秋田喜美のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
副題の『ことばはどう生まれ、進化してきたか』というフレーズに惹かれて手にとった。
安定の中公新書なので、まあまあ外れはないだろうという読みはかなり当たっていた。
『はじめに』のところで『記号接地』なる見慣れない語があり、これを起点とした言語の解説かとおもいきや、第一章でもちだされたのは『オノマトペ』……私は『オノマトペ』に関して割と否定的な圧を受けて育った世代だ。作文で『オノマトペ』を使うと減点されるおそれを経験した。(それなのに、宮沢賢治の作品が教科書に載っているし出題もされるので……えらい矛盾している)少なくとも、『オノマトペ』を多用した作文を書けば周囲にバカにされたものである。そんな訳で -
Posted by ブクログ
ことばの音と対象の対応付けが自然に分かると何がもたらされるか?これを何度か経験すると「単語には意味がある」という洞察を赤ちゃんが得ることができる。
日本語にはオノマトペが多いが、英語に少ないのは英語には「歩く」や「走る」といった様態を細かく区別した動詞が140以上あるから。ambleのんびり歩くtiptoe抜き足差し足で歩くstrollぶらぶら歩く等オノマトペ+歩くになることが多い。
【アブダクション推論】子供はある足がかりがあれば、そこから学習を始め、知識を作っていく。その時子供がしている事は、「教えてもらったことの暗記」とは全く異なる。今持っている資源を駆使して、知識を蓄える。同時に学 -
Posted by ブクログ
初回放送日:2024年10月31日
▽明日へのことば「赤ちゃんは、言葉を覚える天才!」 発達心理学者・慶応義塾大学教授 今井むつみ
インタビューで興味深かったので読んでみる
専門的だけど分かりやすい
言語が生まれてくる経緯のようなオノマトペ
世界中にあるけれど日本は特に多いらしい
○オノマトペ
・ギリシア語起源のフランス語「名前を作る」
・脳の中で環境音と言語音の両方を兼ねる
MRIを使った調査ってすごい
・子どもにとって感覚的で分かりやすい
言語を理解する助けになる
日本語ならではですね
発音時の口腔の大きさや濁音静音で他言語の意味を想像できる
言葉を知らない赤ちゃんや別の言語圏の人 -
Posted by ブクログ
「言葉って、どうやって生まれ、どうやって人の頭の中に広がっていくのだろう?」
私たちは毎日、無数の言葉を使い、受け取りながら暮らしています。でも、その“根っこ”を考えたことがある人は案外少ないはず。
『言語の本質』は、認知科学の今井むつみ氏と言語学の秋田喜美氏が、言葉の起源から進化、そして私たちがどうやって意味を獲得するのかを、豊富な事例から紐解く一冊です。中でも印象的なのが、二人が提示する「ブーストラッピング・サイクル」という概念は、人が言葉を覚え、使うことでさらに思考が広がっていく“知のドミノ倒し”のようなプロセス。赤ちゃんが初めて「ワンワン」と言う瞬間から、人類が哲学や科学を生み出すま