ジュリアーノ・ダ・エンポリのレビュー一覧
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昔、祭りは目に見えるものだった。映像を通じて世界のどこかで行われている祭りが、目を楽しませてくれたものだ。今、祭りはSNS上で起こり、時には炎上する。SNS上の祭りがリアルな社会に影響を与えることが、さほど珍しくなくなった。
外国人ヘイトデモが、えらく頻繁に行われるようになった。一人や二人ではシュプレヒコールもか細い。しかし、どうみてもそんな人数ではない。後でわかったことだが、SNS上でデモの予定を公表し、それを見て集まってきたらしい。どうりで見かけない輩が多かった。
ドナルド・トランプ大統領の政治が、「ネットフリックスのような」政治と断じられているが、そもそもネトフリを契約していな -
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昔ながらの政治をニュートン政治学、今の政治を量子政治学とし、SNSの存在が量子政治学を可能にしたという。
量子政治学とは要するに分子(個人)1つ1つの挙動の傾向をコントロールするということだ。生活が苦しい人には「あなたはがんばっているのに税金を無駄遣いする政治家や、働きもせずに生活保護を受けている怠け者のせいですよ」、言葉が通じない外国人が街中に増えて不安を覚えてる人には「奴らはスパイで日本を食い物にしている」といったデマを吹き込む。
昔はそのような個別のダイレクトメールのような活動はできなかったが、今はビッグデータやSNSの情報を握り、AIを活用することで可能になった。
もはや真実は人 -
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ロシアのウクライナ侵攻の1年前に書かれたという本書は、皇帝(ツァーリ) プーチンが何をしようとしているのかを彼の側近であったクレムリンの魔術師スルコフ(作中ではヴァディム•バラノフ)に語らせる。エリツィン政権時代に築いた巨万の富をもとに政治的影響力を強めるオリガルヒや独立政治家が逮捕され、会社を奪われ悲惨な状態に堕とされる様や、全体主義の恐怖支配へ突き進む様が事実に重ねて描かれる。
オリガルヒの一人でイギリスに亡命し自殺?したボリス・ベレゾフスキーはプーチンについてこう語る。「彼は決してやめないだろう。彼のような人間はやめることができない。これが一つめの掟だ。執念深く続け、すでにうまくいってい -
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1529年から34年、スペインのエルナン・コルテスの一団がメキシコのアステカ帝国に上陸した時、帝国のモクテマス2世の「意味のわからなさ、蒙昧振り」を今のIN、SNSやAIの急激な浸透に対する先進各国首脳陣の「何が起こっているかわからない狼狽振り」に見立てる。アステカ帝国は即彼らに滅ぼされた。
ITプラットフォーマーを征服者(コンキスタドール)になぞらえて、各国首脳陣を技術と時代から取り残された亡国の帝王とする、喩えである。
パリ政治学院で政治学を教える元フィレンツェ副市長・元イタリア首相アドバイザーのジュリアーノ・ダ・エンポリが今世界で起こっている変化の本質をエッセイ風の軽い表現で淡々と綴る