秋田喜美のレビュー一覧

  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    めちゃくちゃ読みやすい。専門用語もまあまあ出てくるが、巧みな例えを使いながら意味を分かりやすく説明してくれるので、最後まで詰まらずに読めた。
    前半は、オノマトペと普通の言語、それ以外の事象とを比較しながら、オノマトペの持つ性質や、子供の言語習得にもたらす影響について迫っていく。
    後半は、アブダクション推論にテーマをおいて、子供の言語習得を促す足掛かりを考えていった。
    基礎知識や既存の研究を提示し、新たな問いを立てていく流れがスムーズで、言語学に触れたことがなくても面白かった。

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    2025年11月25日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    2024年の新書大賞作でもある本書は、慶應義塾大学環境情報学部教授と名古屋大学大学院人文学研究科准教授による共著であり、言語はどのように進化してきたのか、人間はいかように言語を理解するのか、について書かれています。

    共著といっても、章ごとに別分担で書かれたのではなく、全章共同執筆されているのもおもしろいです。

    テーマを解き明かす鍵は、帯に書かれているとおりですが「オノマトペ」と「アブダクション推論」。

    鈴木孝夫『ことばと文化』においても「ことばによることばの「定義」は、教える人の経験と、教わる人の経験の差、および「定義」をする目的などの条件で千差万別の形をとり得」、やもすると循環論法にな

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    2025年11月22日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    息子が小さいころ、「行く」と「来る」の使い分けがごっちゃになってたのを思い出した。自分が友だちの家に向かうときに「ぼくが来るね」など。
    どちらも移動するシーンを動詞で表したものだから曖昧に感じたんだ!となんだかスッキリ。

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    2025年10月29日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    オノマトペと言語習得の過程を通して、記号接地問題に迫り、言語の本質を垣間見る。言語関係の研究に触れると、意識や認知、AIなど、様々なジャンルで深い洞察が得られる。特に、人間の脳のメカニズムとAIというのは、基本的にはすでに同じプログラムになっており、ただ、そのベースとなる部分が、人間の脳は進化の過程において積み上げられたルールに支配されている、ということではないかという考えを、本書を読んでより強くした。

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    2025年10月24日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    記号接地問題 記号(単語)がどうやって現実の意味と結びつくか、という未解決問題。身体的経験や感覚との対応(接地)が必要ゆえに人工知能は記号同士のつながりは扱えるが、身体を持たないため「本当に理解しているのか?」は答えが出ていない。

    子供やオノマトペから抽象的な言語を身体の一部にしていく「ブートストラッピング・サイクル」知識が知識を生み雪だるま式に知識を成長させていく仕組み
    アブストラクション推論 仮説を出して答えを予測
    ヒト 対称性推論(A→BならB→Aであると思考)を言葉のわからない赤ちゃんの時からやってる
    →チンパンジーはしないが1匹だけするやつがいた

    「人間はあることを知ると、その知

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    2025年09月16日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    ゆる言語学ラジオをよく聞いているので被る内容も多かったけど、文字で読むことで改めて整理されるところもあった。
    言語の本質、ほぼオノマトペの話だった。
    帰納推論とアブダクションの違いがまだよく分かってないからもう少し勉強したい。

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    2025年09月02日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    トップページに表示されたので、何の気なしに聴き始めたのだが、抜群に面白かった。オノマトペ論を中心に、世界の言語の共通性を知り、言葉の使い方というものをもっと考える必要性を感じた。自分が選び話した言葉により、相手を感じ方は変わる。言い方や言葉遣いだけでなく、一つ一つの単語も大切にしなくてはならない。直接的にではないが、医療面接においても役立つ一冊だろう。

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    2025年08月28日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    言語の本質は何か。人間だけが言語を操るのはどうしてか。このような問いにわかりやすい仮説を提示してくれる。ひとつが、音声で外界の様子を模写していたものがだんだん言語に発展した「オノマトペ言語起源説」。知覚経験から知識を創造し、その知識を使ってさらに知識を成長させ知識の体系を自己生成性的に成長させていく「ブーストラッピング・サイクル」の能力。そしてこの「ブーストラッピング・サイクル」駆動させる、知識を想像力によって拡張したり、もっともらしい説明を与えようとする「アブダクション推論」をする能力。これらの組み合わせにより人類は言語を発展させてきたと著者は説明する。
    この仮説は、何故人間だけが言語を持っ

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    2025年08月26日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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     新書ならば、子どもがいようが仕事があろうが、すき間時間で読めるはず(。ノωノ)
     そうして朝のトイレ、寝る直前、ぶつ切りされながらも「小説よりは読める!」ことを発見しました笑
     要はほけ~っとしながらでも面白く読めるということ。さすが新書大賞!
     エモいものを求めがちな夏、正直小説の方に惹かれたが、自分の知識をアップデートするため、ちょっと心頭滅却して過去5年間の興味がある新書大賞をチョイスしました。

     さまざまな科学的視点から言語が語られることが新鮮でした。文系読み物ではなく理系読み物で、理系の人にも「おもろいやん」と言ってもらえそうな本です!

