木下龍也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
現代短歌を、詠みたい/読みたい、と思ってる方におすすめ!
あるテーマを決めて短歌を募集し、その中から、歌人・木下龍也さんが「すごい」と思った短歌を講評。
木下龍也さんも同テーマで短歌を制作。
短歌を思いついたきっかけから、何度も推敲した短歌とその過程を惜しげもなく開陳。
詠む者/読む者としては、たいへんありがたい書物。
読者投稿の短歌の講評は、ときに1ページまるまる使っていることもあり、読み応えがある。講評された方も嬉しいだろうなと思う。
短歌の読み方がわからない、という方も、木下さんの補助線に従って読み進めれば、よさがわかってくるかもしれない。
推敲過程は、ふだん人目にさらされないものだ -
Posted by ブクログ
ネタバレ短歌で紡がれたラブストーリー。。。
と思ったらラブミステリー?はたまたラブサスペンスか??
木下さんと鈴木さんに、してやられた感じだ。
海辺で花火、仕事で会えなかったクリスマス、同棲の準備……。
お二人によって紡がれていくことで、恋愛小説を読んでいるかのよう。
でも、そこは短歌。
五七五七七以外の余白を想像で埋めてゆくのは、読者である私たちだ。
いつだって恋は繊細に揺らぐもの。
揺らぐものなんだけど………。
その衝撃の展開に、え?え?え??
でも、落ち着け、私。
何かがおかしいじゃないか。
同棲かと思いきや、お二人が歌っていた短歌の、ペットがそもそも違うじゃないの。(犬と猫)
木下さんの「 -
Posted by ブクログ
初めて歌集という読み物を読みました。
が、すごく良かった!
◼️良かった点
・短歌って聞くと、読むのにハードル高い感じしたけど、本書は恋愛、ミステリーのストーリー展開でとっつきやすい。
・エロティックな歌、狂気な歌など普段の自分なら、共感しづらき歌が割と心地良く読めた。(木下さんが詠む歌の方が同じ男性目線だからか歌の内容が理解しやすかった)
・31字という限られた文字数の中、削ぎ落として綴られる凝縮されたエッセンスのような一句が、読者に歌に込められた意味を想像させ、掻き立ててくれる。
なんか本書を読んだばかりのレビューで、勢いで書いてしまったけど、わかりづらいな笑
一言で言うなら新ジ -
Posted by ブクログ
ネタバレすごいもの読んだ。
たしかにすっごく上質な「歌集」なんだけど、それだけじゃなかった。
まったく予備知識なしで読み始めたんだけど、男女二人の歌人がそれぞれ交互に歌を詠んでひとつの物語を作っていく、っていう構成なのはすぐにわかって、はじめのほうは素直に楽しく読んでた。
脳内で浮かぶ絵は魚喃キリコか浅野いにお。実写なら岩井俊二の空気(世代バレ)。
少しけだるいような、ささやかでしあわせな恋。
荻窪がどういう雰囲気の土地なのか知らないけど、なんかこうやって地名が入ると一気に都会の片隅で肩寄せ合う男女の生活感みたいなものが滲んで良いね。
しあわせな恋人同士のふたり。
やがて同棲をはじめ、ペットを -
Posted by ブクログ
ネタバレすごく良かった
歌人の木下龍也さんと鈴木晴香さんが短歌で紡ぐたくらみに満ちた恋愛ミステリー。
鈴木さんの歌は明朝体で、木下さんの歌はゴシック体で表記されている。
恋愛中の本好きの二人が、海行って花火見て、同棲して…ん?なんか変だぞ?
今まで短歌を読んできて想像していたストーリーと微妙にズレてきて、物語は一気に不穏さを増してくる。
今まで読んでいたものは何だったの?
あれは、誰だったの?
普段短歌に親しみのないひとでも、恋愛小説読み、ミステリ読みには楽しめるんじゃないかと思う。
短歌というものは限られた音数に言葉を当てはめるため、そのぶん削ぎ落としている言葉が多い。
それゆえ、想像の余地が大き -
Posted by ブクログ
ネタバレ木下龍也さんと鈴木晴香さんの共作の現代短歌集。
2人の短歌が物語のように、夏のデート→同棲→結末、と、ストーリー仕立てになっています。
特に気に入ったのは
『君を撮るためのカメラがあたたまる太腿のうえ 海まで遠い』
『本棚にふたりの過去を並べれば「海辺のカフカ」上上と下下』
勉強不足のせいか、1回目はあまりピンと来なかったのですが、2回目、3回目と目を通すと、全体が見えてきてゾゾゾとしました。他の方のレビューを読むと、もっと深い仕掛けがありそう。わからなかった短歌をちゃんと読み解きたくなりました。
31文字でこんなに想像を膨らませるなんて、コスパならぬ文字パが高い!