王敏のレビュー一覧
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中国、韓国、日本
この3つの国を比較した時に、
日本は明らかに違うと感じていて、その原因の一端として「儒教文化」がある。
ということまでは私も考えたことがあるのだけれど、
ここまで分析されていると、すっきりする。
今まで感じてきた中国や韓国のもつ「激しさ」の根源を見た気がした。
いくら日本人が一生懸命分析しても出てこなかった
ヒントが、中国人の著者によってあらわにされたというような
そういう感覚。
禊や、裸のこと、そして辞世の句。
さまざまな日本独特の問題や、日中比較可能なものをとりあげて、深く掘り下げていく。
やはり自分は日本人だと思うのは、
「この感覚は中国人には理解されないものなのか!」
ということに思いが至った時。
とても面白い。 -
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日中の文化をよく知る著者の、比較文化論。
日本は感性の国。
中国は理の国。
こういう二分法は、今では戒められるところかもそれない。
私は、感性が理に劣るものとは思わないが、西洋風の二分法では感性は劣位かもしれない。
そのため、この本に憤慨する人もいるかもしれない。
ただ、まあ、中国をあまりに知らない身には、面白かった。
儒教は一部の例外的な時期(例えば文革)を除けば、ずっと中国人に影響を与え続けてきた、と筆者は言う。
私は、辛亥革命以降儒教が排斥されてきたと思っていたので、まずここで、へえ、そうか、と。
そして、彼らは理を尊ぶ。
理があることは義=正義と考えるらしい。
そして、義を欠けば、死んで後さえも批判される。
日本のように、死者を鞭打つことを忌む考えはないらしい。
筆者は、歴史認識をめぐる両国の対立の淵源がここにある、とみている。
この説明に、私は納得してしまった。
というより、これでは溝が埋まる日が来るとは思えず、暗澹としてしまう。
ところで、この本は、王さんが日本語で書いたのだろうか。
プロの方にこんなことを思うのは、かえって失礼なことかもしれないが、だとすればすごいことだ。
ドナルド・キーンさんさえ、主要な論を母語で書いていたことを思うと。
実は、多少、読みづらいところもあった。
特に、必要以上に主語が省かれる傾向がある点で。
それと関わって、論文なのか、もう少し主観性を打ち出した文章なのか、理解に迷うところもある。
それは、もしかすると、私たちの書く文章が変わってきているからなのかもしれない。 -
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ネタバレ[ 内容 ]
近いようで遠い日本と中国の文化の隔たりが思わぬ摩擦を生む。
日中の行き違いを九尾狐の伝承、新美南吉や宮沢賢治の童話、日本の裸祭りの風習など豊富な事例から描く。
えっ!
そうだったんだ。
こんなことに中国人は反応するのか。
驚きの日本文化論、登場。
[ 目次 ]
第1章 動物を慈しむ文化
第2章 動物観の違いが文化にも
第3章 裸の付き合いをする文化
第4章 「水に流す」文化
第5章 儒教体系に支えられてきた文化
第6章 「正義」を求める文化と「自然」を求める文化
第7章 日本人のアイデンティティー
終章 2000年の不理解をひもとく試み―日中異文化の視点で
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
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非常に面白い日中文化比較論。中国人の書いたものは今まであまりなかったように思える。新鮮。著者の日本を理解しようと言う熱意がものすごく伝わってくる。日本と比較した中国の思考体系はものすごく異質に思えて、非常に興味深かった。以下列挙。・日本は人間より動物の写真が大きい・孔子は厩が焼けた時に人は心配したが、馬のことは触れなかった。・人間上位という点でキリスト教と儒教は一致している・中国の動物物語はほぼ寓話・一般的に中国では本と言えば倫理・道徳のテーマははずせないと言う考え方が強い。・日本には生き物や者を供養する塚がたくさんある・ケンタッキー日本支社でも鶏の供養をしている。・中国で今ペットブームだが、それは裕福の象徴として、ステータスとしての意味が強く、経済復興期の日本における車と同種のもの。・「黒い猫も白い猫もねずみを取る猫はよい猫だ」というように、中国は人間社会に役立つかどうかと言う観点・災害大国日本。天気も移ろいやすい。・天気のニュースをこんなにやるのは日本くらいだし、挨拶代わりに天気を話題にするのも象徴的・人間上位の考えには、牧畜・放牧の影響が強い。数万の家畜を一人で管理するところから。・裸の付き合い、日本は裸踊りの国(アマテラスを岩戸から出した)で、裸に抵抗がない・日本は昔混浴が一般的だった。・キリスト教社会はアダムとイヴの影響か、裸を嫌がる・儒教社会では、衣冠は政治・思想・文化・教育のシンボルのため、非常にこだわりを持っているため裸は嫌う・浴槽に肩までつかるという日本の風呂スタイルは世界無比・中国で言う美とは、勇壮なものを指し、大規模なだけ良いという人工美である。一方日本美はこぎれいさを基本とし、「縮み」志向であり、いわば自然との融合の美である。・儒教的考えではいかなる脅迫にあおうと、敵に組することは不義となる。