中井久夫のレビュー一覧

  • 臨床瑣談 続

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    煙草との別れ、酒との別れが目新しいテーマ。いつか酒に見放してもらうときが来るだろうか。だいぶ先だとしても。

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    2018年11月05日
  • 復興の道なかばで――阪神淡路大震災一年の記録

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    「世の初めから隠されていること」という、タイトルがとても印象的な本がある。残念ながら僕にはその内容はやや難解すぎて「読めた」とは言えない本なのだが、たしかに僕たちの生きている世界には、注意深く「隠されていること」が多くあり、その「隠されている」こと自体が「暴力」なのだろう。そんなことを示唆するタイトルだ。

    中井久夫「復興の道なかばで」は、その言葉を思い起こさせる本だった。これは、阪神淡路大震災(1995年1月)後の一年の記録をまとめた「昨日のごとく」(1996年9月刊)から複数のエッセイを抄録した本である。阪神淡路大震災の後、一年を経て、どれだけ当時の僕が神戸のことを忘れ、「自分の目に見えな

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    2011年07月06日
  • 最終講義――分裂病私見

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    神戸大学医学部退官時の講義のために準備した文章が元となっている。
    94ページまでがその時の文章で、残りは図表と解説になっている。
    統合失調症に関する知識の増加を狙って読むというのではあまり期待できない。
    知識の増加という意味では、下痢などの身体症状が出るのは回復の兆しだという事を知る事ができた。
    科学が一回性の現象や一つしかないものも扱うという言及は、世間の「理系的知に対する批判」の多くと違い同意できるものだった。斎藤環の著作に「恋はこの私のこの相手に対する現象だから恋愛の科学はありえない」というような事を言っていたが、それなら、「特定の山の雪崩に関する知識は他の山の雪崩に関する知識として使え

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    2009年10月04日
  • 最終講義――分裂病私見

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    O先生が勧めてくれた本。長いことお蔵入りだったけど、時間が出来たので取り出して読んでみた。著者は精神科領域では大変有名なDr.でして、分裂病と言う呼称こそ今では過去のものとなりましたが、この領域の疾病を持つ方々と著者の歩んできた道のりに思いを馳せました。こういう本を読むたびに「自分はなんてちっぽけなんでしょう…」と軽く凹みます(笑)

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    2009年10月04日
  • 最終講義――分裂病私見

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    中井久夫先生の最終講義の逐語録。先生の研究の概略が一般の人にもそれなりにわかりやすく書いてあるので、これから中井先生の本を読むという人にお勧め。

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    2009年10月04日
  • 心的外傷と回復 増補新版

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    難しいが、おそらくこの本、この文章でなければ伝わらない内容。さすが名著。今は「理解する」より、「心の底に沈めておく」くらいの読み方でいいと感じている。
    事例が生々しいため注意。

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    2025年10月29日
  • 臨床瑣談

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    医療を中心としたエッセイ。医学のこと、人体、患者の注意点など色々と興味深い。
    医者はこんなに健康に注意しているのかと感心した。プロポリスや乳酸菌、漢方薬などすぐにできるものはやってみる価値がありそう。
    昏睡から目覚めさせた話は、最後は医学でなく治したいという周囲の熱意と自分の意欲なのかと考えさせられる。

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    2024年10月04日
  • 私の日本語雑記

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    文法論やエッセイなどが入った、文字通りの雑記でした。
    翻訳家としての文章へのこだわりが垣間見える本だと思いました。
    ただ内容は難解で、特に文法の辺りは私が無知なせいもありますが頭に入ってこず…

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    2023年07月12日
  • 災害がほんとうに襲った時――阪神淡路大震災50日間の記録

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    東日本大震災を受けて復刊。最相葉月の勧めによるものと。阪神大震災時のエピソードは他のエッセイでも触れられているので、なんとなくイメージはついていた。わりと後方支援に徹していた様子で、なかなかこういうやり方はやろうと思っても難しいだろう。著者自身も「旗艦先頭」の美学がないわけではないと言っているくらいだし。

    構成を考えたりせずに一気に書いているものだけに(でも著者の文書はそういうのが多い?)要約が難しい。しかし、その場の雰囲気は伝わる。

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    2018年11月05日
  • 災害がほんとうに襲った時――阪神淡路大震災50日間の記録

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    こういうのも読んでおかねばならないかなと思って買ってみた。
    しかし、内部向けに書かれた文章とあって、日記的色彩がかなり強い。
    阪神時の病院の様子を知るには良いけど、一個人が今後の参考として読むような種類の本では無かった。一般人向けという感じでも無いし…ターゲットが難しそう。

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    2014年07月31日
  • 最終講義――分裂病私見

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    医療という名の人間との対話だなぁ。
    こういった症例を間近で見たことが無いもので何処か遠くの話に聞こえてくることは否定できないが、まぎれもない現実であり、関わる方々全ての苦闘は当方の想像もつかないものであることが良く分かる。
    それにしても本棚にあった本書を再び手に取ってみたのですが、その昔何をきっかけにしてこの本を手にしたんだろう?しかも新刊で購入している模様。
    特別この分野に関心がある訳でもなく、まさに偶然の出会いだったんだろうな、と感慨に耽っております。

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    2014年04月04日
  • 災害がほんとうに襲った時――阪神淡路大震災50日間の記録

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    ネタバレ

    東日本大震災に関係する小話。独り言みたい。
    「有害でないのならやって悪いことはないだろう」
    デフリーフィングとはなんだろうか。
    ドゴール「状況がすべてである」
    「何ができるかを考えてそれをなせ」
    黄色い花を飾った。
    放置されている違法は黙認されているとみなされる。
    後半は神戸人最高!の話。

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    2013年07月09日
  • 復興の道なかばで――阪神淡路大震災一年の記録

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    阪神大震災から1年。だが、あれから避難所で生活していた人たちは、ボランティアはどうなったのだろう。被災民への補償は、今後の地震対策は、町の復興は?ひとりの精神科医が見つめ続けた神戸の記録です。

    この本は精神科医の見た阪神・淡路大震災から一年後の神戸市の様子を記録したものです。残念ながら、読み物として読んだときには前に読んだ『災害が本当におそった時』の方が印象に強く残っているかも知れません。

    それでも、あれだけの惨禍から蘇った神戸市の立ち直っていく過程には、色々と学ぶべきことは多いと思い、ここに紹介します。震災後には、心に傷をおった人や、もともと酒を飲む人がさらに酒を飲んだりして、アルコー

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    2012年01月25日