読解力を上げたい人、文章を書く人にもお勧めの一冊だと思います。「勉強してる感」を久しぶりに感じた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本書を読み深める中で特に印象に残ったのは、「文章は単なる情報伝達ではなく、問いを立て、考えを深め、意味を紡ぎ出す思考のプロセスである」という点です。問いの4つの型や論理的なつながり、主題の意識、接続詞の使い分けなど豊富な技法は、文章を書く上での骨組みづくりに非常に役立ちます。単に言葉を並べるのではなく、意味のある構造を組み立てていく大切さを強く感じました。
一方で、本書の内容は高度で、特に文章に慣れていない初学者には理解が難しい点があることも認識しました。問い立てや抽象化などの思考法は一度で身につくものではなく、繰り返し試行錯誤しながら徐々に習熟していく必要があります。このため、段階的なサポートや具体的な事例があるとより活用しやすいだろうと感じました。
また、生成AIの活用が進む現代においても、本書で示されたような批判的思考や主体的な問い立てのスキルはますます重要になると思います。AIによる文章生成に頼るだけではなく、AIの出力に疑問を持ち、自分の意図に沿って編集・検証する力がなければ、真に質の高い文章は生まれません。まさに「考え続ける人間」としての成長がこれからの文章作成に不可欠だと改めて感じられました。
私自身、問いの立て方や文章の構造化の理解が深まり、文章作成の苦手意識が少しずつ軽減してきています。今後は本書のメソッドを基に、繰り返し練習を重ねながら批判的な視点を持ち続け、生成AIなどのツールも賢く活用していきたいと考えています。
この本を通じて、文章とは単なる文字の積み重ねではなく、「問い」と「答え」を紡ぐ人間の思考そのものであることを再認識し、AI時代でも人間らしい深い思考とコミュニケーションを大切にしたいと強く感じました。文章を書くことは自分の考えを整理し、他者と深くつながる力の源泉であることを教えてくれる一冊でした。