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    2025年08月24日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    ネタバレ

    我が家の子どもたちにも、タケテ⇔マルマの比較や、今井教授の考案された実験をしてみましたが、同じ結果が出ました。すごい!

    著者の今井教授は発達心理学、秋田准教授は言語学の観点から執筆されており、二分野が渾然一体と混ざった他にない視点の本となっているように思いました。だいたい共著というと二者で各章それぞれを担当するものだけど、本書はどうやって執筆したのだろう。意見の相違とか、文体の不一致とかなかったのかなあなんて考えてしまった。

    それは置いておいて、人間が言葉を獲得したのは論理的に正しくないアブダクション推論のためというのは非常に面白かった。言語を持たない動物はアブダクション推論ができない、と

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    2025年08月24日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    子どもがどのように言語獲得をするのか関心があり、読んでみた。
    非常に明快で読み応えがあった。
    対称性推論の有無がヒトとそれ以外をわけている、ヒトは対象性推論が先天的にできる、というところが面白かった。

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    2025年11月18日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    ネタバレ

    学びを深めるために読んだ。

    普段当たり前に使っている言葉、そしてオノマトペ。オノマトペは言語か否かという問いから、まさかの言語はオノマトペから始まったという考察に至る。言われてみればと思いつつ、全く考えに至らなかったことだなと思った。

    多様な実験結果をもとに言語の本質に迫る本書を見て、かなりの学びがあった。さらに学びを深めたい。

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    2025年11月11日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    「ケ」とは、「ネバル」の「センムル」である。
    意味の分からない言葉を、意味の分からない言葉で説明しても、いつまでも堂々巡り。ならば、“最初の言葉“はどうやって生まれたのか、というのが本書の主題。記号である言葉が“意味“に接地して結びつき、他者との“意味の共有“が可能となる、いわゆる「記号接地問題」から考えていく。

    と、その前に…
    冒頭の言葉は韓国語で、「犬」とは「四つ足」の「生き物」である、という意味で書いた。余談ついでにだが、以前、南国で田舎道を現地人と歩いていたところ、草木の中を指差して「エロ、エロ!」と言うので、真っ昼間から開放的な国だなと見てみるとそこにいたのは野犬。ビサヤ語では犬を

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    2025年10月26日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    AI隆盛の時代だからこそ、記号設置問題に向き合う意義は大きく、オノマトペを起点に非常に分かりやすく言語の本質(の仮説)をあぶり出していく良書。
    最後、人間だけが対称性推論バイアスを保持している理由のところだけはやや雑な仮説かなぁと思ったので、文化人類学からの回答が欲しいなぁと思った。

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    2025年10月21日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    オノマトペから始まり、言語の本質へ少しずつ迫っていきます。
    きれいにまとめられていますが、内容は難しめでした。

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    2025年10月08日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    2023/6/12 読み終わった
    ゆる言語学ラジオで紹介されていたので。
    オノマトペの話はまあそうかなって感じでそこまでピンとこなかった。
    その後が視点だった。人間は偏見があるから、思い込みをするから言語を発達させたのだ!

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    2025年09月29日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    オノマトペへの好奇心が言語自体の変化や習得に関する研究への入り口になったという点が面白かった。記号接地問題がその中心にあり、AI研究へと繋がっているので、予想外に広範囲な学びとなった。

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    2025年09月22日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    思ってたより科学書というか研究書みたいな感じだった

    自分の読みが合ってるなら

    「明るい様子を表すキラキラ」ではなく、
    「キラキラ」が先にあり、「キラキラしていることを表す明るい」になるのかと思った

    身体感覚に直結するオノマトペが先に生まれ、それが動詞化、名詞化を遂げていき言語世界を作っていった

    という話が詳細な実験を通して丁寧に、空想ではなく極めて論理的に科学的に説明されていくところが本書の最大の魅力であろう

    と思いました

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    2025年08月30日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    「ゲラゲラ」や「ケタケタ」に見られるeの否定的印象や、「ウフフ」や「クスクス」に見られるuの女性性や優美さについては、日本語話者と英語話者の評定が大きく異なる。また、「シャナリシャナリ」や「カツカツ」に見られる清音と女性的で畏まった歩き方との結びつきについても、英語話者は推測出来ない。uや清音が持つ女性性などについては、日本的な文化的な事情が関与している。これらの音象徴は日本文化に深く根差した感覚である。

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    2025年08月24日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    マルマとタケテなどの例を出して、分かりやすくオノマトペについて紐解いてくれています。未就学児を近くで見ている私としては非常に興味深い内容でした。

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    2025年08月16日