あらすじ
話題の実写映画を最速小説化! 漫画家・岸辺露伴はヴェネツィアの教会で、仮面を被った男の恐ろしい懺悔を聞く。それは誤って浮浪者を殺したことでかけられた「幸せの絶頂の時に“絶望”を味わう」呪いの告白だった。奇妙な告白にのめり込む露伴だが、やがて自身にも「幸福になる呪い」が襲いかかっている事に気付く・・・。ヴェネツィア、罪深き“告白”が招く極上サスペンス。
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Posted by ブクログ
エンタメ性が高く、息抜きのつもりで手に取った。原作者の荒木飛呂彦は、たしかミッション系の学校に通った経験から、運命はすでに決まっており、それを受け入れることが幸せか否かを分けると語っていた。だが作中に登場するスタンド能力は、そうした運命に抗いながら、自分がどう立ち向かい、どう生きるのかを決断していく姿を描いており、そこにシビれる憧れるゥのである。
本作もまた、幸せの絶頂に絶望が訪れる呪いという運命に流されるのではなく、愛する者への真実の告白によって見出していく物語だ。興味深いのは、懺悔というカトリックの儀式を借用しながら、仏教的な業からの解脱を思わせる要素が読み取れる点である。
原作者の過去のシリーズを読んでいたことと、実写のノベライズによって登場人物をリアルにイメージできたことで、物語の脚色を忠実に読み解くことができたと思う。
いま自分にもある種の呪いが掛けられているのだろうか。幸せの絶頂と絶望の狭間で揺れ動いている。この作品を手にしたときから、自分の運命をどう受け止めるべきか、無意識に答えを探していたのかもしれない。
Posted by ブクログ
図書室。原作ファンなので。
映画はまだ観ていなかったから、原作から拡張された世界観を新鮮に楽しむことができた。読みやすく、1日で読み切れる作品。