あらすじ
板橋拓己さん(東京大学大学院法学政治学研究科教授)推薦
あなたの投票を左右させたのは誰だ?
ドナルド・トランプ大統領がぶち壊してゆく世界は、極論に満ちている。失言、論争、派手なパフォーマンスが繰り広げられ、祭りのような雰囲気が醸成されてゆく。それは、「ネットフリックスのような」政治だ。
本書には、SNSを駆使した選挙で勝利をおさめる「混沌の技師」たち(ジャンロベルト・カサレッジオ、ドミニク・カミングス、スティーブ・バノン、マイロ・ヤノプルス、アーサー・フィンケルスタイン)が次々と登場する。彼らこそが、陰謀論をつむぎ、中道を切り崩し、社会の分断を加速させ、極端な政治思想をつなぎ合わせている「ポピュリズムの仕掛人」だ。
怒りの感情をアルゴリズムで煽り、民主主義をカオスにおとしいれる人びと。その起源から戦略までが、恐いほどわかる。著者は、SNSという装置によって大衆が煽動される世界に、民主主義のカオスを見極める「量子政治学」を唱える。
あなたの投票を左右させたのは誰だ? 世界各国で選挙のたびにベストセラー! ポピュリズム政治の「舞台裏」を解明したガイドブック。板橋拓己さん(東京大学教授)推薦。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
昔ながらの政治をニュートン政治学、今の政治を量子政治学とし、SNSの存在が量子政治学を可能にしたという。
量子政治学とは要するに分子(個人)1つ1つの挙動の傾向をコントロールするということだ。生活が苦しい人には「あなたはがんばっているのに税金を無駄遣いする政治家や、働きもせずに生活保護を受けている怠け者のせいですよ」、言葉が通じない外国人が街中に増えて不安を覚えてる人には「奴らはスパイで日本を食い物にしている」といったデマを吹き込む。
昔はそのような個別のダイレクトメールのような活動はできなかったが、今はビッグデータやSNSの情報を握り、AIを活用することで可能になった。
もはや真実は人それぞれの中にあり、各々の怒りが増幅され選挙活動に利用されている。
Posted by ブクログ
その仕組み、やり方はある程度わかった
わからないのは仕掛けられたこちら側の思考
わかるといえばわかるのだが…
今度はそちら側にも興味が出てきたし単純に知りたい。考えが悪い意味で凝り固まらないよう
単純化せずに1つの事象を必ず複数のテーマ設定や視点で見るクセをつけなくてはと改めて考えさせられた
Posted by ブクログ
タイトル通り仕掛け人達が何を仕掛けているのか。
昨今のポピュリズム政党の成長の背景にある不満を煽動する「アルゴリズム」と、積極的という以上に重要なSNSの活用。何より政治家側が主義主張ではなく、情報の矛盾や錯誤に関わらず無機質にそれらを拡大する。
残念なのは訳者がオールドメディアの課題をまだ無視している点。