大義を重視し、例外を認めない。・シンカイ像には「唾を吐き掛けないでください」という立て札がある・中国人は美術作品の評価に関しても理念を求める。・儒教は正統を重視する考えで、日本の判官贔屓とは逆・歴史上の人物の見直しは日本ではよくあるが、儒教中心の考えが体質化した中国ではほとんどない。・儒教は漢民族の生活から生まれた自然な考えが基本。・中国で論語のない家はほとんどない・古層と宗教の二層構造を主張 日本 中国宗教 仏教 道教古層 神道 儒教・儒教外交が出来なくなった日本(過去は儒学者を外交担当においた・殺した敵を供養すると言うのは中国人には不可解・日本の思想ってのは衣装のように「取り替えれば済む」もの・日本では感性が理性に先行・不老不死に日本人があまり執着しないのは、無常観から来る死生観のため。・「国破れて山河あり」の漢詩は中国ではドマイナー
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近時の日中間のギクシャクとした関係を憂慮する知日派の中国人による、新世代の中国人の日本に対する愛憎二重構造(日本の製品・文化に対する愛好と歴史認識等で示す強い反日意識)の形成要因の分析と、互いの文化的差異を認識し合うことによって相互理解を進めていくべきという提言の書。著者の考え方についてはいろいろ意見がありうるとは思うが、例えば、おそらく日本人の多くが持っている「過去の戦争について、いくら謝罪しても、際限なく文句をいってくる」という不満についても、なぜ中国人は日本の謝罪を謝罪と受け取らないのかという点について認識をしておくだけでも一定の意味はある(だからといって、直ちに中国の基準に合わせて謝罪する必要はないのであり、要は、そのような文化的差異についての認識を踏まえて自らがどう振る舞うかを決めることが重要)。小著ではあるが、建設的な内容を含んでいる好著であると思う。なお、本書のタイトルは、内容を的確に表したものとは言い難いが、おそらくは嫌中意識の強い人間にも本書を手にとってもらうための工夫ということだろう。
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日本で治水神になった禹王を調査することで、東アジアの特に漢字文化圏の重要性を提唱する。古事記序文に登場してから中世までは聖君の代表の一人という捉え方だったが、江戸になり中国から伝えられた印刷技術と絵入りの本が流行。和漢三才図会などで庶民にも広まった。また儒学を通じてでも理想とする君主像として武士階級に浸透していく。さらに江戸幕府は大規模な新田開発と治水事業を行う。その中で、黄河の治水事業を成し遂げた部分にスポットがあたり、庶民には縁遠い理想の君主から治水神となってわかりやすく解釈されて祀られるようになる。中国、朝鮮、日本は基本的教養を中国古典に求め、それを整理し体系立てた儒学に国家統治の理想とした。朝鮮は儒学を中国や日本より厳密に守った。日本は島国故のファジーな受容をしている。都合のいいところを選び都合のいいように解釈していく。だが100年前まで根っこが共通だったのは間違いない。
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ネタバレ[ 内容 ]
なぜ彼らは「歴史認識」にこだわるのか。
「靖国参拝」に反対する真の理由とは。
じつは日本文化に憧れながら、反日デモを起こすという中国人の相矛盾した行動はどこから生まれてくるのか。
日本人には容易に理解できない中国人の精神構造を、本書は徹底的に分析する。
キーワードは5つ。
「愛国」「歴史」「徳」「中華」「受容と抵抗」。
改革開放以降、急速に欧米化するライフスタイル。
しかしそこには、中華文明という名の呪縛が横たわる。
文化を重んじる中国人が抱える葛藤、そして小さな変化の兆し。
知られざる心を暴く。
[ 目次 ]
第1章 中国人にとって「愛国心」は中国魂―中国を理解するキーワード「愛国」
第2章 中国人にとって「歴史」とは判例集―中国を理解するキーワード「歴史」
第3章 文化の力を重んじる中国人―中国を理解するキーワード「徳」
第4章 敵と味方を分かつもの―中国を理解するキーワード「中華」
第5章 中華文明VS西洋文明―中国を理解するキーワード「受容と抵抗」
第6章 中国人の思考回路―「違い」から見えてくるもの
第7章 愛国教育の真実―文化を通じて発信されるサイン
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
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日本人と中国人の思考回路を上手に描けていると思う。著者は他の日中関係のことを書く中国人と比べて、非常にバランスの取れた人ではないかと思う。非常に分かりやすい日本語で、我々に訴えかけている。読みながら様々な思考をめぐらせましたね。日本人って、本当の悪人なんていないという前提から、A級戦犯が本当の悪人であるとは誰も思ってないだろう(?)中国人は同胞であろうと愛国のモデル、売国奴のモデルがおり、これは不動のものである。日本はそれぞれのモデルとなる人っていないよなあって思う。この本について言いたいことは多々あるが、どこから話したらよいか…。私、中国人の思考回路分かりますよ。本当に。でも、一言いうならば、そうですね、歴史的にみることが好きな中国人って、治らないのかなあ…。