秋田喜美のレビュー一覧
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【内容】
本書は、発達心理学者と言語学者がそれぞれの専門的視点から、人間はいかにして言語を獲得するのかを考察した共著である。
著者らは、オノマトペ(擬音語・擬態語)を、身体性の高いジェスチャーと、恣意的で体系化された言語との橋渡しを担う存在として位置づける。子どもはオノマトペを足掛かりに、身体的な経験と抽象的な言語を結び付けながら言語を習得していく。
その過程では、人間特有のアブダクション(仮説形成)によって既存の知識から新たな知識を生み出し、それを足場として知識体系を自己拡張していく「ブーストラッピング」が重要な役割を果たす。こうした学習を通じて、身体性への依存が比較的低く、高い拡張性を備 -
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ネタバレ要するに、高い学習能力を持っている学習システムでは、何かのきっかけでシステムが起動されると、知識が知識を生むというブートストラッピング・サイクルによって知識がどんどん増えていくのである。単に知識のボリューム(個別の要素知識)が増えるだけではない。新しく加わる要素知識は既存の知識に関係づけられ、知識システムの構成要素となる。同時に、新たな知識は既存の知識を質的にも変化させる。知識を整理する上で根幹となる「似ている」や「同じ」についての認識時代が変化するのである。
ブートストラッピング・サイクルによる学習では、知識はつねに再編成され、変化を続けながらボリュームを増し、構造も洗練されていく。節目 -
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本書に言及があったので、ゆる言語学ラジオの「赤ちゃんミステイクアワード」回を見てみた。
著者も出演されていて、言語学的にも興味深いし、エンタメとしても面白かった。
基本、視聴者投稿の子どもエピソードなのでほほ笑ましいが止まらない。
ちょっと堅苦しい本ではあるけど、
「ポケモンは進化すると名前に濁音が増える傾向」とか
いろんな引き出しから論が進められるのでおもしろい。
「言語学的視点からのファイナルファンタジーとドラクエの魔法やモンスターの命名傾向分析」みたいな論文も大学生が書いてそう。
流行った本だけあって後半の記号接地問題とアブダクション推論の話はグッと引き込まれた。
学問のおもしろさ思 -
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最高に面白い 今井むつみさんはゆる言語学ラジオの赤ちゃん言語習得シリーズで間接的に知ってるだけだったけどいくら褒めちぎっても足りないくらい文章が面白い そして実験デザインも上手い キーワードと実験結果とで大きな問い 言語の本質について果敢に切り込んでいく様 最後に言語の本質が読み上げられるところで涙が滲んでしまった 新書なのに大河ドラマ見終わったみたいな読後感
オノマトペ、記号接地問題(記号から記号へのメリーゴーランドになってしまうAI)、アブダクション推論、ブートストラッピング
言語を獲得していない乳児とチンパンジーに対して同様の実験を行なってアブダクション推論をするのは乳児とごく一部のチ -
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オノマトペを入り口に言語とは何かという壮大なテーマに挑んだ野心作。幼児がオノマトペを好むことをきっかけに、対象物のアイコン性が強いオノマトペは幼児の言語学習への足がかりになっていることが示される。しかしながら、言葉のほとんどは音声から対象物を容易に想像できない恣意的な性質を持つのはなぜなのか。その疑問から考察を進め、オノマトペを入り口に恣意性の高い一般語を幼児が習得していくシステム、つまり他の動物と違い言語を使えるようになる人間の言語学習過程のシステムを仮説化することで言語の本質に迫ろうとする。認知科学、言語心理学・発達心理学の専門家と言語学の専門家がタッグを組むことで、この問題に迫る仮説の構
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Posted by ブクログ
人間が持っている最強のコミニュケーションツールである言語とは何かを知りたくて本書を読んだ。
まず第一に研究者の探究心に圧倒された。オノマトペをきっかけにした知への渇望が最終的に言語の本質までに辿り着く過程は圧巻だった。
言語学×認知科学で片方の学問だけでは解き明かせない問題がたくさん紐解かれていき、やはり横断した学びの重要性を感じた。
普段何気なく使っている言語。時代によって変化したり、文化に依存する部分があったり、あるいは変わらない共通の感覚があったりと色々な発見があって面白かった。
改めて知識がある人の話は面白いなあと感じたし、学びの良さを感じた。
これから何気なく使う言葉やオノマトペも今 -
Posted by ブクログ
ゆる言語学ラジオから今井むつみ先生を知り、友人との縁もあり数年ぶりの読書にチャレンジ。5日程度で読み終わり、音象徴、ガヴァガーイ問題、アブダクション推論など動画で何となく聞きなれているもののあまり理解していなかった言葉たちをより深く理解できた気がする。内容は非常に難解という訳ではなくむしろ面白い実験や事例紹介があり読みやすい本だとは思った。しかし自分の職業柄、発達心理に関心があるため子どもの推論や言語習得の話ではスラスラと読み進め内容も頭に入ってきたが、文法、言語の条件、アイコン性...といった言語学の話になると途端にペースダウンし一文を繰り返し読むこともしばしば...久しぶりの読書というのも