小林靖子のレビュー一覧
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エンタメ性が高く、息抜きのつもりで手に取った。原作者の荒木飛呂彦は、たしかミッション系の学校に通った経験から、運命はすでに決まっており、それを受け入れることが幸せか否かを分けると語っていた。だが作中に登場するスタンド能力は、そうした運命に抗いながら、自分がどう立ち向かい、どう生きるのかを決断していく姿を描いており、そこにシビれる憧れるゥのである。
本作もまた、幸せの絶頂に絶望が訪れる呪いという運命に流されるのではなく、愛する者への真実の告白によって見出していく物語だ。興味深いのは、懺悔というカトリックの儀式を借用しながら、仏教的な業からの解脱を思わせる要素が読み取れる点である。
原作者の過 -
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Posted by ブクログ
始めに断っておきますが私はジョジョの奇妙な冒険のメインストーリーは未読です。本編の方で岸辺露伴がどういう役回りなのかそもそも敵なのか味方なのかも知りません。
ここに書く感想は全て「岸辺露伴は動かない」の実写作品を見て感じたものです。
というわけで「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」です。
岸辺露伴シリーズは毎年年末に流れる実写ドラマを楽しく観ていたのですが、このルーヴルは初の映画化作品ですね。
ルーヴル美術館で撮影をしたという前評判にも驚きましたが私が一番驚いたのは「えっモナ・リザ小さくない?あんな小さいの?嘘でしょ?」でした。
だって凄く大きい作品なんだと思っていたんだもの。
この話の鍵にな -
Posted by ブクログ
岸辺露伴は動かないシリーズの初の映画の小説版。漫画家デビューしたての時に出会った女性・奈々瀬。彼女から聞いた「最も黒い絵」の話。彼女も絵のことも忘れていたのに露伴は夢で見て思い出す。
最初から露伴らしいなと読者に思わせる出だしだ。夢で昔の人やその人に言われたことを思い出しても、それが気になって調べ始める人がどれだけいるだろうか?今回も露伴の好奇心が鍵になっていく。それは毎度お馴染みの良い意味でも悪い意味でも話を面白くしてくれた。
個人的には黒い絵と向き合った時に他のメンバーの描写は最低限にし、露伴の自分であえて危険に踏み込んでいき想像以上のピンチになった焦り、それでもどんなものかと体験しよう -
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Posted by ブクログ
ネタバレ胸を張り背筋を伸ばしゆっくりと映画館を出た。
高橋一生演ずる岸辺露伴はカッコいい。
不協和音で不安定に漂う菊地成孔の音楽に乗り、
この世ともあの世ともつかない不思議な異空間の世界へと誘われます。
ネタは、世界中に転がっている……か。
あ、パリ……!「ルーブル美術館」!
「岸辺露伴は動かない」TV版の「ジャンケン小僧」のラストシーンで、泉鏡花が思い付いた通り、パリが舞台です。
この世で最も「黒い色」という色を
見たことがあるだろうか?
光を反射する鏡は、鏡の前にいるものを映すが、
光すら吸い込む漆黒の前では何が見えるのか…。
「この世で最も黒く、最も邪悪な絵」は
「先祖や己の罪」「後悔 -
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ネタバレ 無料版購入済み
どういう展開になるのか?
残り時間が通貨として流通しているSF映画、配信サービスで見ましたので、ちょっとこれと内容がかぶりますね。あの映画は死刑とかではないんですが。
原作者の手腕自体は確かでしょうから、見守るところでしょうか。あまり読み進める気にはなれませんでしたが…… -
Posted by ブクログ
よく言えばテンポが良くスラスラ読める。悪く言えば淡白すぎて味気ない。
映画を見ないでこれだけ読む、という人はほぼいないと思うけど、物語の中で展開したことをシンプルに書き連ねた、という印象。
一般向けとなっているけど、文字の大きさ、行間、ルビなど、とても平易になっているので小学生でも本を読む子なら簡単に読めると思う。
とても読みやすくわかりやすくなっているので、何が起こってるのかわからない、ということにはならないと思うけど、感情面の書き込みがほぼないのでそこに重きをおく人や、文章ならではの新情報を期待している人は肩透かしを食らう可能性がある。
(よく考えればあのボリュームでそれをやろうとしたら