感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2010年01月08日
中国、韓国、日本
この3つの国を比較した時に、
日本は明らかに違うと感じていて、その原因の一端として「儒教文化」がある。
ということまでは私も考えたことがあるのだけれど、
ここまで分析されていると、すっきりする。
今まで感じてきた中国や韓国のもつ「激しさ」の根源を見た気がした。
いくら日...続きを読む本人が一生懸命分析しても出てこなかった
ヒントが、中国人の著者によってあらわにされたというような
そういう感覚。
禊や、裸のこと、そして辞世の句。
さまざまな日本独特の問題や、日中比較可能なものをとりあげて、深く掘り下げていく。
やはり自分は日本人だと思うのは、
「この感覚は中国人には理解されないものなのか!」
ということに思いが至った時。
とても面白い。
Posted by ブクログ 2019年07月15日
日中の文化をよく知る著者の、比較文化論。
日本は感性の国。
中国は理の国。
こういう二分法は、今では戒められるところかもそれない。
私は、感性が理に劣るものとは思わないが、西洋風の二分法では感性は劣位かもしれない。
そのため、この本に憤慨する人もいるかもしれない。
ただ、まあ、中国をあまりに知らな...続きを読むい身には、面白かった。
儒教は一部の例外的な時期(例えば文革)を除けば、ずっと中国人に影響を与え続けてきた、と筆者は言う。
私は、辛亥革命以降儒教が排斥されてきたと思っていたので、まずここで、へえ、そうか、と。
そして、彼らは理を尊ぶ。
理があることは義=正義と考えるらしい。
そして、義を欠けば、死んで後さえも批判される。
日本のように、死者を鞭打つことを忌む考えはないらしい。
筆者は、歴史認識をめぐる両国の対立の淵源がここにある、とみている。
この説明に、私は納得してしまった。
というより、これでは溝が埋まる日が来るとは思えず、暗澹としてしまう。
ところで、この本は、王さんが日本語で書いたのだろうか。
プロの方にこんなことを思うのは、かえって失礼なことかもしれないが、だとすればすごいことだ。
ドナルド・キーンさんさえ、主要な論を母語で書いていたことを思うと。
実は、多少、読みづらいところもあった。
特に、必要以上に主語が省かれる傾向がある点で。
それと関わって、論文なのか、もう少し主観性を打ち出した文章なのか、理解に迷うところもある。
それは、もしかすると、私たちの書く文章が変わってきているからなのかもしれない。
Posted by ブクログ 2011年06月07日
[ 内容 ]
近いようで遠い日本と中国の文化の隔たりが思わぬ摩擦を生む。
日中の行き違いを九尾狐の伝承、新美南吉や宮沢賢治の童話、日本の裸祭りの風習など豊富な事例から描く。
えっ!
そうだったんだ。
こんなことに中国人は反応するのか。
驚きの日本文化論、登場。
[ 目次 ]
第1章 動物を慈しむ文...続きを読む化
第2章 動物観の違いが文化にも
第3章 裸の付き合いをする文化
第4章 「水に流す」文化
第5章 儒教体系に支えられてきた文化
第6章 「正義」を求める文化と「自然」を求める文化
第7章 日本人のアイデンティティー
終章 2000年の不理解をひもとく試み―日中異文化の視点で
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ 2012年01月09日
非常に面白い日中文化比較論。中国人の書いたものは今まであまりなかったように思える。新鮮。著者の日本を理解しようと言う熱意がものすごく伝わってくる。日本と比較した中国の思考体系はものすごく異質に思えて、非常に興味深かった。以下列挙。・日本は人間より動物の写真が大きい・孔子は厩が焼けた時に人は心配したが...続きを読む、馬のことは触れなかった。・人間上位という点でキリスト教と儒教は一致している・中国の動物物語はほぼ寓話・一般的に中国では本と言えば倫理・道徳のテーマははずせないと言う考え方が強い。・日本には生き物や者を供養する塚がたくさんある・ケンタッキー日本支社でも鶏の供養をしている。・中国で今ペットブームだが、それは裕福の象徴として、ステータスとしての意味が強く、経済復興期の日本における車と同種のもの。・「黒い猫も白い猫もねずみを取る猫はよい猫だ」というように、中国は人間社会に役立つかどうかと言う観点・災害大国日本。天気も移ろいやすい。・天気のニュースをこんなにやるのは日本くらいだし、挨拶代わりに天気を話題にするのも象徴的・人間上位の考えには、牧畜・放牧の影響が強い。数万の家畜を一人で管理するところから。・裸の付き合い、日本は裸踊りの国(アマテラスを岩戸から出した)で、裸に抵抗がない・日本は昔混浴が一般的だった。・キリスト教社会はアダムとイヴの影響か、裸を嫌がる・儒教社会では、衣冠は政治・思想・文化・教育のシンボルのため、非常にこだわりを持っているため裸は嫌う・浴槽に肩までつかるという日本の風呂スタイルは世界無比・中国で言う美とは、勇壮なものを指し、大規模なだけ良いという人工美である。一方日本美はこぎれいさを基本とし、「縮み」志向であり、いわば自然との融合の美である。・儒教的考えではいかなる脅迫にあおうと、敵に組することは不義となる。大義を重視し、例外を認めない。・シンカイ像には「唾を吐き掛けないでください」という立て札がある・中国人は美術作品の評価に関しても理念を求める。・儒教は正統を重視する考えで、日本の判官贔屓とは逆・歴史上の人物の見直しは日本ではよくあるが、儒教中心の考えが体質化した中国ではほとんどない。・儒教は漢民族の生活から生まれた自然な考えが基本。・中国で論語のない家はほとんどない・古層と宗教の二層構造を主張 日本 中国宗教 仏教 道教古層 神道 儒教・儒教外交が出来なくなった日本(過去は儒学者を外交担当においた・殺した敵を供養すると言うのは中国人には不可解・日本の思想ってのは衣装のように「取り替えれば済む」もの・日本では感性が理性に先行・不老不死に日本人があまり執着しないのは、無常観から来る死生観のため。・「国破れて山河あり」の漢詩は中国ではドマイナー