エミリー・グラヴェットのレビュー一覧
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世界の運命を決する戦いに巻き込まれてゆくわけではない。死と生の均衡を保ち世界を救うために旅に出るわけでもない。
渡し守は、霧深い小さなマーランク島で、なすべき仕事を粛々と果たす存在だ。
敬意は払われていても、あくまでも職人として、家業として、死者が島に留まって災いを招かないように、壊れた塔の島へと船で運び続けてきた。
渡し守に向かないと父に告げられた少年が、悲しみや怯えに屈っしそうになりながらも、父のやりかけた仕事を引き継いで船を出すのは職責を全うする意志からだ。
この父と息子の厳しくも認め合う関係性が、死とは何かという幻想的な物語の芯となっている。
死者に思いを巡らし、死者の声に応えるこ -
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魂の息吹と囁きが読み手まで伝わってくる… 夢の中を冒険しているようなファンタジー #ささやきの島
■あらすじ
主人公マイロの父は死者の魂を島に送りだす仕事の渡し守をしていた。父の仕事に憧れているマイロだったが父からは渡し守には向いていないと言われていた。
ある日、領主の娘ガブリエルが亡くなってしまうが、領主は娘の死が受け入れられなかった。そのトラブルに巻き込まれた父は殺されてしまい、島に死者の魂が放たれてしまう。
マイロは父の任された渡し守の仕事を引き継ごうとするが…
■きっと読みたくなるレビュー
いつもファンタジーな世界に誘ってくれるフランシス・ハーディング。今回の作品はかなり短めな -
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ネタバレ強く成長する少年少女の冒険譚を書かせたら、右に出る作家はいないのではないか。フランシス・ハーディングの絵本。
死者を正しく導かないと、島中を闊歩することになる。そんな島で魂の渡守をしていた父が死に、後継と思っていた兄が捕まり、半ば無理矢理に渡守になる必要があったマイロ。娘の死を信じたくない領主に追われながらも、死者たちの魂を運ぶマイロの冒険。
首のない鳥、骨でできたアーチ、途中から螺旋階段しかないあの世とこの世を繋ぐかのような塔など、いつもの幻想的、ファンタジックな世界が、挿絵がつくことにより一層引き立てられ、絵本としては非常に満足。
ただやはり、ガッツリと長編で読みたかった。主人公のマイ -
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ラジャーはアマンダが想像力で生み出した男の子。親友のふたりは夏休み中、冒険をして遊んでいた。ところが、アマンダの家にバンティングという派手なアロハシャツの男が訪ねてきてからふたりに恐ろしいことが起こり始める。「見えないお友だち」をめぐる勇気と冒険と友情の物語。
バンティング氏と女の子がとても怖かった。挿絵も不気味で怖さに拍車がかかる。アマンダの想像力はあらゆる場所を冒険の場に変えてしまう素晴らしいものだと感心した。そしてアマンダのお母さんが素敵。見えなくてもラジャーの存在を受け入れ、アマンダの好きなように冒険させてくれる。児童文学の子どもの冒険は親の存在が希薄なことが多いけれど、アマンダのお -
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ネタバレ子どもの頃、見えないお友達がいましたか?
アマンダは想像力が豊かな女の子。ある日、洋服ダンスから現れたラジャーという少年と友達になる。母には見えてない。が、ラジャーをいるものとして扱ってくれた。
2人は楽しく過ごすが、ある日奇妙な男が訪ねてくる。後ろには黒髪の不気味な女の子がいた。アマンダにはその子が見えた。そして、その子はラジャーを見つめていた。その後起こる恐ろしい出来事の数々、私が小さい時にこれを読んだらきっと怖くて読むのをやめてしまうかも。たとえ子ども向けでもホラーが苦手だから。
でも、リジーがレイゾウコを思い出した時、奇跡が起きる(。•ᴗ•。)♡レイゾウコが幸せな気分で最後の仕事を終え -
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映画を観た後に、さらに理解を深めたく思い購入しました。本書は子どものうちに出会えたら新しい可能性が開けるような作品ではないでしょうか。大人の私は懐かしいアルバムを開いて眺めていたらいつの間にかその中に入り込んでいて、横から見ている様な気持ちで読んだように思います。落ち着いた文章ながら展開は非常にスリリングでどうなる事かと手に汗握りながら読む事になります。映画を観ていても「原作ではどうなるのだろう」と楽しむ事ができました。
ここからは映画の感想ですが、映画なりに変更や脚色があったものの、かなり原作に忠実に真摯に作られた作品なのだと原作を読むことで知る事ができました。 -
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◼️ フランシス・ハーディング エミリー・グラヴェット絵「ささやきの島」
才能の出逢い。死と生の狭間。別れと再生。
考えさせる児童小説。
イギリスで評価の高い児童小説作家と、同国を代表する絵本作家、挿絵画家。2人の女性に編み込まれた作品。人の情に基づいたストーリーとファンタジックな世界観、追跡劇。ふむふむ。
領主の娘が死に、渡し守である父のもとに、娘の母親から死者の青い靴が持ち込まれる。娘と同じ14歳のマイロは父に、渡し守には向いていないと言い渡されており、兄のレイフが主に手伝っていた。死者の魂を、靴とともに船で「壊れた塔の島」に連れて行き昇天させるのが渡し守の役割だ。
領主がマイロ -
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Posted by ブクログ
本を開くとそこには、想像と現実が混合した世界が広がっていた。面白いのは、この物語のほとんどが登場人物である「人間のこども」ではなく、その子どもが造り出した「見えないお友だち(イマジナリーフレンド)」の視点で描かれているということ。
それゆえに、忘れ去られてしまうことへの恐怖や悲しみが鮮明に描かれている。
大人になるにつれ、忘れ去られていく存在…トイ・ストーリーに登場するおもちゃたちにもつながるものがある。
違うのは、形あるものか否かという点。
トイ・ストーリーでは、おもちゃを幼い子どもに譲り渡すという描写がでてくる。
そして、この物語でも、イマジナリーフレンドが新たに選んだ子どものもとへ行く -
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